LINEを活用したマーケティングが一般的になる中、LINE公式アカウントを導入したものの、運用において以下のような課題をもつ企業も多く存在します。
- 友だち全員への一斉配信だけでは一方的な告知になりがちで、通数課金によるコストと効果が釣り合わない
- ユーザーのニーズに併せてメッセージの出し分けをしたい(セグメント配信)
- メッセージ配信オペレーションの手間がかかる
- LINEをCRM活用したいと考えているが具体的にどうすればいいのかわからない
これらの課題を解決する方法の1つに、ステップ配信が挙げられます。
ステップ配信とは
ステップ配信とは、登録や購入などユーザーの特定のアクションを起点に、〇日後、さらに〇日後と、一定のタイミングで予め準備した複数のメッセージを配信するマーケティング手法です。Eメールによるマーケティングではステップメールと呼ばれる一般的な手法で、単品通販サイト等を中心に多く活用されています。
ステップ配信例
- 1通目:商品購入時にサンクスメッセージを送信
- 2通目:商品発送の連絡
- 3通目:購入後フォロー
- 4通目:購入者限定キャンペーンのご案内(クーポンの配布等)
ステップ配信は、ユーザーのアクションを起点にフォローアップメッセージを自動で配信できるため、メッセージ配信オペレーションを効率化させながら、売上拡大やCV獲得などのビジネス目標の達成に貢献することが期待できます。
ステップ配信では、予めユーザーの属性やセグメント毎に、シナリオと呼ばれる配信設計を行います。また、ステップ配信の過程で実行されたユーザーアクションに従い、さらにシナリオを分岐させた配信設計(シナリオ分岐)を行うことも可能です。
例えば、ある商品をお気に入り登録しているユーザーを対象としたステップ配信設計例では、以下のようにシナリオを分岐させることで、不必要なメッセージ配信を避け、よりユーザーのニーズに則したコミュニケーションが実現できます。
◆対象となるユーザーアクション:商品のお気に入り登録
- お気に入り登録をしている商品の再入荷通知を配信
- (ユーザーが購入に至った場合)サンクスメールや限定キャンペーンの案内を配信
- (未購入ユーザー)お値下げ通知を配信
ステップ配信のメリット
ユーザーのアクションを起点とした効果的なメッセージ配信
友だち全員に送信する一斉配信では、様々なユーザーを対象としているため、企業からの一方通行の告知や案内になりがちです。そのため、一斉配信後にブロック率が高くなってしまうという声も耳にします。
ステップ配信では、ユーザーの属性やセグメント毎にシナリオを設定し、ユーザーアクションから一定のタイミング毎にメッセージ配信を行うため、「配信対象」×「配信するタイミング」の最適な設計により、効果的なメッセージ配信ができます。さらに、不必要なメッセージ配信を避けることにもつながります。
ユーザーとの関係性構築・LTVを最大化
新しく友だち追加してくれたユーザーに、さらに自社サービスを知ってもらい、購買や登録などのアクション喚起のきっかけをつくりながらユーザーの満足度を高め、継続的な利用を促進するというように、LTVを最大化するコミュニケーションに活用することができます。
シナリオ設計で配信作業の効率化・自動化
ステップ配信ではシナリオ毎に一連の配信スケジュールを予め設定をすることで、メッセージ配信の自動化ができるため、効率的なメッセージ配信ができます。
セミナー申込・お店の予約やお問合せなど、シナリオを活用することで、集客から申込受付、リマインド通知の一連のメッセージ配信を自動化することも可能です。
また、シナリオ・ユーザー別に効果検証を行うことで、効果改善に繋げることもできます。
ステップ配信活用例
続いてステップ配信の活用例をご紹介します。実際には、さらに細かくシナリオを分岐させることもできます。
例1:新しく友だち追加してくれたユーザーに向けたステップ配信
- 友だち追加サンクスメッセージ
- ID連携キャンペーンや友だち限定クーポンの配布
- 期限切れ間近のポイント・クーポンの利用促進通知
例2:商品をお気に入りに追加したユーザーに向けたステップ配信
- 商品の再入荷、在庫通知
- 値下げ通知
- 関連製品のレコメンド
例3:商品購入ユーザーに向けたステップ配信
- サンクスメッセージ
- 効果的な使用方法のノウハウ・愛用者の声
- 閲覧履歴をもとに他商品のレコメンド
- 定期購入のおすすめ
例4:飲食店・サロンなど実店舗の予約ユーザーに向けたステップ配信
- サンクスメッセージ
- 予約日直前のリマインダー
- 来訪後のフォローアップ
- 次回予約のご案内と受付
効果的なステップ配信を行うには?
効果的なステップ配信を行うには、ユーザーにどのようなアクションをとってほしいのか、ユーザーとどのようなコミュニケーションを行うことでエンゲージメントを高めることができるのかをシナリオに落とし込むことが重要です。
ステップ配信の目的・ターゲット設定(配信対象)・配信するタイミング・配信内容をもとに適切なシナリオ設計を行いましょう。
さらに、ID連携済みの友だちに対しては、自社サイトや自社顧客情報をもとに、属性情報や購買履歴をかけあわせることでさらに多くのシナリオ項目が設定できるため、よりユーザーにマッチしたメッセージ配信が可能になります。
より効果的なステップ配信のために、併せてID連携率をあげるための施策も検討してみましょう。
ID連携とは?
ID連携とは、LINEのユーザーIDと自社データベースの会員IDを紐付けることです。ID連携により、自社が保有する購買履歴や来店情報、SNS ID等より多くのユーザー情報を一意に紐づけることができるため、様々なチャネルをまたいだ最適なマーケティングアプローチが可能になり、より良い顧客体験の提供につながります。
ステップ配信を導入するには?
LINEのメッセージ配信を企業マーケティングに活用したいというニーズに対して、様々なメッセージ配信ツールやMA・CRMツールが提供されています。
メッセージ配信ツールでは、LINE公式アカウントのユーザー情報の一元管理や、ステップ配信などの手動で繰り返し行うマーケティング業務を自動化・効率化する機能を提供しています。これらのメッセージ配信ツールを利用することで、ステップ配信を導入することができます。
ソーシャルPLUSが提供するLINEメッセージ配信ツール「メッセージマネージャ―」においても、ステップ配信機能をリリースしました。今後は、アクションをトリガーにしたステップ配信を簡単に配信設定できるようなアップデートも予定しております。
さいごに
マーケターの業務が多岐にわたる中、なかなか1つの施策に多くの時間を割くことができないケースも多いかと思います。LINEのメッセージ配信を効果的に自動化する手法の1つとして、ステップ配信を検討してみてはいかがでしょうか?
「ソーシャルPLUS」について
ソーシャルPLUSは、LINE株式会社の開発・販売パートナーに認定されています。LINEを活用したCRM・ソーシャルログインサービス「ソーシャルPLUS」では、LINEログインを活用したCV導線の簡略化から、友だち追加の促進、会員情報に応じたセグメント配信に至るまで、ユーザー体験を重視したご提案が可能です。
◇詳細はこちら:https://socialplus.jp/line/
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(執筆:松元、編集:大西)