LINEリッチメニューの活用ガイド:テンプレートや画像の要件、作り方などの基本から応用編まで一挙解説

LINE公式アカウントのリッチメニューを活用していますか?

リッチメニューは自社のオリジナルなメニューを展開でき、タップするだけでクーポンを受け取ったり、気になるコンテンツを閲覧したり、ECサイトにいってお買い物したりとユーザーにとって便利な機能です。

リッチメニューはLINE公式アカウントと自社サービスをつなぐ導線にもなることからも、LINE経由の自社サービス利用促進にはマストといっても過言ではありません。

本記事では、リッチメニューの基本(テンプレートや画像の要件、画像の作成方法)から一歩進んだ活用法まで紹介していきます。
思わず長編になってしまいましたが、すでにリッチメニューを活用されている方は、目次から知りたいところだけみていただければ幸いです。

  1. LINE公式アカウントのリッチメニューとは?
  2. リッチメニューを活用すべき理由
    1. LINE公式アカウントのすべてのアカウント種別・プランで無料で利用できる
    2. ユーザーのアクションにつなげる!LINE公式アカウントから自社サービスへの導線でLINE経由売上への貢献も
  3. リッチメニューを設置する方法
    1. リッチメニューの構成をきめる
      1. リッチメニューに配置するコンテンツ(訴求や導線)を決める
      2. 使用するテンプレートを選ぶ
      3. コンテンツの配置と設定するアクションを決める
    2. リッチメニューの画像を用意する
      1. リッチメニューのテンプレートと画像の要件
      2. リッチメニューの画像作成が難しい…そんな時は?
    3. LINE Official Account Managerで設定する
  4. MessagingAPIでリッチメニューを動的にだし分けたり、タブで切り替えもできる
  5. もっとリッチメニュー!アドバンス編
    1. リッチメニューと応答メッセージ組み合わせて擬似的なbotを実装する
    2. リッチメニューから外部ブラウザで遷移させる
    3. リッチメニューの効果を計測する
    4. リッチメニューのオーディエンスを活用してセグメント配信
  6. 事例:LINEログインとリッチメニューでさらに便利なユーザー体験を提供(自動ログイン)
    1. メガネスーパー:前回注文商品と支払い方法が選択された注文確認画面へ遷移しショートカット注文
    2. 宅配寿司「銀のさら」:リッチメニューから該当の店舗やお届け先が選択された状態で遷移し簡単注文
  7. さいごに

LINE公式アカウントのリッチメニューとは?

リッチメニューとは、トーク画面下部に固定表示される画像メニューです。
流れていくメッセージと比較して視認性に優れており、CVRが高いといわれています。

リッチメニューと混同されがちなLINE公式アカウントの機能に「リッチメッセージ」があります。
リッチメニューは常に固定表示されるメニューであるのに対し、リッチメッセージはトーク内に表示される画像メッセージです。

リッチメッセージとリッチメニュー

タイル状に分割された画像で構成されるリッチメニューをタップすると、外部サイトへの誘導や、事前に設定したテキスト(キーワード)の送信ができるため、自社ECサイトや登録ページへの誘導、会員カード表示、ID連携、クーポン画面への誘導、店舗検索など様々な用途で活用されています。

リッチメニューを活用すべき理由

LINE公式アカウントのすべてのアカウント種別・プランで無料で利用できる

リッチメニューは、LINE公式アカウントのすべてのアカウント種別・プランで無料で利用できる機能です。

リッチメニューの設定も、LINE Official Account Managerから簡単に設定することができます。

ユーザーのアクションにつなげる!LINE公式アカウントから自社サービスへの導線でLINE経由売上への貢献も

リッチメニューは自社の施策にあわせてカスタマイズでき、LINE公式アカウントのトーク画面下部(キーボードエリア)に自社専用のメニューを設置できます

スマホでタップするだけで、ECサイトや自社サービスへの遷移、会員証の表示、チャットの開始など、ユーザーのアクションに繋げることが可能です。

そのためリッチメニューは、LINE公式アカウントから自社サービス利用の入り口となり、LINE経由の売上にも影響する重要な導線になります

実は、LINE経由の売上の中でも、リッチメニュー経由でお買いものしていただくケースが一番多いんです。リッチメニューは配信費用がかからず、自社オリジナルのメニューを設置できるので試行錯誤しつつ活用しています。(中略)
LINE公式アカウントのリッチメニューからワンタップでオンラインストアにいけることもあり、「とりあえず富澤商店にいってみよう」というお客様のお買い物の入り口としてご利用いただけて、LINE経由の購買のきっかけにもなってるのだと思います。

(富澤商店 加藤様 https://www.socialplus.jp/case/tomizawa-shouten

LINEはもはやただの「メッセージを受け取るツール」ではなく、「ヒラキの商品を買う入口」になっているのだと思います。 ブラウザで検索せず、LINEを開いて、リッチメニューをタップして…という形で。
LINEを通じたサービス利用が、お客様の中でもかなり一般的になってきている印象です。

(ヒラキ株式会社坂久保様 土井様 https://www.socialplus.jp/case/hiraki

ただし、リッチメニュー設計の際は、企業が利用してもらいたい導線だけでなく、あくまでもユーザーの利便性を高めることがポイントです。利便性が高ければおのずと使っていたただけることにつながります。

リッチメニューを設置する方法

リッチメニューの構成をきめる

リッチメニューに配置するコンテンツ(訴求や導線)を決める

配置するコンテンツを決めます。

コンテンツ例

  • キャンペーンや最新情報の訴求
  • クーポンや限定割引などのお得情報の訴求
  • 会員証などの便利機能の導線
  • 商品一覧やマイページなどよく使われるページへの導線
  • チャットやFAQなどのユーザーが困ったときの導線

使用するテンプレートを選ぶ

リッチメニューを設置する際は、テンプレートを利用します。
ユーザーが使いやすくかつ効果的にコンテンツを配置するためのテンプレートを選びます。

リッチメニューのテンプレート

コンテンツの配置と設定するアクションを決める

テンプレートの分割パターンにあわせて、各コンテンツの配置と設定するアクションを決めます。

<リッチメニューに設定できるアクション>

  • リンク:任意のURLに遷移します。
    • 自社サイトやECサイト、マイページなど外部サイトに誘導、会員証表示、ID連携、店舗検索他
  • クーポン:クーポンを表示(LINE公式アカウントのクーポン機能)
  • テキスト:ユーザーがタップするとあらかじめ設定した任意のテキストをトーク画面に送信します。応答メッセージと組み合わせて擬似的なbotを実現することもできます(後述)
  • ショップカード:ショップカードを表示(LINE公式アカウントのショップカード)
  • 設置しない

コンテンツを配置する際は、コンテンツの優先順位やユーザーの利便性を考慮して配置していきます。

リッチメニューのおすすめの配置:視線や体の動きを考慮

こちらの記事では、弊社デザイナーがリッチメニューをデザインする時のポイントを詳しく紹介しています。

リッチメニューの画像を用意する

リッチメニューのテンプレートと画像の要件

JPEGもしくはPNG形式で画像を用意します。

リッチメニューの画像は背景全体の画像(リッチメニュー分割パターンに合わせてタップ領域を区切ったもの)を1枚をアップロードするか、LINEOfficial Accout Manager上でタップ領域ごとに画像を作成することも可能です。

リッチメニューの画像を設定

背景全体の画像をアップロードする場合、アップロードできる画像のサイズは以下の6パターンです。

リッチメニュー:テンプレートのサイズ
画像引用:https://www.lycbiz.com/jp/manual/OfficialAccountManager/rich-menus/

テンプレートの分割パターン及び各サイズの規定は、LINE Official Account Manager内のリッチメニュー新規作成画面に表示される[デザインガイド]からテンプレート画像をダウンロードの上、ご確認ください。

リッチメニューの画像作成が難しい…そんな時は?

<自社にデザイナーもいないし、画像編集のノウハウがない!>

LINE Official Account Managerの管理画面でも簡単に画像を作成・編集できます。

すでに用意されたアイコンを利用したり、自前の画像、例えば自社商品の画像などをアップロードして作成することもできます。

<デザイナーはいないけど、自社でもっと凝ったリッチメニューを作成したい!>

Canvaという無料のグラフックデザインツールを使って作成する方法を紹介します。

ソーシャルPLUSでは誰でも利用いただけるリッチメニューのテンプレート(無料)を配布しています。Canvaを使うのははじめてという人でも、記事を参考に下記のようなオリジナルなリッチメニューを簡単に作成できます。

テンプレートを使用したリッチメニューのイメージ
テンプレートを使用したリッチメニューのイメージ

Canvaを利用してリッチメッセージを作成する方法の詳細は以下の記事で解説しています。

LINE Official Account Managerで設定する

LINE Official Account Managerでリッチメニューを設定する

詳しい設定方法は以下公式サイトをご確認ください。
https://www.lycbiz.com/jp/manual/OfficialAccountManager/rich-menus/

ユーザーがトーク画面を開いた際のリッチメニュー表示・非表示を制御することもできます。(メニューのデフォルト表示)

リッチメニューの表示・非表示

また、リッチメニューごとに表示する期間を指定することができます。例えば、キャンペーン期間にあわせてリッチメニューを表示し、期間終了後は通常のリッチメニューを表示させることもできます。

MessagingAPIでリッチメニューを動的にだし分けたり、タブで切り替えもできる

下記のような、タブで複数のリッチメニューの表示を切り替えられるタブ型のリッチメニューをみたことはありませんか?

タブ型リッチメニュー
例:リッチメニューを複数のタブで表示を切り替える

タブ型リッチメニューは、基本のリッチメニューと比較してより多くのコンテンツ(タップ領域)を提供できるだけでなく、タブごとにカテゴライズすることでユーザーにとってわかりやすいリッチメニューを設置できます。

下記はタブ型リッチメニュー活用事例集です。タブ型リッチメニューを導入して、リッチメニューでどんな工夫をし、どんな効果につながったのかのヒントが満載ですので、ぜひご覧くださいませ。

  • LINE公式アカウントからの契約者向けサイト訪問数が月間2,000件UP
  • LINE連携特典のクーポン売上が約2倍に
  • 「マイページ」エリアからのサイト流入数・売上が大幅に向上した

他にも、ユーザーごとに動的にリッチメニューをだしわけることもできます。

ソーシャルPLUSが提供するリッチメニュー出し分け例(新規ユーザー・既存会員)
リッチメニューを動的に出し分け(新規ユーザー・既存会員)

リッチメニューだし分け例

  • 属性別:性別、年代別
  • アンケート回答など特定のアクションを行ったユーザーとそうでないユーザー
  • 会員登録済ユーザーと非登録ユーザー
  • ID連携済ユーザーと非連携ユーザー
  • 会員のランク別:初回購入ユーザー、リピート購入ユーザー、ロイヤルカスタマー

タブ型リッチメニューやリッチメニューのだしわけは、残念ながらLINE Official Account Managerで設置することはできません。設置するにはLINE Messaging APIを使用するため、開発もしくはツールの利用が必要となります。

<Messaging APIを利用したカスタマイズ性の高いリッチメニュー>

  • 基本機能では最大6件のタップ領域の指定ができるのに対し、Messaging APIでは最大20件のタップ領域を持つリッチメニューが作成できます。
  • 個別のユーザー(userId)とリッチメニュー(richMenuId)を紐づけることで、ユーザーごとにリッチメニューを出しわけることができます。
  • 複数のリッチメッセージを用意してタブのようにリッチメニューの表示内容を切り替えることができます。情報をタブごとにカテゴライズすることで、限られたスペースでより多くのメニュー(タップ領域)を提供することができます。

もっとリッチメニュー!アドバンス編

リッチメニューと応答メッセージ組み合わせて擬似的なbotを実装する

リッチメニューと応答メッセージを組み合わせて、カードタイプメッセージを配信し、ユーザーのタップで導線を分岐させる擬似的なbotも実現できます。

リッチメニューと応答メッセージ組み合わせてカードタイプメッセージを配信
  1. リッチメニュー(テキストアクションを設定済)をタップ
  2. ユーザーから(応答メッセージを呼び出す)テキストを送信
  3. 応答メッセージでカードタイプメッセージ(テキストアクションを設定)を送信

リッチメニューから最大9枚のカードタイプメッセージが呼び出せるので、手順や操作方法を伝えることに利用したり、視覚的にわかりやすい導線を複数用意することも可能です。

詳しい設定方法は以下の記事をご覧ください。

リッチメニューから外部ブラウザで遷移させる

リッチメニューのリンクからWebサイトを開く場合、デフォルトの設定では、LINEのアプリ内ブラウザでリンクが開きます。ケースによっては、「アプリ内ブラウザではなく、SafariやGoogle ChoromeでWebサイトを開かせたい」場合も

以下の記事では、LINEアプリから外部ブラウザを遷移させる3つの方法を紹介しています。

ただし、すべてのケースで外部ブラウザに遷移するのがベストとはいえません。

目的やユーザー体験に応じてベストな誘導を行えるよう、外部ブラウザ、アプリ内ブラウザそれぞれのメリット・デメリットについても解説しているのでチェックしてみてください。

リッチメニューの効果を計測する

リッチメニューのどのエリアからサイトに流入したのか?セッション時間、直帰率、CV(コンバージョン)や売上金額などを計測したい場合は、GA4での計測がおすすめです。

GA4で計測するにはリッチメニューのリンクutmパラメータを付与して計測します。
タップ領域ごとに異なるutmパラメータを付与すれば、どのタップ領域からの遷移かも計測できます

GA4でLINEの効果を計測する:utmパラメータ付与例
utmパラメータ付与例

リッチメニューのオーディエンスを活用してセグメント配信

「オーディエンス」とは、条件で特定のユーザーを絞り込み、配信先の指定に利用できるLINE Official Account Managerの機能です。

LINE公式アカウントのオーディエンスタイプに「リッチメニュークリックターゲティング」と「リッチメニューインプレッションリターゲティング」があります。

  • リッチメニュークリックリターゲティング:リッチメニューをクリックしたユーザーを対象とするオーディエンス
  • リッチメニューインプレッションリターゲティング:リッチメニューを表示したユーザーを対象とするオーディエンス

例えば、「キャンペーンやセール期間中の◯月◯日〜◯月◯日にリッチメニューの特定のボタンをタップしたユーザーでオーディエンスを作成し、セグメント配信を行うといったことが可能です。

事例:LINEログインとリッチメニューでさらに便利なユーザー体験を提供(自動ログイン)

LINEログインとリッチメニューを組み合わせることで、もっと便利なユーザー体験を提供することができます。

LINEログインの機能である自動ログインに対応していると、IDやパスワードを入力することなく、リッチメニューをタップするだけでログインした状態で自社サイトに遷移することができます
会員ページや専用コンテンツへのアクセスや、購入時のログインプロセスも不要となるため、便利なサービス提供やリピート利用に繋がります。

ここでは、自社サービス提供の一環として、リッチメニューを自社サービス利用の入り口として便利なユーザー体験を提供している二つの事例を紹介します。

メガネスーパー:前回注文商品と支払い方法が選択された注文確認画面へ遷移しショートカット注文

メガネスーパー公式通販サイトの事例では、リッチメニュー内に「コンタクト カンタン注文」のメニューを配置しています。既存会員(LINEログイン・ID連携済)ユーザーは「コンタクト カンタン注文」をタップするだけで、前回注文商品と支払い方法が選択された注文確認画面に遷移し、そのまま注文確定ボタンをタップするだけで、再購入が可能です。

メガネスーパー:LINEログインでリッチメニューから再度購入
画像引用:LINEがECサイト売上の3割を稼ぐチャネルに成長!メガネスーパーに学ぶ、LINEで売上を上げる方程式

宅配寿司「銀のさら」:リッチメニューから該当の店舗やお届け先が選択された状態で遷移し簡単注文

また、宅配寿司「銀のさら」公式サイトの事例では、LINEのメッセージやトーク画面上のリッチメニューから「銀のさら」公式サイトにアクセスすると同時に自動的にログインが完了し、該当の店舗やお届け先が選択された状態で遷移します。これによりユーザーは、注文時の面倒な情報入力をすることなく簡単に注文することができます。

さいごに

”LINE経由売上の多くがリッチメニューから”というケースも多く、LINE公式アカウントを開設したらまず最初に設定をおすすめしたいのが、リッチメニューです。

ユーザーに便利に利用してもらえるようなリッチメニューをぜひ活用してみてください。

尚、ソーシャルPLUSでは、タブ型リッチメニューや、ユーザーの属性にあわせたリッチメニューの出し分けなど高度なカスタマイズも、簡単に実現できます。お気軽にご相談ください!

■タブ型リッチメニュー・リッチメニュー出し分け機能 | ソーシャルログイン / ID連携の導入・実装支援サービス「ソーシャルPLUS」
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