開発・MAツール導入なしではじめるLINE配信の自動化活用例~ソーシャルPLUSとTēPs連携で実現

2022年12月、ソーシャルPLUSは、ECサイトに特化したノーコードツール『TēPs』と連携したことを発表しました。

本リリースによりソーシャルPLUSでは、コストを大幅に抑えて、企業データベースと連携したLINEメッセージの自動配信を一部実現できるようになりました!

  • 新規でのバックエンド開発は不要
  • MAツールやCRMツールは不要

本記事では、具体的にどんなことができるのかを導入方法とともにご紹介します。

ソーシャルPLUSとTēPsとの連携でできるようになったこと

ソーシャルPLUSでは、LINEログインによる会員登録・ログインフローの中で友だち追加・ID連携が完了する仕組みを提供しています。

LINEログインでID連携した後、顧客のLINEのID (UID、LINEユーザーごとの個別識別子) を指定し、自社データベースの情報をもとに自動でセグメント配信をするためには、下記のどちらかが必要でした。

  • MAツールやCRMツールなど、データベースとつなぐことができるLINE配信に対応したツールを併用する
  • LINEのMessaging APIを利用して自社でLINEメッセージ配信機能を開発する

今回のリリースによって、1)Salesforce他、CData Connect Cloudと連携しているデータベースの情報を利用したセグメント配信、2)LINEのメッセージ配信の自動化が可能になりました。

例えば下記のような配信を行うことができます。

  • 例1. オンラインショップで、その日出荷したお客様に対し、当日夕方に出荷通知をLINEで自動配信する
  • 例2. 指定した顧客にクーポンコード (それぞれユニークなもの) を配信する
  • 例3. LINEのID連携しているユーザーにはLINEで配信し、そうでないユーザーにはメールで送信する

これらは本記事の後半でそれぞれ詳しく説明しています!

ソーシャルPLUSとTēPsとの連携イメージ

まず簡単にそれぞれのサービスを紹介します。

TēPsはプログラミングの知識や経験がなくても、さまざまなサービスや機能を自由に組み合わせ、オリジナルの業務効率化ツールを作成できるクラウドサービスです。
「CData Connect Cloud」と接続しており、これらのデータを取得し、ワークフローで利用可能です。

CData Connect Cloud は、様々なSaaS やDB へのコネクティビティ(接続機能)を提供するクラウドサービスです。CData Connect Cloudを通じて、Salesforceをはじめとする100以上のSaaSデータソースに接続可能です。

CData Connect Cloudが対応するSaas、DBは100以上
(画像提供:CData Software Japan 合同会社)

ソーシャルPLUSとTēPsとの連携イメージは下記図を参照してください。

ソーシャルPLUSとTēPsとの連携イメージ図
ソーシャルPLUSとTēPsとの連携イメージ図

ソーシャルPLUS、TēPs、CData Connect Cloud(以下CDdata)の各サービスを連携し、TēPsの「フレーズ」と呼ばれるワークフローを作成するだけで、TēPsが指定したタイミングにCData経由で企業のデータベースを参照し、設定した条件に合わせてソーシャルPLUSからLINEのメッセージ配信をおこなえます。

これらはバックエンドの開発をすることなく実現できます

活用例~具体的に何ができる?

例1. オンラインショップでその日出荷したお客様に対し、当日夕方に出荷通知をLINEで一斉送信する

構成:CDataーTēPs―ソーシャルPLUS

下記のような出荷実績のデータベースを利用して、出荷通知をLINEで送ることが可能です。

出荷日ソーシャルPLUS ID氏名などの個人情報荷物の問い合わせNOその他配信したい情報など
2023/1/10xxxxxxxxx湯島太郎vvvvvvvvvv商品情報など
2023/1/11gggggggg湯島花子aaaaaaaaa商品情報など
2023/1/12ccccccccc湯島金太郎bbbbbbbbb商品情報など

まず、毎日の出荷を管理する出荷実績テーブルをSalesforceに作成・更新する仕組みを作ります。

その後、デイリーで出荷実績テーブル更新し、TēPsの定期処理によって、出荷日が”今日”のレコードに対してLINEのメッセージを自動で一斉配信します。

TēPsの定期処理によって、出荷日が”今日”のレコードに対してLINEのメッセージを自動で一斉配信
TēPsの定期処理によって、出荷日が”今日”のレコードに対してLINEのメッセージを自動で一斉配信

例2. 指定した顧客にクーポンコード (それぞれユニークなもの) を配信する

構成:TēPs―ソーシャルPLUS

イメージとしては「応募者の中から抽選で選んだ1,000名のお客様に、すべてユニークな特別割引クーポンコードを送りたい」というケースです。

これはTēPsとソーシャルPLUSのみで実現可能です。

下記のようなGoogle スプレッドシートを用意します。最低限必要な情報は下記のみです。他にメッセージに挿入したい情報がある場合は適宜追加するとよいでしょう。
なお、このスプレッドシートは配信完了後に削除しても問題ありません。

ソーシャルPLUS IDクーポンコード
ffffffffffffffklajsdflkj
eeeeeeeasdffflllkkjf

今回はCDataではなく、TēPsからGoogle スプレッドシートに直接連携していきます。

こうすることでGoogle スプレッドシート → TēPs → ソーシャルPLUS という構図ができあがります。

TēPsのノートの構成はこれまでと同じです。

指定した顧客にクーポンコード (それぞれユニークなもの) を配信
指定した顧客にクーポンコード (それぞれユニークなもの) を配信

例3. LINE ID連携しているユーザーにはLINEで配信し、そうでないユーザーにはメールでお知らせを送信する

構成:CDataーTēPs―ソーシャルPLUS

すべてのユーザーがLINE ID連携をしているわけではないので、「LINE ID連携しているユーザーにはLINEで配信し、そうでないユーザーにはメールでお知らせを送信したい」という需要もあるかと思います。

この場合はTēPsの「条件分岐」を利用すれば実現できます。
今回は、参照するテーブルに顧客のメールアドレスの情報も必要です。

メッセージに挿入したい情報ソーシャルPLUS IDメールアドレス
お名前などtttttttttttttaaa@ppp.com
お名前などyyyyyyybbb@ppp.com
お名前などccc@ppp.com
お名前などeeeeeeddd@ppp.com
お名前などeee@ppp.com
テーブルの例

このようにLINE ID連携できていないお客様は「ソーシャルPLUS ID」カラムがブランク(空欄)になります。これを利用して「ソーシャルPLUS IDカラムが空欄の場合はメールで送信する」というフレーズをTēPsで作成することができます。

フレーズの全体像はこのようになります。

「ソーシャルPLUS IDカラムが空欄の場合はメールで送信する」というフレーズをTēPsで作成
「ソーシャルPLUS IDカラムが空欄の場合はメールで送信する」というフレーズをTēPsで作成

「条件で処理を分岐」というノートを差し込みます。このノートの詳細はこのようになっています。

TēPsの「条件分岐」を利用

このようにTēPsの「条件分岐」を利用して、「〜が空欄ではない」という条件を決め、YESの場合はLINEで送る、NOの場合はメールで送るというように処理を分けることができます。

注意点

これまでTēPsとソーシャルPLUSの連携でできることをご紹介してきましたが、現状、下記のようなことは実現できません。

  • 複数のテーブルでの条件を検索してメッセージを送信する
  • 最短15分ごとの定期実行以外での実行 (webhookなどでの実行やAPIでの実行はできません)

Salesforceを例に具体的な設定手順をご紹介

ここではCDataへ連携するデータベースがSalesforceであることを例に、より具体的な設定方法を見ていきましょう。※Salesfoceにデータベースがある必要があります。

SalesforceとCDataをつなぐ

CDataの管理画面左側のメニューから「Connections」を選択し、CDataとSalesforceを連携します。

CDataとSalesforceを連携
CDataとSalesforceを連携

SalesforceとCDataを連携することで、左カラムの「OData」に連携したSalesforceのデータベースのテーブルがすべて出現します。

ここでは、配信に必要なテーブル以外は削除するなどしていただいて問題ありません。
なるべく配信に必要なテーブルのみに絞ることをおすすめします。

CDataとSalesforceを連携すると「OData」に連携したSalesforceのデータベースのテーブルが表示
CDataとSalesforceを連携すると「OData」に連携したSalesforceのデータベースのテーブルが表示

これでSalesforceとCDataの連携は完了です。

TēPsでフレーズを作成する~CDataとTēPs、TēPsとソーシャルPLUSを連携し、メッセージを配信

それでは早速TēPsの画面を見てみていきましょう。

TēPsにはすでにソーシャルPLUSとの連携用のテンプレートが用意されています。このテンプレートを利用すれば簡単にフレーズを設定できます。

テンプレート:ソーシャルPLUS|CData Connect Cloud の OData テーブルの情報をもとに、LINE のテキストメッセージを送信する
テンプレート:ソーシャルPLUS|CData Connect Cloud の OData テーブルの情報をもとに、LINE のテキストメッセージを送信する

※一連のワークフローをTēPsでは「フレーズ」と呼びます。また、この一つ一つの処理ブロックのことを「ノート」と呼びます。

①この処理を実行するタイミング

最短15分間隔の定期実行が可能です。定期実行だけでなく、手動での実行(トライアル実行)も可能です。フレーズの起動時間は毎時0分、15分、30分、45分となっており、分刻みで起動時間を指定することはできません。

TēPs:最短15分間隔の定期実行が可能
最短15分間隔の定期実行が可能

「毎時」の他、「毎日」「毎週」「毎月」などが選択できます。

②LINEのメッセージを配信するセグメントの条件を設定

①で指定したタイミングでTēPsがCDataに接続し、指定したSalesforce内のデータベースのテーブル(下記例では Individual)を読みにいきます。

ここで、LINEのメッセージを配信するセグメントの条件を設定します。

カラム「Gender_c」の値が”FEMALE”のデータを検索
カラム「Gender_c」の値が”FEMALE”のデータを検索

カラムで条件指定したり、処理の実行順序をソートすることができます。

例えば「特定の年齢層に向けて配信したい」「関西在住の人だけにお知らせしたい」など、Salesforce内のテーブルが持っている情報であれば、条件指定が可能です。

ですので、Salesforce側のデータベースに顧客の住所から特定した今日の天候などを持つカラムを用意できれば、「今日雨が降っている地域の顧客のみにLINEで配信」なども実現可能です。

③検索条件にあったレコードを一つずつ最後まで処理するループ設定

次に続く④と⑤をレコードごとに繰り返す処理を行います。

TēPs:検索条件にあったレコードを一つずつ最後まで処理するループ設定
検索条件にあったレコードを一つずつ最後まで処理するループ設定

④ソーシャルPLUSと連携し、配信先とメッセージの内容を設定

いよいよ、ソーシャルPLUSと連携し、配信先とメッセージ内容を設定していきます。

下図のように、メッセージコンテンツ内にもSalesforceのカラムの情報を変数として指定することができます

メッセージ内にSalesforceのカラムの情報を変数として指定できる
メッセージ内にSalesforceのカラムの情報を変数として指定できる

それぞれの項目について説明します。

コネクション: 
TēPsとソーシャルPLUSの連携にはソーシャルPLUSのAPIキーが必要となります。
ここにソーシャルPLUSのAPIキーを指定します。

ソーシャルPLUSのAPIキーの取得方法

  1. ソーシャルPLUS の管理画面にログインします
  2. サイト一覧から API キーを確認したいサイトを選択します
  3. 右上の「設定」から選択できる「サイト」に API キーの情報があります

ソーシャルPLUSのAPIキーの取得方法
ソーシャルPLUSのAPIキーの取得方法

プロバイダ:
LINEを選択してください。

配信タイプ:
配信先を指定するIDに「ソーシャルPLUS ID」を使用するか、「企業が保有するユーザーID」を使用するかを選べます。企業側のデータベースにソーシャルPLUS IDを持っていただいている場合には「ソーシャルPLUS ID」を選択してください。

配信先:
データベースで「ソーシャルPLUS ID」もしくは「企業が保有するユーザーID」が入っているカラムを指定してください。

コンテンツ:
配信内容を編集してください。データベースにあるカラム情報は、変数として指定することができます。

⑤メッセージ送信後、Salesforce側のテーブルのレコードを更新する

メッセージを送信後、送信対象のレコードを更新できます。例えば、指定したカラムに値を追加したり、内容を上書きしたりする処理が可能です。必要なければノートを削除して省略してもOKです。

メッセージ送信後、Salesforce側のテーブルのレコードを更新する
この例ではメッセージを送信後、該当レコードの「Website」カラムに1を入力して上書き更新しています。「メッセージ送信済みフラグ」のようなイメージで使用できます。

例えば「今月誕生日のお客様にLINEでクーポンコードの送付する」というケースを考えてみます。

月1回の定期処理の実行によって、対象ユーザーを抽出しメッセージを配信します。

この場合、処理実行以降に新規登録したユーザーの誕生日が当月であっても、そのユーザーは無視されてしまいます。

これを回避するためには、毎日処理を実行させて、送信した人には「送信済みフラグ」のようなものを立てたくなるかもしれません。そういう場合にこのノートを使います。

メッセージ配信の内容によって実行回数や時間、連携するデータベースの内容を調整してみてください。

費用はどれくらいかかる?

本機能をご利用いただくには、ソーシャルPLUSに加え、別途TēPs( Regular 19,800円/月 ~)、CData Connect Cloud (Starter)のご契約が必要となります。

TēPs料金表: https://teps.io/price/

CDataプラン: https://www.cdata.com/jp/cloud/pricing/

ソーシャルPLUSの料金

ソーシャルPLUSの料金は初期費用8万円、月額費用は8万円からで、ID連携のユーザー数によって変動いたします。(2023年1月時点の価格となります。)

※詳しい料金についてはお気軽にお問い合わせください。

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