ECにおけるLINE公式アカウント活用〜見込み客との接点獲得からリピート、ファン化まで

EC会員とのコミュニケーションで多く利用されているのがメルマガです。メルマガは一般的にフォーム入力で会員登録し、メルマガ希望ユーザーとのコミュニケーションに活用されています。

一方LINE公式アカウントは、QRコード読み取りやタップだけで簡単に友だち追加できることから、見込み客を含む非会員との接点をもち、コミュニケーションに活用できます。

さらに、ブロックされない限り継続的にコミュニケーションができるため、LINE公式アカウントを通じて、商品やサービスを知ってもらい、初回購入やリピート利用のきっかけをつくり、さらにはファン化までファネルを通したマーケティング活用が可能です。

  • 見込み顧客との接点獲得
  • 初回購入の促進
  • 自社会員との関係性構築
  • リピート購入の促進
  • LINE経由の売上UP

この記事では、ECサイトがLINE公式アカウントを活用して、見込み客との接点獲得からリピート利用までLINE経由の売上につなげるためのヒントを紹介します。

LINEで見込み客や新規顧客などライト層との接点を獲得するためのヒント


将来的に自社サービスに興味をもってくれるであろう見込み顧客や、LINE公式アカウントを認知していないユーザーの友だち追加を促すにはどうすればいいのでしょうか?

様々な接点で友だち追加ボタンやURLなどで友だち追加導線を用意すること以外にも、ECで活用できる方法をいくつか紹介します。

LINE通知メッセージをきっかけに友だち追加

LINE通知メッセージは、電話番号でマッチングして友だち以外にも重要性や必要性の高いメッセージを配信できるLINEのメッセージです。

友だち追加をしていないユーザーに「購入完了通知」や「発送完了通知」などのLINE通知メッセージが届くと、企業のLINE公式アカウントのプロフィールページや、トークルーム上部に「友だち追加」の導線が表示されます。

そのためLINE通知メッセージは、これまでLINE公式アカウントを知らなかったもしくは、友だち追加していなかったユーザーの友だち追加のきっかけにもなります。

トークリストから直接トークルームを開く

事例)アパレルブランド「nairo」では、購入時点でLINE連携されていない方に「LINE通知メッセージ」で購入・発送完了通知を配信。受け取った方の約3人に1人が友だち追加を行っています。

オフラインでの接点を獲得する:デジタル会員証

ECサイトだけでなく実店舗を運営されている場合、LINEのデジタル会員証も有効です。

LINEデジタル会員証のメリットは手軽さでオフラインでのデジタル接点をもてること、LINEのIDを軸にECと実店舗の会員情報がひもづき、オンライン・オフライン共通のポイントカードの実現やLINEを通したコミュニケーションが可能になることです。

下記は、LINEミニアプリを活用した仮会員証の発行フローです。

LINEデジタル会員証発行フローの例

LINEアプリ内で会員証表示ができるのでアプリのダウンロードが不要な上、接客時間の短いレジ前やイベント会場などでもQRコードを読み取るだけで簡単にデジタル会員証発行とLINE公式アカウントへの友だち追加ができます。
オフラインでユーザーの手を煩わすことなく、また、店舗スタッフのオペレーションも最小限に抑えられます。

友だち追加後は、LINE公式アカウントからメッセージの配信が可能な上、本会員登録にECサイトへの会員登録とLINEのID連携を行うことで、店舗とECサイトの会員情報との連携までを実現できます。

  1. オフラインでのQRコード読み取りで仮会員バーコードの発行とLINE公式アカウントへの友だち追加
  2. 本会員登録時にLINEのID連携

認知目的の広告を活用する

飲料メーカーや食品メーカー、化粧品メーカー、キャラクタービジネスなど、対象ユーザーが多い業種などでは、潜在層に広くリーチし友だち追加を加速するために友だち追加広告やスタンプなどの広告商品も活用されています。

広告商品を利用した後は、スタンプなどのインセンティブ目的のユーザーも含まれるためどうしてもブロック率が高くなる傾向があります。

しかし、潜在層に広くリーチできる広告では、一定数のブロック率は許容し、ブロックせずに友だちでい続ける友だち=将来的に顧客となるような友だちを中心にターゲットリーチを広げることを目的に活用すれば、効果的な施策です。

ID連携によるLINEのCRM活用

ここまで見込み客や新規顧客などライト層と、LINEでの接点を獲得するためのヒントを紹介しました。

ここからは、LINE公式アカウントの友だちとのコミュニケーションや便利な顧客体験の提供で購入を促し、さらにはリピート利用やファンになってもらうためのLINE活用について紹介していきます。

購入を起点にしたステップ配信やカゴ落ち配信、再入荷通知、会員ランクに応じたキャンペーンの実施など、EC会員の属性や購買行動に連動したお客様一人ひとりにあわせたLINE配信は、LINE経由の売上アップやリピート利用につながります

ところが、友だち追加だけでは、その友だちが自社ECの会員なのかはわからないため、会員毎に最適化されたメッセージ配信はできません。

そこでキーになるのがLINEのID連携です。
ID連携によって、自社の顧客情報と友だちのLINEのIDが紐づくことでECの会員属性や購買行動に連動した個別のメッセージ配信が可能になります

ID連携されている場合とID連携されていない場合の違い
  • 会員限定のクローズドセールの案内を配信
  • 初回購入者限定のクーポンメッセージを配信
  • 再入荷通知
  • カゴ落ち配信(商品をカートに入れたまま離脱したユーザーへリマインド配信)
  • ポイント失効通知
  • 過去の閲覧/購入情報・商品情報に基づいたレコメンド配信
  • トライアル商品を購入した人にステップ配信
  • 自社サービスのロイヤル顧客向けに先行販売の案内を配信

つまり、ID連携によってはじめて、LINE公式アカウントが自社のお客様とのコミュニケーションチャネルとなり、初回購入からリピート利用、ファン化まで、自社のデータベースと連動したLINEのCRM活用が可能になります

💡LINEログインを活用すると?

購入時の会員登録フローの中で自社会員の友だち追加とID連携を同時に完了できるためECサイト起点で自然に友だちとID連携数が増えていきます。

便利なユーザー体験でリピート利用やファン化でLINE経由の売上につなげる方法

便利であればおのずと使ってくれるものです。LINE経由のEC売上を増やしていく上で大切なのはやはりユーザー体験です。

メッセージ配信以外にも、LINE公式アカウントで便利なユーザー体験でリピート利用につなげる施策を紹介します。

LINE公式アカウントからワンタップでログインしそのまま購入

一般的なLINE経由の購入フローでは、LINE公式アカウント経由で気になる商品を見つけたユーザーはリンクをタップしてECサイトへ遷移します。その後ユーザーIDとパスワードを入力もしくは、フォーム入力を行い商品を購入するのですが、とりわけスマホの小さな画面での操作は面倒なこともあり、離脱の原因にもなります。

購買フローを簡単にし、スムーズな購買体験を提供する上でおすすめなのがLINEの自動ログインです。

LINEの自動ログインに対応していると、LINEアプリ内ブラウザでサイトに遷移すると同時にECサイトにLINEアカウントでログインさせることが可能です。

そのため、LINE公式アカウントのメッセージのリンクやリッチメニューをタップするだけで、ログインした状態でECサイトに遷移しそのまま購入できることから、リピート利用やLINE経由売上増に繋がります

事例)宅配寿司「銀のさら」では、LINEのメッセージやトーク画面上のリッチメニューから「銀のさら」公式サイトにアクセスすると同時に自動的にログインが完了し、すでに該当の店舗やお届け先が選択された状態でスムーズに注文ができます。

ワンタップでオートログイン:銀のさら

事例)ナースリ―オンラインショップでは、自動ログインを導入し、LINE公式アカウントからタップ操作のみで購入できるスムーズな購買導線がリピート増や、1人あたりの購買回数もアップにつながりました。

リッチメニュー

リッチメニューはLINE公式アカウント内に自社オリジナルのメニューを配置できる上、ユーザーにとっても視覚的にわかりやすく、タップでECサイトに遷移できることからLINE経由売上の多くはリッチメニューからという事例も多いほどです。

LINEの自動ログインと組み合わせることで、さらに手軽にお買い物ができるためリッチメニューが「購入の入り口」となります。

  • メニューやコンテンツが視覚的でわかりやすい
  • 定期的な差し替え(月替わりのクーポンなど)が訪問のきっかけになる
  • LINEの自動ログインと組み合わせることで、ワンタップでログインした状態でECに訪問購入ができる

さらにタブ型のリッチメニューでより多くの訴求と導線が実現できます。

事例)「レンズダイレクト」では2タブのリッチメニューを活用し、タイムリーなキャンペーン企画の訴求と、欲しいものに辿りつきやすいような導線を両立しています。
リッチメニューをタブ型にした結果、リッチメニュー経由の訪問ユーザーや注文数が約15%増加しました。(導入前比)

2タブのリッチメニューのイメージ

さいごに:ユーザーとの良好なコミュニケーションでLINE公式アカウントを育てていく

ここまで、ECサイトがLINEを活用して、見込み顧客との接点獲得〜ID連携を軸とした会員とのコミュニケーションでリピート利用やファン化につなげるためのヒントをご紹介してきました。

LINE公式アカウントの運用の最終的な目的は売上への貢献というケースが多いかと思います。ただ、LINE公式アカウントを開設したから即、売上につながるか?というとなかなか難しいかと思います。

やはり、LINE公式アカウントを育て、ユーザーとの継続的な関係性をつくる意識で、LINE公式アカウントを育てていくことが大切です。

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