
「追加メッセージの料金改定で配信コストが気になる。でも、配信を減らしてしまっていいのだろうか?」
「セグメント配信が重要なのは分かっているけれど、誰にどんな条件で配信すればよいのかわからない」
LINE公式アカウントの配信コストを抑えながら成果につなげるには、すべての友だちに同じメッセージを送るのではなく、必要な人に必要な情報を届ける「セグメント配信」が重要です。
セグメント配信では、年代や地域、メッセージへの反応などをもとに配信先を絞るほか、アンケートや診断の回答、会員情報や購入履歴などを活用してメッセージを出し分ける方法もあります。
なかでも手軽に始められるのが、LINE公式アカウントの標準機能「絞り込み配信」です。追加のツールや開発なしで、管理画面から配信対象を設定できます。
本記事では、この「絞り込み配信」を中心に、設定手順や使える条件、つまずきやすいポイント、具体的な活用方法を解説します。

LINEのセグメント配信とは
LINE公式アカウントのセグメント配信とは、友だち全員に同じメッセージを送るのではなく、一定の条件で配信対象を絞り、その人に合った情報を届ける方法です。
たとえば、次のような配信ができます。
- 東京都に住んでいる友だちに、都内店舗のイベントを案内する
- 過去のメッセージを開封した人に、締切前のリマインドを送る
- 店舗のQRコードから友だち追加した人に、店舗向けの情報を届ける
- アンケートで特定の商品に興味があると回答した人に、関連情報を送る
- 商品ページを閲覧したものの購入していない人に、リマインドを送る
- 購入履歴や会員ランクに応じて、配信内容を変える
どのような情報を使って配信先を分けられるかは、利用する機能や仕組みによって異なります。
LINEのセグメント配信を行う3つのメリット
LINEのセグメント配信は、配信コストを抑えるだけでなく、メッセージへの反応やユーザー体験の改善にもつながります。主なメリットは次の3つです。
配信通数を抑え、コストを削減できる
友だち全員に一斉配信するのではなく、届けたい情報に関心がありそうな人に絞ることで、不要な配信通数を減らせます。
LINE公式アカウントでは、プランの無料メッセージ通数を超えると追加料金が発生するため、配信対象の見直しはコスト削減にもつながります。
メッセージへの反応率を高められる
ユーザーの属性や過去の反応に合わせて情報を届けることで、メッセージへの関心を高め、クリックや購入などの行動につなげやすくなります。
実際に、ソーシャルPLUSの支援先であるアパレルECのLINE公式アカウントでは、過去の配信を開封した人に絞って送ったメッセージの開封率が平均約69%と、全配信(平均約41%)を大きく上回りました。配信数に対するクリック率も、全配信の約3.4%に対して約5.6%と高く、配信数を抑えながら、届けるべき人にきちんと届く結果になりました。
配信ごとの詳しいデータは、「インプレッションリターゲティングとは?」で紹介しています。
不要なメッセージを減らし、ブロックの抑制につなげられる
自分に関係のない情報が何度も届くと、ユーザーが通知を負担に感じ、LINE公式アカウントをブロックするきっかけになることがあります。
セグメント配信で一人ひとりに関連性の高い情報を届けることは、ブロックの抑制や、友だちとの継続的な関係づくりにも役立ちます。
10月の料金改定でセグメント配信の重要度が高まった
2026年10月1日から、LINE公式アカウントの追加メッセージの料金が改定されました。
改定後は、月間20万通までは1通あたり3円、20万通を超えた分は1通あたり2.5円(いずれも税別)というシンプルな2段階の料金体系になります。
これまでのように配信量に応じて単価が下がる構造ではなくなるため、配信量の多いアカウントほど、料金改定の影響を受ける可能性があります。
そのため、セグメント配信を活用して反応が見込めるユーザーに絞って配信し、配信コストに対する成果を高めていくことが、これまで以上に重要になります。
※プランごとの料金や無料メッセージ通数は「LINE公式アカウントの料金プラン完全ガイド」で詳しく解説しています。

LINE公式アカウントの標準機能でセグメント配信する方法
LINE公式アカウントでは、標準機能の「絞り込み配信」を使って、条件に合う友だちだけにメッセージを送ることができます。
配信ツールや開発は必要なく、LINE Official Account Manager上で設定できるため、追加のコストをかけずに手軽に始められるのが特徴です。
標準機能では、主に次の3つを使って配信対象を絞り込めます。
- 属性
- オーディエンス
- 過去の配信
絞り込み配信の設定手順(LINE Official Account Manager)
LINE公式アカウントの管理画面(LINE Official Account Manager)で絞り込み配信を設定する方法です。
配信までの6ステップ
- 左メニューの[メッセージ配信]から[メッセージを作成]を開く
- 配信先で[絞り込み]を選ぶ
- 絞り込みの条件を「属性」「オーディエンス」「過去の配信」から選ぶ
- 条件を設定する(オーディエンス・過去の配信では「含める」「除外する」を選択)
- 推計の対象人数を確認する(人数が少なすぎると配信できません)
- メッセージを作成し、配信日時を設定して配信する

参考:絞り込み配信について|LINEヤフー for Business
なお、オーディエンスを使う場合は、メッセージを作る前に[データ管理]>[オーディエンス]でオーディエンスを作っておく必要があります。
絞り込みに使える3つの条件
属性:年代・地域などで絞る
「属性」では、友だち期間・性別・年齢・OS・地域を条件にして配信対象を絞り込めます。管理画面から条件を選ぶだけなので、初めてセグメント配信を行う場合にも取り入れやすい方法です。
たとえば、
- 東京都に住んでいる友だちに店舗イベントを案内する
- 特定の年代に向けて商品を紹介する
- 友だちになってから一定期間が経過した人に案内する
といった配信ができます。
注意したいのは、性別や年齢などが、本人がLINE公式アカウントに申告した情報そのものではなく、LINE上のデータなどをもとに推定された「みなし属性」であることです。
また、概ね3日前の属性情報が使われます。

参考:絞り込み配信について|LINEヤフー for Business
オーディエンス:反応や行動で絞る
オーディエンスとは、「メッセージを開封した人」「リンクをクリックした人」「特定の経路から友だち追加した人」など、条件に合う友だちをまとめたグループです。
年代や地域などの属性だけではなく、実際の反応や行動をもとに配信対象を絞れるのが特徴です。

オーディエンスを活用すると、たとえば次のような配信ができます。設定方法や活用例は、各項目のリンク先で詳しく解説しています。
- 過去のメッセージを開封した人に再案内する
セールやイベントの告知を開封した人に、終了前のリマインドを送る - 特定のリンクをクリックした人に関連情報を届ける
商品ページへのリンクをクリックした人に、関連商品や追加情報を案内する - 友だち追加経路ごとに配信内容を変える
店舗のQRコードから友だち追加した人には店舗向けの情報、Webサイト経由の人にはオンライン向けの情報を届ける - リッチメニューでの反応をもとに配信する
特定のメニューをタップした人に、そのテーマに関連する情報を送る - Webサイト上の行動をもとに配信する
特定の商品ページを閲覧した人に、後日関連するメッセージを届ける - 自社の顧客リストをもとに配信する
ビジネスマネージャーを使い、自社で持つ電話番号やメールアドレスからオーディエンスを作って、既存のお客様に絞って届ける
参考:オーディエンス|LINEヤフー for Business
過去の配信:同じ相手にもう一度送る
過去に「絞り込み」を設定して送ったメッセージの配信先を、もう一度配信対象として指定できます。
たとえば、キャンペーンの案内を送った相手に、終了前のリマインドを送るといった使い方です。
絞り込み配信でつまずきやすい点
絞り込み配信は管理画面から手軽に設定できますが、対象人数やオーディエンスの条件によって、配信できないことがあります。
属性で絞り込むには一定の人数が必要
属性で絞り込む場合は、ターゲットリーチが100人以上、かつ絞り込み後の推計対象が50人以上必要です。
条件を細かく設定しすぎると対象人数が下限を割りやすいため、友だち数が少ないうちは、まず1〜2個の条件から試すとよいでしょう。
オーディエンスのサイズが50未満だと配信できない場合がある
多くのオーディエンスは、配信に利用するためにオーディエンスサイズが50以上必要です。
作成したオーディエンスの人数が少ない場合は、配信対象として選べないため注意しましょう。
また、複数のオーディエンスを組み合わせる場合は、各オーディエンスの有効な友だち数だけでなく、組み合わせ後の配信対象人数も50人以上必要です。
オーディエンスには有効期限がある
チャットタグとウェブトラフィックを除くオーディエンスは、作成から180日間が有効期限です。
定期的に使うオーディエンスは、有効期限を確認し、必要に応じて作り直せるようにしておきましょう。
また、「メッセージインプレッション」「メッセージクリック」のオーディエンスは、配信から60日以内のメッセージからしか作れません。リマインド配信などに使う場合は、早めにオーディエンスを作っておきましょう。
オーディエンスは作成してすぐには使えない
作成したオーディエンスは、ステータスが「準備中」から「有効」になると配信に使えるようになります。有効になるまで数時間かかる場合があるため、配信の予定がある場合は、余裕をもって作成しておきましょう。
1つのメッセージに設定できるオーディエンスは10個まで
1つのメッセージに追加できるオーディエンスは10個までです。
「含める」「除外する」を組み合わせる場合は、条件が複雑になりすぎないよう、誰を対象にするのかを整理してから設定しましょう。
「過去の配信」は認証済アカウントのみ、配信から2週間以内
「過去の配信」を使えるのは、認証済アカウントのみです。未認証のアカウントでは選択できないため注意しましょう。
また、選択できるのは配信完了から2週間(336時間)以内のメッセージです。期間を過ぎると選択できなくなるため、フォロー配信は早めに予定しておきましょう。
標準機能だけでできる絞り込み条件の設定例
絞り込み配信は、条件を1つ選ぶだけでなく、「属性」「オーディエンス」「過去の配信」を組み合わせたり、「含める」と「除外する」を使い分けたりすることで、配信対象をより狙いどおりに絞れます。 ここでは、代表的な例を紹介します。
例1:開封したがクリックしていない人にリマインドを送る
キャンペーンの案内を開封した人のうち、まだリンクをクリックしていない人にだけ2回目を送る例です。「含める」と「除外する」を組み合わせるのがポイントです。
設定する条件
- 1回目: 友だち全員に一斉配信
- 2回目: 以下のオーディエンスを組み合わせて配信
- 含める: メッセージインプレッション(1回目を開封した人)
- 除外する: メッセージクリック(1回目のリンクをクリックした人)
この設定では、1回目のメッセージを開封したものの、リンクをクリックしていない人に絞って2回目のメッセージを配信できます。クリックした人はすでに行動済みなので同じ案内を重ねて送らずに済み、未開封の人にも送らないため、配信通数を抑えられます。 オーディエンスの作り方から配信までの手順は、「インプレッションリターゲティングとは?」で解説しています。
例2:店舗で友だち追加した人にオンラインストアを案内する
店舗で友だち追加した人のうち、追加から一定期間内のユーザーだけに、オンラインストアを案内する例です。オーディエンスと属性を組み合わせるのがポイントです。
事前に用意するもの
店舗用の友だち追加URL・QRコードを作成し、友だち追加経路を計測できるようにしておきます。
設定する条件
- オーディエンス:「友だち追加経路オーディエンス(店舗用URL・QRコード)」を【含める】
- 属性:「友だち期間(例:追加から7日〜29日)」を選択
この2つを組み合わせることで、「店舗経由で友だち追加し、追加から一定期間内の人」だけを配信対象にできます。
たとえば、「店舗で見た商品はオンラインでも購入できます」「オンラインストア限定の特典をご利用いただけます」といったメッセージを届けることで、いつもは店舗をご利用いただいているお客様のEC利用につなげられます。
同じ設定は、店舗以外の経路にも使えます。たとえば、イベント会場用のQRコードを作っておけば、「イベントで友だち追加し、追加から6日以内の人」にお礼や次回イベントの案内を送れます。経路ごとのURL・QRコードの作り方は「友だち追加経路を設定してセグメント配信する方法」で解説しています。
例3:最近トーク画面を開いた人にだけ案内する
「リッチメニューインプレッションオーディエンス」を使うと、リッチメニューが表示されたユーザー、つまり特定の期間にトーク画面を開いたユーザーを配信対象にできます。
設定する条件
- オーディエンス:「リッチメニューインプレッションオーディエンス」を【含める】
たとえば、直近の一定期間にトーク画面を開いた人だけにキャンペーンや新商品の案内を送ることで、最近LINE公式アカウントに接触しているユーザーに絞って配信できます。
また、逆にこのオーディエンスを【除外する】ことで、最近トーク画面を開いている人には送らず、しばらく接触のないユーザーにだけ再案内するといった使い方も考えられます。
この他にも「広告経由で追加した友だちに初回利用を促す」「季節商品の購入を後押しする」など、目的別のオーディエンス活用パターンは、「LINE公式アカウントのオーディエンス逆引きテクニック集」で紹介しています。
さらに細かなセグメント配信を行うには
LINE公式アカウントの標準機能では、年代や地域などの属性、メッセージへの反応、友だち追加経路などをもとに配信先を絞り込めます。
一方で、お客様の興味・関心や購買状況に合わせて、よりきめ細かな配信を行いたい場合は、LINEマーケティングツールやID連携などを活用する方法があります。
例えば、次のような配信が可能です。
- アンケート・診断の回答を活用: 好みや関心に合わせてメッセージを出し分ける
- Webサイト上の行動を活用: 商品の閲覧やカゴ落ちをきっかけに、自動でメッセージを届ける
- 会員・購買データを活用: 購入履歴や会員ランクに応じて、配信対象や内容を出し分ける
こうした配信を実現するには、活用したいデータや施策に応じて、必要な機能や仕組みが異なります。
ソーシャルPLUSでは、アンケートや診断の回答から、ID連携した会員・購買データまで、さまざまなデータを活用したセグメント配信を支援しています。
具体的な活用方法や導入企業の事例は、「ソーシャルPLUSでできるLINEのセグメント配信|自社データを使った配信と事例」で詳しくご紹介しています。
まとめ
LINE公式アカウントの標準機能「絞り込み配信」を使えば、年代や地域などの属性、メッセージへの反応、友だち追加経路などをもとに、追加のツールを導入せずに配信先を絞り込めます。
セグメント配信で大切なのは、単に配信通数を減らすことではなく、必要な人に必要な情報を届けることです。
まずは、メッセージを開封したもののリンクをクリックしていない人へのリマインドなど、取り組みやすい施策から始めてみましょう。配信結果を確認しながら条件を見直し、コストと成果のバランスを最適化していくことが重要です。
ソーシャルPLUSでは、企業の課題や活用したいデータに合わせたLINEのセグメント配信を支援しています。お気軽にご相談ください。




