エンタープライズのShopifyマーチャントとの打合せ時に、カスタマーサポートでZendeskを使っているというケースがたびたびあります。ブランド規模が大きい場合、オペレーター数やサポートチケットの管理などをふまえると、適切な選択のひとつだと思います。
ZendeskにはShopify連携アプリとLINE連携アプリがありますが、あくまでZendeskとShopify・ZendeskとLINEの連携なので、ShopifyとLINE間のデータ連携ができません。
■Zendesk上にウィジェットでShopifyの顧客データを表示できるZendesk純正アプリ
■LINEからの問い合わせをZendeskで受信できるSocial MessagingというZendesk純正アプリ
「ShopifyとLINE間もうまくデータ連携をしたい」と数社のお客様から相談いただき試行錯誤した結果、Zendeskのパートナーであるエクレクトさん協力の元、イイ感じのデータ連携ができましたので紹介します。
■エクレクトさんのLINE – Zendesk連携サービス
一般的なShopify × Zendesk × LINEの課題
上記に書いた通りShopiy – LINE間のデータ連携ができません。具体的な課題は下記の通りです。
- 同一ユーザーの「メール問合せ」と「LINE問合せ」のZendesk上のチケットが別ユーザー扱いになってしまう
- LINEからの問合せの際に、Zendesk上でShopifyの購買履歴が見えるウィジェットが機能しない
エクレクトさんのサービスと弊社アプリのCRM PLUS on LINEとShopify Flowを使って、この2つの課題を解決する仕組みを作りました。
Zendesk上で顧客データを同期させる方法
LINEの新規連携時の同期処理
今回想定されるユーザー属性は下記の3通りです。
①メールで問合せをして作成された顧客(Zendesk上の登録情報:メールアドレス)
②LINEで問合せをして作成された顧客(Zendesk上の登録情報:LINE UID)
③これまで問合せをしたことがない顧客(Zendesk上の登録情報:なし)
③については、今後①②どちらかで顧客データが登録された際に同期処理をおこなえばよいので、本記事では①②のケースでの同期処理を解説します。
まず、①のケース(メールで問合せをして作成された顧客)についてです。
ShopifyとZendeskのユーザーデータのマッピングはメールアドレスをキーにしているので、メールでの初回問合せ時にZendesk上で顧客データが生成されます。この時、Zendesk上にはメールアドレスの情報が登録されており、LINEのUIDは入っていない状態です。
Shopifyの顧客データとLINEを繋ぐ役目はCRM PLUS on LINEが担っています。Shopify上でLINE連携をするとShopify IDとLINE UIDが紐付き、Zendesk上でShopifyへ登録したメールアドレスとLINE UIDを同期します。
LINE_UIDのデータを投入した際、Zendesk上にメールアドレスが一致する顧客データがなければ新規作成、一致する顧客データがあればデータを上書きします。
この同期処理により、同一ユーザーからのメール・LINEでの問い合わせを一括で管理できるようになりました。
さて、続いては②のケース(LINEで問合せをして作成された顧客)での同期処理について解説します。
メールでの問合せ時に生成された顧客データであればメールアドレスをキーに同期ができるのですが、LINEでの問合せで生成された顧客データの場合、メールアドレスが保持されていません。そのため、LINEのUIDベースで顧客データを同期する必要があります。
この同期処理を担うのがエクレクトさんのサービスです。これにより、①②③どのケースでもShopify – Zendesk – LINEの顧客データの同期が可能になりました。
同一ユーザーからメール・LINE双方で問い合わせがきてもチケットが分断されないので、カスタマーサポートが捗ります。
LINEの連携解除時の同期処理
Shopify上でユーザーがLINE連携を解除した場合、Zendesk上からLINE UIDが自動で削除されます。
この状態でユーザーがLINEで問合せをするとShopify上のユーザーとは別のチケットが生成されます。ユーザーはShopify上で別のLINEアカウントを連携することも可能です。
費用
- エクレクトさんのサービス
- 月額500円/エージェント(Zendeskのエージェント数に準拠)+初期設定費用25万円
※本設定以外は別途追加費用が発生いたします
- 月額500円/エージェント(Zendeskのエージェント数に準拠)+初期設定費用25万円
- Shopifyアプリ「CRM PLUS on LINE」利用料金($0〜)
- Zendesk対応初期設定費用 10万円+アプリ利用料金($200〜)
まとめ
今回の同期処理をおこなうことで、LINEから問合せを受け取った際でもオペレーターはZendesk上で本人確認をする必要なく、Shopify上の顧客データを特定できます。購入履歴や発送状況が確認できるようになるので、オペレーターの作業効率改善はもちろん、カスタマーサポートの顧客体験向上にもつながる施策になるはずです。
問合せ数が多ければ多いほど効果を発揮できるので、顧客数が多いShopifyマーチャントのみなさんはぜひご検討ください。