LINE公式アカウントの管理画面(LINE Official Account Manager)では友だちへの一斉送信の他に、絞り込み配信機能で特定のユーザーセグメントに対しての配信も行えます。
例えば、「性別」や「年齢」などの属性による絞り込みで対象を絞った配信をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
実は、絞り込み配信では「オーディエンス」を活用することで「メッセージをクリックしてくれた人へのリターゲティング配信/除外配信」「店頭に置いているQRコード経由で友だち追加してくれた方への配信」といった友だちのアクションに応じたセグメント配信も一部行うことができます。
これらの機能はLINE Official Account Managerの標準機能で実施できるため、第三者のツールを導入せずとも配信可能です。
適切な配信内容を出し分けることで開封率を向上させることはもちろん、カスタマージャーニーに沿ったメッセージの出しわけを行いたい場合などにも有効です。
今回は「オーディエンス」の中でも使い勝手のいいものをピックアップしてご紹介します。
LINE公式アカウントの「オーディエンス」について
「オーディエンス」は、条件で特定のユーザーを絞り込み、配信先の指定に利用できるLINE Official Account Managerの機能です。
作成したオーディエンスは「メッセージ配信」で配信先を「絞り込み」にすると選択することができ、含めるか除外するかを指定することができます。
設定できるオーディエンスは現在9つありそれぞれ効果的に利用できるシーンや用途が異なります。
「クリックリターゲティング」「インプレッションリターゲティング」で開封率をアップ
費用や手間をかけずに開封率などを向上させたい場合、「クリックリターゲティング」「インプレッションリターゲティング」のオーディエンスを活用するのがおすすめです。
これらは過去に配信したメッセージを表示、もしくはクリックしたユーザーを対象としてセグメントを作ることができます。
そのため配信内容や該当のLINE公式アカウントに興味がある方のみを対象にして配信を行うことが可能になります。
実際、弊社アカウントで配信を試したところ開封率が25%向上しました。
また作成したオーディエンスに対しての配信だけでなく除外配信を行うことも可能です。
どうしてもみてもらいたいメッセージ、訴求したい内容がある場合は、そのメッセージをまず一斉送信します。その後、その配信をもとにクリックリターゲティングやインプレッションリターゲティングのオーディエンスを作成し、それらを除外して配信することで「未クリック(未表示)ユーザー」にのみ再度メッセージを配信するといったことも可能になります。
なお注意するポイントとしては下記があります。
・配信に利用するにはオーディエンスサイズが50以上必要
・オーディエンスを作る際に選択する過去の配信は配信から60日以内のもののみ選択可能
尚、LINE公式アカウントのインプレッションの定義は「吹き出しが表示された回数」で吹き出しが100%表示された時点でカウントされます。
参照:分析 – メッセージ通数 / メッセージ配信(LINE for Business)
https://www.linebiz.com/jp/manual/OfficialAccountManager/insight_message/
「チャットタグオーディエンス」でチャットでやりとりのある友だちに一括配信
LINE Official Account Managerの「チャット」機能では、チャットでやりとりのある友だちに任意のタグを付与することが可能です。
例えば、チャットにて店舗の予約などを承っている場合はその予約月ごとにタグを追加し、前月チャットで予約をしてくれた友だちのみに対して一括でメッセージを配信するといったことが可能です。
1人1人に個別でメッセージを送るより、効率的にパーソナライズ配信を行うことができます。
その他、WEBサービスの場合は障害が起きた際の問い合わせにまとめてタグを付けておき、障害が解消したタイミングでチャットタグオーディエンスを作り配信することや、やりとりが多くロイヤリティが高い友だちのみにタグをつけ、その友だち限定のお得な情報を送るなども可能です。
「追加経路オーディエンス」で経路ごとにメッセージを出しわけ
LINE Official Account Managerは「分析」から友だちがどの経路から友だち追加されたのかを確認することができます。
「追加経路オーディエンス」ではこれらの経路ごとにオーディエンスを作成し、配信に活用することができます。
友だち追加する経路は様々です。例えば、LINEスタンプや友だち追加を目的としたLINEの広告施策、検索からの友だち追加、店舗やWebサイト上のQRコードからユーザーが自発的に友だち追加するケースなどです。
追加経路によってサービスやLINE公式アカウントへの興味関心度合いが異なります。
例えば、広告施策で追加した友だちについてはもっと企業やサービスを知ってもらえるような配信を行ったり、ブロック数を抑えるために何かインセンティブを持たせたような配信が有効です。
店舗からの友だち追加の場合は、店舗で利用できるショップカードの利用を促すような配信も考えられます。
さらに、複数店舗がある場合、店舗ごとに友だち追加QRコードを作成しておくことで、特定の店舗から追加した友だちを対象にしてメッセージ配信を送ることや、WEBサイト上の友だち追加か店舗からの友だち追加かで分けて配信を変えるといったことも可能です。
店舗ごとにQRコードをわける場合は、LINE Official Account Manager左側の「友だちを増やす」からパラメータを付与した友だち追加QRコードを作成します。
この機能を利用することで複数の友だち追加用のQRコードを発行することができ、追加経路オーディエンスにも活用することができます。
まとめ
本記事ではLINEでできるセグメント配信の中でも「オーディエンス」機能について特に使い勝手のいいものをご紹介しました。
「オーディエンス」は、LINE Official Account Manager上で簡単かつ無料で設定でき、効果的な活用が可能です。
LINEでセグメント配信を送ろうとした際に、第三者が提供する有料のツールを検討される事業者様も多いと思いますが、LINE Official Account Manager上の機能も充実していて、ちょっとの工夫でコストをかけることなくいろいろなことが可能になるのでぜひ試していただけると幸いです。
さらに効果的なセグメント配信、例えば、ECサイトを運営していて独自の会員基盤を持っている企業様で自社会員の情報とLINEをID連携して、EC側で持っているポイント情報や購入情報に応じたセグメント配信を行う場合などは、第三者提供のツールを活用することで実現が可能です。
ソーシャルPLUSではWEBサイト上にLINEログインを設置することで効率よくID連携を行うだけでなく、LINEログイン時に自動で友だち追加することが可能です。
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