
LINE公式アカウントを活用する際、メッセージの開封率を向上させることは非常に重要です。開封率が低いと、どれだけ有益な情報を発信しても友だちに届かず、効果的なマーケティングができません。
また、開封率が上がると、次のアクションにつながるクリック数、サイトへの遷移後のコンバージョン数も向上するため、配信数に対する開封率を増やすことが成果を出す上で大切なポイントになります。
今回は、LINEメッセージの開封率を高めるための具体的な施策を紹介します。
LINEメッセージの開封とは?
メッセージ配信で利用できるフォーマット
LINE Official Accout Managerのメッセージ配信では、テキストやスタンプだけでなく、画像やテキスト情報を一つのビジュアルにまとめることで、視覚的にも簡潔で分かりやすい訴求ができる「リッチメッセージ」、複数の画像をカルーセルで表示させることができる「カードタイプメッセージ」など、さまざまなフォーマットが用意されています。
そして、1回のメッセージ配信には、前述の複数のフォーマットを複数組み合わせて、最大3つの吹き出しまでメッセージを送ることができます。

LINEメッセージの開封の定義
LINE Official Accout Managerでは、配信に含まれるいずれかの吹き出しにインプレッション(100%表示)が発生すると「開封」にカウントされます。数値は回数ではなく、開封したユニークユーザー数となります。トークルームを開かずに既読された場合はカウントされません。
配信するメッセージの「開封」の定義が「メッセージが100%表示されること」であることから、例えばカードタイプメッセージや縦長のリッチメッセージが、一部リッチメニューに隠れてしまうなどして100%表示されてない場合、開封とみなされないことに注意が必要です。
いつものメッセージと比較して「開封率が低い」という場合、メッセージが配信されユーザーがトークルームを開いた際、100%表示されるかもあわせて指標を確認するとよいでしょう。
下記はあるECサイトのLINE公式アカウントの配信事例です。
配信日 | 最後の吹き出しのタイプ | 配信数 | 開封 | クリック数 | 開封率(対配信数) | クリック率(対配信数) |
2025/01/aa | A | 17,351 | 11,785 | 215 | 67.92% | 1.24% |
2025/01/xx | B | 18,075 | 3,208 | 218 | 17.75% | 1.21% |
2025/01/zz | B | 18,600 | 3,261 | 214 | 17.53% | 1.15% |
3つ目の吹き出しに使ったメッセージがAとBとで大きく開封率に差が出ました。おそらくメッセージBが100%表示されなかったことが主な原因だと考えられます。

ただし、開封率・開封数ばかりに注目しすぎるのも注意が必要です。
よく見ていただくと、クリック数についてはA、B間で大きな差が出なかったという結果になっています。
一つの指標だけではなく、最終的なメッセージ配信のゴールから開封数、クリック数、コンバージョン数など複数の指標を確認することをおすすめします。
プッシュ通知を意識したメッセージ配信
開封率を上げるには、友だちにメッセージに気づいてもらって、トークルームを開き、メッセージを閲覧してもらう必要があります。プッシュ通知やトークリストに表示される文章の工夫次第で、大きく開封率を伸ばすことができます。

プッシュ通知の表示
プッシュ通知は、配信するメッセージの1つ目の吹き出しの設定が反映されます。1つ目の吹き出しにテキストフォーマットを使った場合は、テキストの冒頭が反映されます。1つ目の吹き出しにリッチメッセージやカードタイプメッセージを使う場合は、それぞれのタイトルが反映されます。
▼タイトル設定例:リッチメッセージ

トークリストの表示
メッセージが配信されると、LINEのトークリストは最後の吹き出しに設定されたメッセージの内容が反映されます。プッシュ通知同様に、最後の吹き出しにテキストフォーマットを使った場合は、テキストの冒頭が反映され、最後の吹き出しにリッチメッセージやカードタイプメッセージを使った場合は、それぞれのタイトルが反映されます。
タイトル設定のポイント
前述の通り友だちにメッセージを開いてもらうためには、メッセージが届いた際のプッシュ通知やトークリストの表示に、いかに開きたくなる内容が書いてあるかが重要です。
短くわかりやすい通知文を作成する
トークリストに表示される文字数には限りがあるため、文が途中で切れないように枠内に収めることも重要です。長すぎると途中で省略され、意図が伝わりにくくなるため、簡潔でインパクトのあるメッセージを心がけましょう。
緊急性や限定感を出す
通知を受け取ったユーザーが即時に行動を起こしたくなるような表現を活用しましょう。期限を記載したり、限定感を思わせる表現がおすすめです。
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絵文字使って目立たせる
トークリストは他のLINE公式アカウントの通知も記載されますので、絵文字や括弧などを使って工夫して目立つようにするのもポイントです。
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- 「【📢今すぐチェック】最新商品が入荷しました」

なお、リッチメッセージやカードタイプメッセージのタイトルに絵文字を使いたい場合は、機種によって表示されないものもありますので注意が必要です。テスト配信や他社の例を見つつ、ご利用いただくことをお勧めします。
テキストメッセージに、LINE Official Accout Managerの[絵文字]ボタンで指定できる絵文字を使う場合、端末の通知画面では絵文字をテキストとして表示するため、意図と異なる表示になる場合がありますのでご注意ください。
メッセージ配信に絵文字は使用できますか?|LINE for Businessーよくある質問ー
▼絵文字がテキストとして表示される例

通知の内容やトークリストの表示をテスト配信したい場合は、一旦下書きでメッセージを保存し、管理者へのテスト配信機能を使ってご自身でLINEでメッセージ表示をご確認ください。
【参考】:下書きメッセージのテスト配信|LINEヤフー for Business
ただし、下書きメッセージのテスト配信の場合は、最後の吹き出しに「テスト配信」というテキストメッセージが追加されます。最後の吹き出しが「テスト配信」になってしまうことでトークリストの表示を確認することができないので、テスト用のLINE公式アカウントをコミュニケーションプランで1つ用意して、運用者のみが友だち追加し、本番用のメッセージと同じ設定して配信を試してみても良いでしょう。
最適な配信タイミングを見極める
ユーザーのアクティブな時間帯にメッセージを配信することで、開封率が向上します。一般的に効果的な時間帯としては以下が挙げられます。
- 平日のお昼(12:00〜13:00):ランチ休憩時にスマホをチェックする人が多い
- 夕方から夜(18:00〜21:00):仕事や学校が終わり、プライベートな時間に入る
- 週末の朝(8:00〜10:00):休日の朝に情報収集をする人が多い
業種やターゲット層によって異なるため、自社のアカウントで試行錯誤しながら最適なタイミングを見つけましょう。
セグメント配信でターゲットに合わせた内容を
一斉配信ではなく、ユーザーの属性や行動に応じたセグメント配信を行うことで、開封率を向上させることができます。配信するユーザーの属性やステイタスにあわせて、メッセージ内容を工夫し、絞り込み配信を活用しましょう。
▼例
- 新規顧客向け:「初めての方限定!お試しクーポンをプレゼント!」
- リピーター向け:「前回の購入から1ヶ月経ちました!新商品をご紹介」
- カゴ落ちユーザー向け:「カートに入れたままの商品があります!」
ユーザーごとに最適なメッセージを届けることで、開封率だけでなく、コンバージョン率の向上も期待できます。セグメント配信については以下の記事でご紹介していますので合わせてご覧ください。
まとめ
LINE公式アカウントの開封率を上げるためには、
- プッシュ通知を最大限活用する
- ユーザーの興味を引くタイトルをつける(トークリストに表示されるタイトルを意識し、文が途中で切れないようにする)
- 最適な配信タイミングを見極める
- セグメント配信でパーソナライズする
これらの施策を実施し、効果的なLINEマーケティングを行いましょう。