
LINE公式アカウントを活用したいけれど、「どんな機能があるのかわからない」「結局、何をどう使えばいいの?」そんな方に向けて、この記事ではLINE公式アカウントでできることを機能別に整理しました。
各項目では、標準機能の概要や使い方をシンプルに紹介し、詳しく知りたい方は関連記事から具体的な設定・活用例を確認できるようにしています。
「LINEをこれから始める」「一通りの機能を把握したい」という方はもちろん、すでに運用中で“使いこなせていない機能を見直したい”方にも役立つ内容です。
- LINE公式アカウントでできること
- LINE公式アカウントの機能
- 友だちを増やす(友だち追加ガイド)|ユーザーが簡単に友だち追加できる導線を用意する
- あいさつメッセージ|友だち追加直後に自動配信され、開封されやすいメッセージ
- メッセージ配信|LINE公式アカウントの基本となるコミュニケーション機能
- オーディエンス|条件に応じて配信先を管理するリスト機能
- リッチメニュー |トーク画面に固定表示できるナビゲーションメニュー
- LINEチャット|ユーザーと1対1でコミュニケーション
- 応答メッセージ|自動返信で問い合わせ対応を効率化
- ステップ配信|シナリオに沿って段階的にメッセージを自動配信
- LINE Tag|メッセージ配信や広告の成果を可視化するタグ計測
- 分析|LINE公式アカウント運用で注視すべき指標を確認
- LINE公式アカウントのプランと料金
- まとめ|標準機能でできること・拡張ツールで広がること
LINE公式アカウントでできること
LINE公式アカウントは、企業や店舗がユーザーとLINE上でつながり、情報発信やコミュニケーションを行うためのビジネス用ツールです。
新規顧客の獲得から既存顧客との関係強化、LTV(顧客生涯価値)の最大化まで、メッセージ配信やリッチメニュー、クーポン、チャットなどのLINE公式アカウントの機能を組み合わせて、売上やリピート率の向上へとつなげることができます。
たとえば、
- 新規顧客の獲得:QRコードやURLを使って友だち追加を促進
- 販促・再来店促進:メッセージ配信やクーポン配布でアクションを後押し
- 顧客フォロー:購入後のサポートやリピート施策
このように、LINE公式アカウントは「ユーザーとの接点獲得から継続的な関係性構築のための基盤」として、幅広い業種・業態で活用されています。
次の章では、こうした取り組みを支えるLINE公式アカウントの標準機能を一つずつ紹介します。
LINE公式アカウントの機能
友だちを増やす(友だち追加ガイド)|ユーザーが簡単に友だち追加できる導線を用意する
LINE公式アカウントを運用するうえで最初に取り組みたいのが、友だちを増やすことです。
管理画面の「友だち追加ガイド」からQRコード・URLリンク・ボタンが発行できます。
SNSやメールでシェアしたり、店舗ではPOPやレシート、同梱物などにQRコードを掲載し、購入や来店のタイミングで友だち追加を促します。
ECサイトでは、ユーザーのモチベーションが高まるタイミングや、頻繁にアクセスする場所に導線を設置するのがポイントです。
- 注文完了画面:ブランドや商品への興味が最も高いタイミング。購入直後に「友だち追加で次回使えるクーポン」などを提示するのが効果的。
- マイページ:会員登録済みのアクティブなユーザーが訪れる場所。購入履歴やポイント表示と並行して案内を設置。
- トップ画面:初訪問や再訪問時など、多くのユーザーの目に触れるエリア。キャンペーンバナーなどと組み合わせて訴求。
このとき、「友だち追加で10%OFF」や「限定レシピを配信中」など、追加するメリットを提示すると効果的です。
さらに、次の章で紹介するあいさつメッセージで特典案内や次の行動を促すことで、継続的な関係構築にもつながります。
あいさつメッセージ|友だち追加直後に自動配信され、開封されやすいメッセージ
あいさつメッセージは、ユーザーがLINE公式アカウントを友だち追加、もしくはブロックを解除した際に自動的に送られる最初のメッセージです。
あいさつメッセージはメッセージ通数の課金対象としてカウントされない上、友だち追加直後のユーザーの興味が高い時に自動送信されるので、反応を得られやすい特徴があります。
LINE公式アカウントを開設したらぜひとも最初に設定しておきたい機能です。
あいさつメッセージでは、このLINE公式アカウントはどんなアカウントなのか、友だちでいることでどんなメリットがあるのかなどを伝えましょう。
初回限定クーポンや旬な情報を入れて、お得感を見せることも重要です。
これにより、商品の購入やサービス利用に繋がりやすく、「今後もこのLINE公式アカウントをチェックしよう」というユーザーへの動機付けにもなります。

以下の記事では、あいさつメッセージ活用のコツを具体的な設定例やクリエイティブイメージと共にご紹介しています。
メッセージ配信|LINE公式アカウントの基本となるコミュニケーション機能
LINE公式アカウントの中心となるのが「メッセージ配信」です。
テキストメッセージの他、ビジュアルで多くの情報を効果的に伝えられるリッチメッセージ、カルーセル形式のカードタイプメッセージも配信できます。
また、一斉配信の他、「オーディエンス」「過去の配信」「属性(フィルター)」を指定した絞り込み配信が可能です。これらのメッセージは、特別なツールを用意しなくても管理画面から配信できます。
- すべての友だちに対して一斉配信
- 「みなし属性」を利用したセグメント配信:性別や年代などをもとにターゲットを絞り込み※ターゲットリーチ数が100人以上必要
- 「オーディエンス」を利用したセグメント配信:特定条件(クリック・追加経路など)で自動作成されたリストへの配信※オーディエンスに含まれる有効な友だちが50人”以上必要
- 配信メッセージ数の上限を指定:予算の範囲内におさまるよう配信数を指定。配信日時時点の属性情報の推計が可能な友だちからランダムで配信される
なお、標準機能だけでもある程度セグメントをわけた配信が可能ですが、みなし属性以外のユーザー情報や自社で保有する会員情報をもとに「誰に何を送るか」をユーザーごとに最適化するには、拡張ツールの利用やLINEのID連携が必要になります。
💡補足
① LINEマーケティングツールのアンケート機能(取得データを友だち情報に紐付け
セグメント配信に活用)
LINE拡張機能を提供しているツールの中には、アンケート機能を利用して、新たにユーザー情報を取得し、そのユーザー情報を利用して、メッセージやリッチメニューをだしわける機能を提供しているものがあります。


②LINEのID連携とは?
LINEのID連携とは、自社サービスのアカウント(会員ID)とLINEアカウント(LINE ID)を紐付けることです。
ID連携により、LINE公式アカウントの友だちが自社顧客DB上のどの会員なのかを判別できます。これにより、属性や購買履歴などの自社が持つ顧客データ、つまりファーストパーティデータ(1st Party Data)を活用したセグメント配信やリッチメニューの出し分けが可能になります。
メッセージ配信は最も手軽に活用できる一方で、すべての友だちに同じ内容を送り続けると、開封率の低下やブロック率の上昇につながることがあります。
※ソーシャルPLUSの調査では、サポート対象アカウントの平均ブロック率は約29.7%(中央値27.0%)というデータもあります。(関連記事:ブロック率の平均値と改善ポイント)
また、開封率が思うように伸びないときは、トークリストに表示される冒頭テキスト(1通目の吹き出し)が適切かを見直すことも重要です。
“メッセージを開く前に伝わる一言”が、ユーザーの反応を大きく左右します。
🔗 関連記事:開封率が下がったときに確認すべきポイント
オーディエンス|条件に応じて配信先を管理するリスト機能
「オーディエンス」は、条件で特定のユーザーを絞り込み、配信先の指定に利用できる機能です。
LINE公式アカウントの標準機能だけでセグメント配信をする場合には、ぜひともチェックしておきたい機能です。
例えば、以下のような配信が可能です。
- 過去に配信したメッセージを表示、もしくはクリックしたユーザーを対象としてセグメント配信
- 特定の友だち追加経路(QRコードやキャンペーンなど)から友だち追加したユーザーを対象としてセグメント配信
作成したオーディエンスは「メッセージ配信」で配信先を「絞り込み」にすると選択することができ、含めるか除外するかを指定することができます。
友だち全体への一斉配信から一歩進んで、特定のセグメントに対してメッセージを配信できる機能です。
リッチメニュー |トーク画面に固定表示できるナビゲーションメニュー
リッチメニューは、トーク画面下部に常設できる自社専用のナビゲーションメニューです。
LINE公式アカウントのすべてのアカウント種別・プランで無料で利用できる機能で、LINE公式アカウントを開設したらぜひとも最初に設定しておきたい機能です。
スマホでタップするだけで、ECサイトや自社サービスへの遷移、会員証の表示、チャットの開始など、ユーザーのアクションに繋げることが可能です。
リッチメニューは「ユーザーにとっての利便性」を第一に設計すると効果的です。
- ECサイト:新着商品・セール情報・再入荷アイテム・人気ランキング・マイページ・会員証 他
- 店舗:会員証・ポイントカード・店舗検索・情報の表示 他
- 人材:求人検索・応募フォームやお問い合わせ・FAQ・お役立ちガイド 他
また、メッセージ配信をきっかけにリッチメニューがタップされ、そこからコンバージョンにつながるケースも多く見られます。
配信内容とリッチメニューを連動させ、ユーザーの関心に合わせて導線を設計するのがポイントです。
💡補足
拡張ツールを利用することで「タブ切り替え」や「ユーザー属性による出し分け」も可能になります。
たとえば、タブ型リッチメニューは、複数のメニューをカテゴリごとにタブでグルーピングでき、ユーザー体験を損なわずに多くの情報を整理・表示できます。
タブを切り替えるだけで、商品カテゴリ・キャンペーン・会員メニューなどにスムーズにアクセスでき、より直感的でわかりやすい導線設計が実現します。

LINEチャット|ユーザーと1対1でコミュニケーション
ユーザーと1対1でコミュニケーションを行えるのが「LINEチャット」です。
LINEチャットでのやり取りは、課金対象外で、気軽に質問・相談を受け付けたい企業や店舗にとって、顧客満足度を高める重要なチャネルです。
2025年3月からは、有料プランとして「チャットProオプション」が追加され、より高度な運用(複数担当者対応・履歴管理など)が可能になりました。
一方で、LINEチャットと応答メッセージ(※後述)の併用はできません。
そのため、応答メッセージも活用したい場合には、状況に応じて切り替える必要があります。
また、LINEチャットでやり取りできるのは、過去にチャットを送信してきたユーザーのみです。ユーザー側から最初のメッセージがない限り、管理者側からはチャットを開始できません。
ただし、認証済アカウントの場合、ユーザーが友だち追加を行うと、連絡先の一覧に表示される「チャット」ボタンから管理者が先にメッセージを送ることができます。
この機能は広告目的ではなく、あくまでスムーズなコミュニケーションのためのものとして利用する必要があります。
応答メッセージ|自動返信で問い合わせ対応を効率化
応答メッセージは友だちからメッセージを受信したときに、事前に設定しておいた内容を自動で返信する機能です。
営業時間外の対応や問い合わせ対応の一次受付として活用でき、運用の工数を抑えながらユーザー満足度を高められます。
応答メッセージには、次の2つのタイプがあります。
- キーワード応答:
- ユーザーのメッセージ内に特定のキーワードが含まれている場合に、自動で返信を行う。
- 例:「クーポン」と送ると「今月のクーポンはこちら」と返信する設定など。
- 一律応答:
- 受信内容に関わらず、常に同じメッセージを自動送信する。
- 例:「お問い合わせありがとうございます。担当者より順次ご連絡いたします。」など。
応答メッセージは無料で利用でき、メッセージ配信通数の課金対象外です。
ユーザーからの問い合わせが多いアカウントでは、まずこの機能を設定しておくことで、対応漏れを防ぎつつ、スムーズなコミュニケーションを実現できます。
少し応用的な活用方法になりますが、応答メッセージとリッチメニューまたはカードタイプ(カルーセル形式など)を組み合わせて擬似的なボットを実現する方法もあります。
このパターンを詳しく紹介した記事がありますので、より具体的な実装例のヒントとして参考にしてください。
ステップ配信|シナリオに沿って段階的にメッセージを自動配信
「友だち追加」「友だち追加経路」「オーディエンス(特定条件に合致するユーザー)」を起点としたステップ配信が可能です。
- 友だち追加を起点にした配信:新しく友だち追加したユーザーに、1日後にウェルカムクーポンを配信、3日後に人気商品の紹介を行い、初回購入を促進
- 友だち追加経路を起点にした配信:友だち追加広告経由で友だち追加してくれたユーザーに、3日後に「限定クーポン」を配布
- オーディエンスを起点にした配信:過去の配信を開封/クリックしたユーザーに、数日後フォローメッセージ → さらに数日後にセール情報を配信
▼友だち追加起点でのステップ配信例
- 友だち追加して1日目にキャンペーン商品のプロモーションを配信
- 5日目にユーザーレビューなど購入メリットを配信
- 7日目に友だち限定のクーポンを配信し購買を促進

LINE Tag|メッセージ配信や広告の成果を可視化するタグ計測
LINE Tagとは、LINE公式アカウントやLINE広告で実施したプロモーション施策の効果測定ができる機能です。
LINE公式アカウントやLINE広告を経由して実行されたウェブサイト上のアクションの計測が可能になるので、LINEを活用した施策の効果測定や改善に役立てることができます。
1.施策の効果測定:
メッセージや広告を配信した結果、どれくらいサイトに訪問があり、どれくらいコンバージョン(購入や会員登録など)につながったかなど、施策の成果を計測できます。
2.オーディエンスの作成:
LINE Tagで取得したユーザーの行動データを元に「オーディエンス」を作成し(ウェブトラフィックオーディエンス)、メッセージの絞り込み配信や広告のターゲティングに活用するなど、施策の最適化を行うことができます。
ただし、導入は少し手間が必要なので、まずは “こういう機能がある” ことを知っておくのがよいでしょう。
分析|LINE公式アカウント運用で注視すべき指標を確認
「分析」タブでは、メッセージ配信の開封数・クリック数、リッチメニューのタップ数、友だち数の推移などが確認できます。ここで得られるデータを基に、配信内容・タイミングを改善しましょう。
ただし、以下の点は注意が必要です。
- 指標数値が少ない(1~19件程度)場合、開封やクリックが「-(非表示)」になる
- サイト流入や購入など外部行動は計測できないため、GA4やLINE Tagを利用した計測が不可欠(※詳細は後述)
- リッチメニュー各エリアのタップ数も分析可能だが、数値が少ないと表示されない
少しわかりづらい箇所にあるのですが、ユーザーが友だち追加およびブロックした経路の確認ができる「友だち追加経路」もよくみる指標です。
OAMの「分析」タブ >「友だち」

- ①全経路の友だち追加に対する特定経路の友だち追加の割合
- ②日毎の特定経路の友だち追加及びブロックの発生が表示
- ③選択した期間における特定経路の友だち追加及びブロック数
- ④選択した期間における「概要(追加経路ごとの追加数とブロック数)」および「日次データ(日ごとの追加経路、追加数とブロック数)」をダウンロードすることができます。
※画像は特定経路がホームページの表示例
他にも、「LINEログイン」「トークルーム内ボタン」「友だち追加URL・QRコード・ボタン」「友だち追加広告」「クーポン」「友だち追加経路で設定した経路」など、どの経路から友だち追加およびブロックされたかの確認ができます。
💡補足:外部計測ツールGA4を利用してLINEの成果を“見える化”する
LINEの成果を正しく把握するには、計測の仕組みが欠かせません。
LINE公式アカウントの管理の分析タブでも、開封数やクリック数、友だち数の推移など基本的なデータは確認できますが、メッセージやリッチメニューからどれくらいサイト流入や購入につながったかまでは把握できません。
そのため、Google Analytics 4(GA4)などのアクセス解析ツールを利用して計測するのがおすすめです。
リンクURLにUTMパラメータを付与することで、「LINE経由の流入数」や「メッセージ別のコンバージョン率」を可視化できます。
また、メッセージ配信やリッチメニューの各領域ごとにURLを分けて設定しておくと、どの施策が成果につながっているかを比較・改善しやすくなります。
LINE公式アカウントのプランと料金
ここまで紹介した機能は、すべてLINE公式アカウントの標準機能で利用できます。
次に、運用にあたって必要となる料金プランとコスト構造を確認しておきましょう。
現在、コミュニケーションプラン・ライトプラン・スタンダードプランの3種類が提供されており、月額固定費+無料配信数枠が設定されています。
例えばスタンダードプランでは、月額固定費15,000円で30,000通まで無料、超過分は従量課金という仕様です(例:100,000通配信時には221,000円になるケースもあります)。
また、プランのアップグレード/ダウングレードは月単位で可能で、差額分を支払う形で機能が切り替わる仕様になっています。
料金を抑えつつ成果を出すには、
- 無料枠を効率よく使う(絞り込み配信/オーディエンス活用など)
- 無駄な配信を減らす(反応の低いユーザーには配信を控える)
などの運用の工夫が不可欠です。
まとめ|標準機能でできること・拡張ツールで広がること
LINE公式アカウントは、メッセージ配信・リッチメニュー・クーポン・チャット・ステップ配信など、無料でも多くの機能を備えています。
これらを組み合わせるだけでも、「友だちを増やす」「関係を深める」「購買を促す」までの基本的な流れを設計できます。
一方で、標準機能にはいくつかの制約もあります。
- 配信内容の出し分けは「みなし属性」や「オーディエンス」に限定される
- ユーザー興味・関心や自社の顧客データをもとにセグメント配信を行うには、ユーザーの興味・関心を友だちに紐づけて取得したり、LINEのID連携(ユーザーのLINEのIDと自社顧客データの連携)が必要
- リッチメニューの切り替えやタブ化、柔軟なシナリオ配信を行うには、LINEマーケティングツール(拡張ツール)の利用が前提
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LINE公式アカウントは、使い方次第で成果が大きく変わります。
まずは標準機能で“できること”を最大限活かしながら、より高い成果を目指すタイミングで、拡張ツールによる運用自動化・データ活用へステップアップしていきましょう。
















