お客様から「管理しているLINE公式アカウントのブロック率が上がってきまして…」や「他社のLINE公式アカウントのブロック率ってどんなもんなんでしょう…」というようなブロック率に関するご質問をよくいただきます。
確かにブロックは目に見えて数値で示されますので気になるポイントだと思います。
他社のLINE公式アカウントと比較できないので、なおさら気になるところ。
そこで、弊社がサポートしているLINE公式アカウントのブロック率を調べてみました!
また、その調査結果をふまえ、売上や自社サービス利用に貢献するLINE公式アカウントを目指す上で「ブロック率」とどう向き合っていけばいいのかについて紹介します。
【調査結果】LINE公式アカウントのブロック率を調べてみた
調査の結果、LINE公式アカウントのブロック率は平均値29.7%、中央値27.0%という結果でした。
取扱商材ごと、友だち数ごと、メッセージの配信頻度や配信方法によるブロック率をそれぞれみていきたいと思います。
※注意:調査対象は、弊社がサポートしているLINE公式アカウントです。友だち数が1,000未満のLINE公式アカウントは対象外としています。
取扱商材ごとのブロック率について
まず最初に、取り扱い商材ごとのLINE公式アカウントのブロック率です。
ほとんどにおいてブロック率は20%台〜30%台となっており、取扱商材ごとの大きな差異はみられません。
取り扱い商材 | 平均値 | 中央値 |
---|---|---|
アパレル | 30.7% | 27.6% |
化粧品 | 36.6% | 34.8% |
食品 | 27.8% | 22.8% |
日用品 | 22.3% | 19.1% |
人材 | 38.4% | 35.8% |
趣味/レジャー/エンタメ | 21.7% | 18.8% |
医療/美容 | 33.8% | 37.0% |
その他会員サービス | 21.5% | 15.8% |
健康食品 | 33.9% | 29.2% |
保険/資産運用/金融 | 22.7% | 24.0% |
不動産 | 31.8% | 30.1% |
総計 | 29.7% | 27.0% |
あくまでも筆者の感想ですが、比較的低い結果となったのではないでしょうか?
これは、弊社がサポートさせていただいているLINE公式アカウントの多くが、LINEログインを導入し自社サービスでの会員登録時にLINEの友だち追加ができる仕組みを整備されていること、そのため、サービスをすでに認知し利用されているお客様を中心にLINE公式アカウントの友だちを増やせていることも影響しているかと思います。
メッセージの配信頻度や配信方法によるブロック率の違い
次にメッセージの配信頻度で見てみましょう。
まず手動で配信しているケースをみてみます。配信頻度が高いほど、ややブロック率が高くなる傾向がありそうです。特に毎日配信しているケースではその傾向が顕著です。
注目すべきはAPI配信です。API配信で主に配信されているのは、例えば、カゴ落ち配信やお気に入り登録した商品の再入荷通知など、サイト内行動やユーザー情報と連動した自動配信です。
API配信を通してユーザーにとって必要なタイミングで必要な情報を配信しているLINE公式アカウントでは、全く配信をしていないケースよりブロック率が低くなっているのは興味深い結果です。
友だち数によるブロック率の違い
次に、LINE公式アカウントの友だち数によるブロック率の変化を見てみましょう。
友だち数が増えていくにつれてブロック率も上がっていく傾向があるようです。
友だち数が5,000未満の場合、約22%であるのに対し、友だちが500,000以上の場合40%を超えています。
ただし、単に友だちが増えると比例してブロック率が高くなるというわけではなく、友だちをどのように増やしているのか?また、メッセージ配信も含めLINE公式アカウントでどのような施策を実施しているのか?ということも大きく影響します。
例えば、スタンプ施策などの広告商品は潜在層に広くリーチできる一方で、獲得した友だちの中には自社への関心の度合いが高くない友だちも多く含まれることから、キャンペーン実施後、ブロック率が高くなりがちです。
ブロック率とどう向き合うか
今回の調査結果は、おそらく他社の調査結果とは異なると思いますし、来年同じ調査を実施したとしても同様の結果になるとは限りません。
これは、商材、配信頻度、配信するメッセージの内容、友だちの数や属性、実施した施策など、影響する変数が全く異なるからです。
そのため、今回紹介したようなブロック率の平均値や中央値と自社のLINE公式アカウントとを比較して一喜一憂することにはあまり意味がありません。
では、ブロック率とどう向き合えばいいのでしょうか。
ブロック率とターゲットリーチを推移でみていく
例えば、友だちが5,000人いるLINE公式アカウントで、友だち追加を増やすキャンペーンを実施したとします。その結果、友だちは10,000人に増えましたが、ブロック率が20%から30%に上がってしまいました。
一方で、ターゲットリーチはどうでしょう?
- 友だち数5,000人、ブロック率20%の場合、ターゲットリーチは約4,000人
- 友だち数10,000人、ブロック率30%の場合、ターゲットリーチは約7,000人
ブロック率は上がってしまいましたが、今後、LINE公式アカウントを通じて継続的なコミュニケーションをとることができるターゲットリーチは約3,000人増えたことになります。
この3,000人は確実に売上にも効いてくるでしょう。
このことからも一概に「ブロック率が高くなったことは悪い」とはいえないということがわかります。
そのため「ブロック率」だけに着目するのではなく、「ターゲットリーチは増やせているか?」についてもあわせて推移でみていくことが大切です。
売上、コスト、ブロック率、ターゲットリーチの4つの評価軸で配信をコントロールする
LINE公式アカウントを運用する企業にとって、メッセージ配信からの売上は最も重要な指標だと思います。
また、売上は販促メッセージの内容や回数に応じて増えていくはずです。
ところが、今回の調査結果からも読み取れる通り、メッセージ配信の回数が増えるとブロック率は増える可能性があります。
また、ターゲットリーチが増えるとメッセージ配信のコストも上がります。
このことから、LINE公式アカウント運用担当者は、
- LINE公式アカウントの配信からの売上
- LINE公式アカウントの配信コスト
- ブロック率
- ターゲットリーチ
という4つの評価軸で配信をコントロールしていくことが大切です。
ブロック率はあくまでその中の指標の一つであると捉えましょう。
また、これら4つの評価軸は月単位ではなく、配信単位で確認することをおすすめします。
- ある配信で「ターゲットリーチの減少が見られた」
- ある配信で「配信コストが売上 (もしくは粗利) を上回った」
- ある配信で「友だち追加などの施策を行っていないのに極端なブロック率の増加があった」
配信ごとにこれらの指標の変化を捉えることで、クリエイティブやメッセージの内容、メッセージからの導線など、原因をみつけ、すぐに対策を行うことができます。
また、効果があった施策やメッセージ内容についても知ることができます。
最後に
この記事を通して、「ブロック率だけに囚われてはいけない」ということをお伝えしました。
ただ、ブロック率それ自体はメッセージ配信のターゲットや内容、頻度など、LINE公式アカウントを通じたコミュニケーションが適切かをはかる指標でもあります。
健全なブロック率を保つ上で大切なことは、メッセージ配信のその先の友だちを想像し、「便利」「楽しい」「お得」「友だちでい続けたい」と感じてもらうコミュニケーションを目指して試行錯誤することです。
下記の記事では、より具体的にLINE公式アカウントのブロック率があがる原因と対策を解説しています。こちらもぜひご覧ください。