LINE公式アカウントの友だち数が順調に伸びてくると、一方で気になるのが配信費用です。
「メッセージの配信費用を抑えたい」
「無駄なメッセージ配信を控え、費用対効果を高めたい」
という際に、まずはLINE公式アカウントの標準機能「オーディエンス」を活用した絞り込み配信(セグメント配信)を始めてみてはいかがでしょうか?
本記事では、「まずは手軽にセグメント配信を取り入れたい」というご担当者向けに、明日から早速試せるような、使いやすくて効果的なセグメント配信のアイデアをまとめてご紹介します。
セグメント配信を手軽に始めるなら「オーディエンス」の活用がおすすめ
セグメント配信を行う方法はいくつかありますが、中でもいちばん手軽で取り入れやすいのがLINE公式アカウントの標準機能「オーディエンス」を活用して「絞り込み配信」を行う方法です。
そもそもオーディエンスとは何か?機能の基本を知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
セグメント配信を行うには、オーディエンスを活用する以外にも、LINE公式アカウントの拡張ツール(LINE配信ツール)やLINEと連携可能なマーケティングオートメーションツールなど、外部のツールを活用する方法もあります。
こうしたツールはLINE配信に特化した機能が充実しており、独自の顧客タグに基づいた制度の高いセグメント配信ができたり、ツールによっては顧客データベースと連携したより高度なセグメント配信が可能になります。
ツールの導入・活用にあたって十分な予算やリソースが確保できない場合でも、まずは標準機能のオーディエンスを活用した絞り込み配信が試しやすく、開封率やクリック率の向上が見込めるのでおすすめです。
オーディエンスの種類はいくつかありますが、今回は中でも特に使いやすいものをピックアップしてご紹介します。
具体的なテクニックのご紹介の前に、各オーディエンスの基本的な機能を知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
▼過去に配信したメッセージを開封した友だちで絞り込む「インプレッションリターゲティング」
▼特定の施策から追加された友だちで絞り込む「友だち追加経路オーディエンス」
▼特定期間にリッチメニューを表示 / タップした友だちを絞り込む「リッチメニューインプレッション」「リッチメニュークリックリターゲティング」
目的別!オーディエンスを活用したセグメント配信の実践テクニック
ここからは、「いざセグメント配信をやろうと思っても、どんなセグメントに対してどんなメッセージを配信したらいいのかわからない…」というご担当者の方向けに、目的や訴求内容に応じて試しやすいオーディエンス活用テクニックを具体的にご紹介します。
目的①広告経由で追加された友だちにサービスを認知してもらい、初回利用を促す
- オーディエンスタイプ:友だち追加経路
- オーディエンスの条件:友だち追加広告経由で追加された友だち
- 配信内容例:新規会員登録で割引クーポン、初回購入限定クーポンの配布
友だち追加広告は効率的に友だち数を増やす上で有効ですが、追加した時点ではまだサービスのことを認知していない友だちも多いので、そこに対して一方的かつ一律的なメッセージ配信をするとブロックが増えやすいです。
そこで、友だち追加広告経由の友だちに絞ったオーディエンスを作成し、サービス内容をわかりやすく案内すると共に、初めての利用・購入につながるような施策が有効です。例えば、新規会員登録で割引率の上がるクーポンプレゼントや、初回購入限定の特典を案内してみましょう。
また、友だち追加広告経由のオーディエンスを除外し、すでに自社のサービスを認知し、一定程度の関係性を持つユーザーだけにメッセージを配信することも可能です。
このように友だちのフェーズに合わせて配信をだし分けることは、ブロック率を抑制し良質なコミュニケーションにつながります。
目的②店舗利用顧客の継続利用を促進する
- オーディエンスタイプ:友だち追加経路
- オーディエンスの条件:店舗経由で追加された友だち
- 配信内容例:オンラインショップ限定クーポン配布、店舗限定セールの案内
店舗で友だち追加した顧客に向けて、再来店やオンラインショップの利用を促すクーポンやセール情報を配信し、リピート利用のきっかけを作る施策として有効です。
友だち追加経路を店舗ごとに分けて設定しておくことで、店舗ごとのおすすめ情報や商品を出し分けることも可能です。
また、店舗だけでなくオンラインショップで使えるクーポンを配布するなど、ユーザーが利用しやすい方法で、継続利用しやすい環境を作ることがポイントです。
目的③セール時期の売上を伸ばす、セール終了のリマインド配信
- オーディエンスタイプ:メッセージインプレッション
- オーディエンスの条件:セール告知のメッセージを開封した友だち
- 配信内容例:セール終了間近のリマインド
セール終了のリマインドを行う際は、セールに興味を持った友だちに絞って配信することで、開封率・クリック率を高めながらセール終了直前の駆け込み購入を効率的に促します。
具体的には、以前配信したセール告知のメッセージを開封した友だちのオーディエンスを作成し、そこに対してセール終了間近である旨をお知らせするリマインドメッセージを配信します。
目的④季節商品の購入を促進する
- オーディエンスタイプ:メッセージインプレッション
- オーディエンスの条件:季節商品を紹介したメッセージを開封した友だち
- 配信内容例:季節商品の人気ランキング紹介、在庫残りわずかのお知らせ、限定タイムセール
季節限定の商品の購入を後押しする際は、タイムリーな訴求が効果的です。
かつ、以前告知した季節商品のメッセージを開封した友だちに絞って配信すると、「今売れているのはこの商品です」「限定商品の在庫が残りわずかです」「限定タイムセール開始」といったタイムリーなメッセージ配信への反響を高めやすく、購入意欲の向上に繋がります。
目的⑤アクティブな友だちに絞り、配信の費用対効果を高める
- オーディエンスタイプ:リッチメニュークリック
- オーディエンスの条件:直近60日以内にリッチメニューをタップした友だち
- 配信内容例:割引率UPの限定クーポン、少数再入荷商品の案内
リッチメニューを日頃から利用する友だちは、普段からLINE公式アカウントをよくチェックしていて、積極的にサービスを利用しているユーザーである可能性が高いです。
そこで、リッチメニューをタップしている友だちをアクティブユーザーとみなしてオーディエンスを作成し、限定感のある情報やお得なキャンペーンを案内すると、LINE経由の購入につながりやすく、CVRや費用対効果の向上が見込めます。
リッチメニュークリックの場合、オーディエンスのターゲットを設定する際に、リッチメニュー上のすべてのボタンをタップした友だちを対象にするだけでなく、特定のボタンをタップした友だちのみを対象とすることもできます。
リッチメニューで訴求している特定のキャンペーンに興味関心のある友だちや、会員証、マイページなど特定のメニューを利用している友だちに絞ってメッセージを配信する、といった活用も可能です。
リッチメニュークリックを活用する際は、リッチメニュー側にもアクティブなユーザーが使いやすい導線を用意しておくことで、オーディエンスのボリュームをより増やしながらセグメント配信の効果を最大化しやすいです。
目的⑥応用編:商品ページを閲覧した友だちの購入を促進する
- オーディエンスタイプ:ウェブトラフィック
- オーディエンスの条件:キャンペーンページやセール情報ページなど、特定のページを閲覧した友だち
- 配信内容例:買い忘れ防止のリマインド
LINE公式アカウントのオーディエンスタイプには「ウェブトラフィックオーディエンス」があります。これは、LINE Tagのトラッキング情報をもとに、特定のページ閲覧や会員登録、購入のイベントなど、ユーザーのサイト上の行動に基づいたオーディエンスを作成できる機能です。
ウェブトラフィックオーディエンスを活用すると、キャンペーンページやセール特集ページにアクセスしたユーザーに、キャンペーンやセールの終了間近のお知らせを配信する、といったように、より具体的なWebサイト上の行動に応じて最適なアプローチを打つことが可能になります。
ここからは少し応用的な活用になりますが、ウェブトラフィックオーディエンスとステップ配信を組み合わせると、簡易的なかご落ち配信※も実現できます。
具体的には、カートページにアクセスしたが、購入後に表示されるサンクスページにはアクセスしていない友だちに対して、後日「お買い忘れはございませんか?」といったリマインドのメッセージを配信することができます。
※カゴ落ち配信とは、カートにいれたままサイトを離脱してしまったユーザーに対して、再び購入を検討してもらうためのメッセージ配信です。
オーディエンスのサイズに注意!
オーディエンスをメッセージ配信に利用する際に注意したいのが、オーディエンスのサイズです。
いずれのオーディエンスも配信に利用するためにはオーディエンスのサイズが50人以上必要です。
条件を指定して絞り込んだ時に、50人に満たないオーディエンスはメッセージ配信時に利用できないので、セグメントの条件に一致する友だちが十分いるかを考慮しながら施策を検討する必要があります。
例えば、メッセージクリックやリッチメニュークリックというオーディエンスタイプはメッセージのリンクやリッチメニューをクリックした友だちをグルーピングできます。
開封しただけではなく実際にリンクをクリックしていることから、より関心度の高い友だちを対象にできるので、開封率・クリック率の向上やCVに貢献しやすい一方で、インプレッションよりも対象母数が小さくなりやすいため注意が必要です。
そもそもオーディエンスサイズが50人以上あるかはもちろん、実際のオーディエンスの規模感と、そこに配信した時に見込めるインパクトを考慮してセグメントの条件を調整していきましょう。
まとめ
今回は、LINE公式アカウントの標準機能「オーディエンス」を活用した試しやすいセグメント配信テクニックをご紹介しました。
セグメント配信では、アクティブなユーザーに絞り込んだ配信が効果的です。
- 最近友だち追加した
- 店舗で商品を購入した
- セール情報をチェックしている
- サイトやLINE公式アカウントを閲覧・利用している
など、何かしらアクティブな行動を取っている友だちに絞った配信をすることで、LINE経由の購入率を高めることができます。
目的や訴求したい内容に応じて、ぜひ今回のテクニックを有効活用してみてください。