Shopifyの顧客管理画面でユーザーを絞り込める「顧客セグメンテーション機能」は、様々な顧客情報を元にグループ化でき、かつグループ化の条件を保存しておくことで自動更新もされていくので非常に便利です。
本記事では、顧客セグメンテーション機能の概要と、作成したセグメントをメルマガやLINE配信の宛先として指定する方法をご紹介します。
Shopifyの顧客セグメンテーション・お客様セグメントとは
Shopifyの顧客セグメンテーションとは、「顧客情報から特定の条件に合致した顧客の群(セグメント)を作成する機能」です。
Shopifyの管理画面から 顧客管理 > セグメント と進むと、セグメントの一覧画面に辿り着けます。
▼顧客セグメンテーション画面
「セグメントを作成」ボタンから新しい絞り込み条件を指定し、その条件に名前をつけて保存できます。顧客タグや過去の注文履歴など、Shopify上のデータを活用した絞り込みが可能です。
▼セグメントの条件の設定画面
例えば「顧客タグ『line』が付与されている顧客だけを絞り込みたい」という場合には、下記画像のように customer_tags CONTAINS ‘line’ と指定すれば絞り込めます。
このように、顧客セグメントは「どういう条件で顧客を絞り込みたいか」を条件式で指定するので、その条件に合致した顧客が増えると顧客セグメントに含まれる顧客も動的に増加します。
したがって、毎回顧客リストを更新・メンテナンスする必要はなく、毎回同条件の顧客群を呼び出すことができる機能です。便利ですね!
まずはテンプレートを見てみよう
Shopifyが公式に用意しているテンプレートを利用することもできます。
Shopify管理画面 > 顧客管理 > セグメントと進み、入力欄内の「テンプレート」をクリックすると、テンプレートを閲覧できます。
テンプレートには「特定の商品を購入した初回のお客様」など、メールなどの出しわけにも活用できそうなセグメントが掲載されています。試したいセグメント条件を見つけたら、「このテンプレートを使用」ボタンをクリックすると、セグメント条件の入力欄に条件式が追加されます。そのままセグメントとして保存しても良し、中の項目を書き換えてみて他にどのような要素が追加できるかを確認してみるのも良しです。
顧客セグメンテーションでの条件式の作り方
顧客セグメンテーションの概要を掴んだところで、具体的なセグメント条件の作り方を解説していきます。
▼Shopifyの公式ドキュメントはこちら
https://help.shopify.com/ja/manual/customers/customer-segmentation/customer-segments/customer-segments-components
本記事では、下記の例をもとに条件式の組み立て方を解説します。
customer_tags CONTAINS 'line' AND number_of_orders >= 1
※Shopifyアプリ「CRM PLUS on LINE」をご利用中の方は、この条件式をコピーしてご利用可能です。
これは「顧客タグ”line”が付与されていて(LINEのID連携をしていて)、1回以上注文したことがある方」を絞り込む条件式です。
各構成要素について解説
customer_tags は”絞り込み名”と呼ばれる要素です。今回の絞り込み名では顧客タグを指定しています。
CONTAINS は”演算子”と呼ばれる要素です。次に続く”値”とどう比較・確認するかを指定します。この演算子は、(ある特定の値群に対して)次に続く”値”が含まれているかを確認するよう指定しています。
‘line’ が”値”と呼ばれる要素で、これまでに設定した条件や演算子に対して指定するものです。今回は、「line」とタグづけされてる顧客を絞り込みたいので”line”と指定しています。
AND は”コネクター”で、2つ以上の条件を繋げる役目を担います。今回は「2つの絞り込み条件どちらにも合致する顧客を絞り込みたい」ので AND を指定しています。
後に続くnumber_of_orders >= 1 も同様に注文数(絞り込み名)が1(値)以上(演算子)といった形です。
高度な絞り込み条件について
絞り込みには、他に”関数”と呼ばれるオプションパラメーターを指定できる高度な”絞り込み名”と言えるものもあります。詳細は下記ページをご覧ください。
よく使う顧客セグメントの紹介
比較的よく使いそうな絞り込み条件を、例としていくつか紹介します。
最近注文をしていて支払い金額も高いユーザーを絞り込む顧客セグメント
amount_spent > 50000 AND orders_placed(since: -180d) = true
amount_spent > 50000 と orders_placed(since: -180d) = true の2つの条件に合うユーザーを絞り込みます。
amount_spent > 50000 は、amount_spent (支払い合計金額)が > (〜より大きい) で値が 50000円 という条件を指定しています。
orders_placed(since: -180d) = true は、orders_placed() という「過去の注文を参照する変数」を利用して、( ) の中に条件となる since: (指定する期間の開始日)を設定しています。今回は半年以内に注文しているユーザーを絞り込みたいので -180d (180日前)を指定しています。
これで「半年以内に注文を作成していて、累計支払い金額が50000円を超えているユーザー」を絞り込む顧客セグメントを作成できます。
特定の商品を購入したユーザーを絞り込む顧客セグメント
products_purchased(tag: 'shirt' , since: -2m) = true
products_purchased() という「過去の購入履歴から商品情報を参照する変数」を利用して、( ) の中に条件となる tag: (商品タグ) を設定しています。例では “shirt” という商品タグがついた商品を購入した方を指定しています。
また、関数の( ) 内には複数の条件を , で繋げて複数指定することができます。
今回の例では、 since: (指定する期間の開始日)を設定して、-2m (2ヶ月前) を指定することで、「特定期間(直近2ヶ月以内)に特定の商品(shirt)を購入したユーザー」を絞り込む顧客セグメントを作成しています。
顧客セグメントをメルマガ / LINE配信に使うには
作成した顧客セグメントを、メルマガやLINE配信時に送信先として指定することもできます。
メルマガの配信先に指定する方法
Shopify Mailでは、キャンペーンの作成時に受取人として指定が可能です。
Shopify管理画面 > アプリ > Mail > キャンペーンを作成 から確認してください。
「Klaviyo」などのアプリを使ってメルマガ配信しているマーチャント様も多いかと思いますが、Klaviyoには顧客セグメントを独自で作成する機能があり、Shopifyの顧客セグメントで設定したものと同じような条件で Segments を作成いただく必要があります。
▼KlaviyoでのSegments設定例(顧客タグ”line”が付与されていて、1回以上注文したことがある方を絞り込み)
LINEの配信先に指定する方法
顧客セグメントで絞り込んだユーザーにLINEでメッセージを送りたい場合には、「LINEのユーザーIDと会員IDの連携」と「Shopify管理画面上でLINEのID連携ユーザーを絞り込める仕組み」が必要です。
LINE連携Shopifyアプリ「CRM PLUS on LINE」では、LINEのID連携機能はもちろん、ID連携ユーザーに自動で顧客タグ「line」を付与する機能も備わっています。
Shopify管理画面 > アプリ > CRM PLUS on LINE > LINE配信 > セグメント配信 から宛先に指定することが可能です。
LINEを配信する際は、セグメントに含まれる顧客のうち、LINE連携しているユーザーにさらに絞り込む必要がありますが、そちらはCRM PLUS on LINE側で実行されますので、メールと同じ顧客セグメントを横断的に利用することができます。
詳しくは、こちらのセグメント配信の機能説明ページをご確認ください。
おわりに
顧客セグメンテーション機能を活用することで、運用コストを抑えながら効果的なセグメント配信を実施できます。ぜひこの機会に試してみてください!
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