LINE公式アカウントのブロック率はなぜ上がる?ケース別に原因と対策を解説

LINE公式アカウントのブロック率はなぜ上がる?ケース別に原因と対策を解説

LINE公式アカウントを運用する中で、ブロック率に関する悩みはよく聞かれます。

「LINE公式アカウントの友だちを集めても、ブロックされる数が多い…」
と焦るあまり、配信頻度を抑えたまま積極的にLINE公式アカウントを活用しきれずにいる方も多いのではないでしょうか。

しかし配信する=ブロックされるというわけではありません。現状ブロック率が上がっている原因を見極めた上で適切な対策を打っていけば、ブロック率を抑えながらLINE経由の成果を上げていくことができます。

本記事では、ブロック率が上がる原因をユーザー視点で整理しながら、それぞれの状況に応じてどんな対策を打つべきか、具体的な事例を交えてご紹介します。

LINE公式アカウントのブロック率があがる要因〜どんな時にブロック率は上がるのか?

ブロック率の計算方法

一般的にLINE公式アカウントのブロック率は下記の計算式で求めることができます。つまり友だち追加数に対してどれくらいの割合でブロックされているかをみる指標として活用されています。

ブロック率=ブロック数 / 友だち追加数 * 100

ブロック率があがる要因

ブロック率上昇の原因となる要因は大きく分けて2つあります。

ひとつは、前提としてLINE公式アカウントの友だちをどうやって増やしているか
もうひとつは、友だちに対してどんなメッセージを配信しているかです。

ブロックされやすい友だちの増やし方とは?

友だち数を増やす施策として一般的に多いのは、インセンティブをフックに友だち追加を促すものです。そのインセンティブにも2つのパターンがあります。

ひとつはLINEスタンプなど自社のサービスや商品に限定せず、幅広いユーザーにアプローチできるインセンティブをフックにするもの。

もうひとつは自社のECサイトや店舗で使えるクーポンやポイントをインセンティブにしたものです。

前者の場合は、自社のことを知らない層含め広くリーチし、友だち数を大幅に増やすことが可能です。一方で、インセンティブのみを目当てにし、自社への興味関心が高くないユーザーの友だち追加も増えるため、インセンティブを手に入れた後はすぐブロックされる可能性が高く、ブロック率も上がりやすいです。

こうした施策を行う際は、そもそもブロック率が高くなることを前提に検討していく必要があります。

後者の場合は、自社のサービスや商品に多少なりとも興味を持っているユーザーが友だち追加するので、LINE公式アカウントから通知が届いてもブロックされずに必要な情報として受け取ってもらえる可能性が高いです。それでもブロック率が高い場合は、配信内容に改善の余地があると言えます。

ブロックされやすいメッセージ配信とは?

では、ブロックされやすいLINE公式アカウントによくある配信内容としては、どんなものがあるのでしょうか?

まずひとつは、企業側の「押し売り感」が強いメッセージばかり配信されるケースです。商品の案内やセール情報が一方的に配信され続けると、ユーザーとしては宣伝ばかりで疲れてしまい、結果ブロックにつながりやすいです。

企業側は「お得な情報ならばユーザーも喜ぶだろう」と思っていても、受け取る側のユーザーは常に購入意欲が高いとは限りません。すでにそのブランドの商品を購入した直後で、今は新商品やタイムセールの案内よりも、その商品の使い方や楽しみ方を知りたいかもしれません。

もうひとつは、ユーザーが「自分と無関係」と感じるメッセージばかり配信されるケースです。

たとえば、取り扱う商品やブランドが幅広いスポーツ用品店があったとして、自分はランニングにしか興味がないのに、それ以外のスポーツ用品の情報が毎日のように配信されるとうんざりしてしまいます。自分にとってピンポイントに役立つ情報が受け取れないとわかると、ユーザーはブロックしてしまうでしょう。

一律的な一斉配信ばかりしていることで、ブロックされるケースもよく見受けられます。

たとえば、毎回500円クーポンが届くけど、そもそもそのショップにどんな商品があるのかが見えないと、ユーザーとしてはクーポンを使って買い物をするイメージが持てません。

一斉配信であっても受け手のユーザーが「なるほど」「便利」「面白い」と感じられる内容であればブロックされにくいですが、変化のない単調な内容が続くとユーザーは飽きてしまいます。

また、提供しているサービスや商材によっては一斉配信よりもセグメントを分けて配信した方が適しているケースもあります。

ケース別にみる、ブロック率を改善する施策と事例

ブロック率の改善を検討する際は、自社が提供しているサービス・商品の特性に応じて、一斉配信とセグメント配信それぞれをどんな目的でどんなバランスで出し分けていくかを改めて見直すことが必要です。

ここからは、ケース別にどんな改善施策が有効かを事例を交えつつご紹介していきます。

ユーザーごとにニーズが全く異なる場合は、セグメント配信を中心にすべし

たとえば、人材系や教育系、ブランドや店舗を複数展開する企業の場合は一斉配信よりもセグメント配信が適しています。

求人メディアの場合はユーザーごとに希望する職種や勤務地の条件が様々ですし、教育系は学習する対象が未就学児なのか小学校・中学校・高等学校なのか、どんな科目を選ぶかで必要とする情報が全く異なります。ターゲットが異なるブランドを複数展開していたり、店舗が全国各地にある場合も、一斉配信だと多くの友だちにとって無関係な情報になりやすいです。

こうしたケースでは、顧客の興味関心に応じてセグメントされたメッセージを配信することでブロックを防げることはもちろん、自分にぴったりの情報が届くことでLINE経由の成約や売上向上に繋がりやすいです。

医療介護求人サイト「ジョブメドレー」では、登録条件に基づいてパーソナライズされたメッセージのみ配信し、全ての友だちを対象にした一斉配信は行っていません。

幼児向け英語教材ディズニー英語システムのお客様向け会員制プログラム「ワールド・ファミリー・クラブ」では、会員の年代やご購入いただいた教材などをもとにセグメント配信を行い、ブロック率7%と低い水準を維持しています。

タイムリーなアプローチが重要になる場合は、「LINEから通知」の利便性を打ち出す

ユーザーに向けて重要性や必要性の高い通知が必要となる商材・サービスの場合は、LINE公式アカウントでこうした通知を配信することをおすすめします。

たとえば、ECサイトの商品発送通知や再入荷通知、飲食店やホテル、レジャーサービスの予約通知、セミナーやイベントのリマインド通知などです。

ユーザーは見逃したくない情報をLINEで確実に受け取れる利便性をメリットに感じるため、ブロックを防ぐことはもちろん積極的な友だち追加にも繋がります

ここでのポイントは、LINE公式アカウントの利便性を知っていただけるように訴求を工夫することです。

D2Cアパレルブランドの「nairoオンラインストア」では、注文完了通知や発送完了通知、希望する商品の再入荷通知など、お客様にとって受け取りたいと思える情報を中心に配信しています。

一時的・金銭的なインセンティブ訴求ではなく、お客様が「便利」「欲しい」と思える通知をLINEで受け取れるメリットをわかりやすく伝える工夫をされています。ブロック率は4%と低く、ブランドのファンを中心にLINEで繋がりコミュニケーションを続けています。

nairo:LINEの友だち追加をID連携のメリットや方法を伝える専用ページ(LP)を用意
LINEの友だち追加をID連携のメリットや方法を伝える専用ページ(LP)を用意

一斉配信で効率的にリーチしたい場合は、タイムリーかつ多彩なアプローチを意識

一斉配信はやみくもに行うとブロックに繋がりますが、うまく活用すれば自社のファンである友だちに効率的にリーチし、新たな発見を提供できるというメリットもあります。

一斉配信を行う場合は、個別のステータスに寄らず多くの友だちが便利・楽しいと感じられる内容をタイムリーに配信することがポイントです。

たとえば、インテリア・雑貨を販売する「Francfrancオンラインショップ」では、天気・気温に合わせておすすめの商品をタイムリーに提案するメッセージを配信しています。

お客様の「ほしい」タイミングに合わせて届けられるLINEの即時性を活かしながら、「いろんな商品を知れて楽しい」と思える配信を行うことで、毎日配信でもブロック率も低い水準に保てています。

費用対効果重視の場合は、リッチメニューでLINE公式アカウント自体を便利なサービスにする

LINE公式アカウントではメッセージを配信する以外にも、無料で使えるリッチメニューを活用することで、ユーザーの興味を引くようなコンテンツやお買い物が便利になる導線を提供できます。

ユーザーが能動的に見にいきたくなるLINE公式アカウントを目指すことも、ブロック率を改善するのに効果的です。

たとえばリッチメニュー経由で会員証の表示やポイント残高の確認ができると、ユーザーが定期的にLINE公式アカウントを使うきっかけができるので、継続的に友だち追加していただける可能性が高くなります。

ゴルフ場を中心として、ゴルフ練習場やプロショップなどを提供するアコーディア・ゴルフ様では、ゴルフ場を利用する際にLINEアプリ上からQRコードの会員証を表示してチェックインできるようにしています。

アコーディア・ゴルフLINE公式アカウントからのポイントカード表示フロー
アコーディア・ゴルフLINE公式アカウントからのポイントカード表示フロー

また、リッチメニューをタップするだけで前回と同様の条件で再注文が簡単にできたり、商品に関する問い合わせができるなど、購入者向けのサービスを提供することでリピート促進につなげることもできます。

メガネスーパー公式通販サイトでは、リッチメニュー内「コンタクト カンタン注文」(下図左)か配信されるメッセージ(下図右)をタップすることで、いつも購入しているコンタクトレンズを手軽に注文することができます。

消耗品など無くなったら買い足す商品の場合は、普段から使っているLINE上で手軽に購入できる点がユーザーにとって大きなメリットになります。

メガネスーパー公式通販サイト「ショートカット注文」の入口2パターン

このように、メッセージを配信する以外にもリッチメニューを組み合わせて、LINE公式アカウントをユーザーにとって無くてはならない便利なツールにしていくことがブロックを防ぎ、継続的に友だち追加していただく上で効果的です。

まとめ:「ユーザーが必要とするLINE公式アカウント」を目指そう

ブロック率を改善したいと思った時はまず、ユーザーの視点に立って自社のLINE公式アカウントを見直してみましょう。改めて振り返ってみると、このタイミングではこういう情報の方が欲しいな、この商品を購入してみたいけど導線がわかりにくいな…など、意外な改善点が見えてくるかもしれません。

LINE公式アカウントは、ユーザーの生活に溶け込みやすいからこそ、ユーザー視点で配信内容や提供サービスを改善していくことが大切です。

LINE公式アカウントが「自社サービスに関心が高いユーザーにとって必要とされる媒体」に育っていけば、ブロック率は自然と下がっていくはずです。

下記の記事では、取扱商材ごと、友だち数ごと、メッセージの配信頻度や配信方法によるLINE公式アカウントのブロック率を調査しました。 その上で、「ブロック率とどう向き合っていけばいいか?」について解説しています。併せてご参照ください。

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