LINEミニアプリの機能や特徴、実装・開発方法とは?最新事例をもとに効果的な活用法も紹介

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2020年7月、LINEミニアプリがリリースされました。LINEミニアプリとは、多くのユーザーが日常的に使用するLINEアプリの中に、自社のWebサイトやアプリにかわるサービスを開設できる機能です。

2019年6月に開催された「LINE CONFERENCE 2019」での発表以降、「PAL CLOSET」「リザービア」「Developers.IO CAFE」「おくすりPASS FAST(パス ファスト)」等の先行事例が続く中、気になっていた方も多いかと思います。

本記事では、LINEミニアプリの機能や特徴、活用メリットといった基本的な情報から、最新事例、LINEの各種サービス(特にLINE公式アカウント)との横断的な活用のアイデアや実装・開発方法まで、まとめて解説します。

LINEミニアプリ(LINE Mini app )とは

みなさんは、日常的にどれくらいの数のスマホアプリを利用していますか?

世の中には無数のアプリが存在し、開発したアプリの利用を促すための広告メニューがあるほど、アプリの新規顧客を獲得し、継続利用してもらうことは容易ではありません。そこで、近年注目を浴びているのが「ミニアプリ」です。

ミニアプリとは、自社独自のアプリを開発することなく、既に多くのユーザーが利用するアプリの中に自社サービスを展開することができるものです。特に代表的なものとして、中国で10億以上のアカウントをもつWeChat(微信)のミニプログラム(小程序)があります。

LINEミニアプリは、その名の通り、LINEが提供するミニアプリです。多くのユーザーが日常的に使用するLINEアプリの中に、自社のWebサイトやアプリにかわる機能を開設できます。

利用する企業は、自社サービスのメニューや料金などのサービス情報、予約フォームの設置、クーポン発行、ポイントカード機能、支払い機能など、提供されている機能を組み合わせて、ミニアプリを提供することができます。

LINEミニアプリが提供する主な機能

  • Membership card(ポイントカード機能)
  • Coupon(クーポン機能)
  • Reservation(予約フォームの設置)
  • Payment(支払い機能)
  • Notification(お知らせ機能)

LINEミニアプリのメリット

ネイティブアプリの開発は不要

ネイティブアプリの開発は多くのコストがかかります。一方、LINEミニアプリは、LIFF(LINE Front-end Framework)を活用したWebアプリの開発となるため、大幅に開発費を抑えることができます。

また、ユーザーは個別アプリのダウンロードが不要で、LINEアプリを利用しているユーザーであれば、だれでも手軽に利用することができます。

オンラインとオフライン(実店舗)との垣根をなくしたOMOの実現

LINEミニアプリは、LINEの固有のID(userId)をベースにオンライン・オフライン(実店舗)を融合した便利なユーザー体験の提供(Online Merges with Offline=オンラインとオフラインの融合)を可能にします。

例えば、「混雑した行列に並ぶことなく、LINEアプリ上で美容室の予約や飲食店での料理の予約、注文、決済を行い、サービスをうけられるタイミングでLINEで通知を受け、実店舗へ訪問。実店舗では、LINEアプリから自分の会員証を提示しポイントを貯めることができ、そのポイントはオンラインのECサイトでも利用できる。」というサービスをLINEアプリ上で実現することができます。

多くの導線で、利用してもらえるサービスに

LINEアプリ内外に、LINEミニアプリを利用してもらうための多くの導線を用意することができます。そのため、新規ユーザーの獲得からリピートの促進まで、利用し続けてもらえるサービスを提供することができます。

LINEミニアプリへのアクセス導線の例

  • LINEアプリ上の「ホームタブ」
  • LINE公式アカウントのトーク、リッチメニュー、プロフィール
  • 各企業のサービス公式HPやSNS上のリンク、実店舗やチラシ等に記載されたQRコード等
  • 友だちによる共有 他

ユーザーのLINEアカウントと紐づいたユーザー行動データが取得可能に

LINEミニアプリ内でのユーザーアクション(予約・注文・決済・会員証提示等)に基づいた、ユーザー行動データが取得できます。また、これらの取得データを元に、LINEミニアプリのサービス改善に繋げることができます。

通知やリマインダーの送信

通常、LINE公式アカウントを通じたメッセージの配信は、利用プランに応じた無料メッセージ配信数を超えた場合、追加メッセージ料金(通数課金)がかかります。

LINEミニアプリでは、ユーザーアクションを起点としたメッセージを無料で送信する機能が提供されています。例えば、購入確認や発送通知、予約時のリマインドなど、コストの削減をしながらユーザーが必要な通知を届けることができます。※広告を除く、ユーザーにとって利便性の高い通知に限ります。

最新事例~LINEミニアプリでできること

サービスや業種別に、LINEミニアプリを通してどんなサービスが提供できるのか、最新事例を紹介します。

調剤予約・通知機能:おくすりPASS FAST

株式会社アイセイ薬局は、全国のアイセイ薬局グループ店舗の調剤予約を簡単に行うことができる無料サービス「おくすりPASS FAST(パス ファスト)」LINEミニアプリを提供しています。

「おくすりPASS FAST(パス ファスト)」LINEミニアプリでは、会員登録をすることなく薬局を選択し、スマホで撮影した処方箋を送信することで調剤予約ができ、薬を受け取れる準備が完了すると調製完了のお知らせをLINEのメッセージで受け取ることが可能です。

  1. メニューから調剤を受けたい薬局を選ぶ
  2. 処方せんを撮影
  3. 撮影した写真を送信
  4. 受け取り希望日時を選択
  5. LINEで調製完了(薬を受け取れる状態)のメッセージが届く
  6. 薬局店頭に行き、薬を受け取る

会員証・LINEログイン活用でオンラインでの接点創出:PAL CLOSET

多数のアパレルブランドを全国展開する株式会社パルは、全国のパルグループの店舗やオンラインストアで提供する会員サービス「PAL CLOSET」LINEミニアプリを提供しています。

「PAL CLOSET」LINEミニアプリでは、同社が展開するさまざまなブランドの店舗とオンラインストアで共通で使える会員証を展開しています。

  • 店頭でのQRコード読み取りで、簡単にオンライン・オフライン共通で利用可能なデジタル会員証を発行
  • 通知機能を利用した電子レシートの発行
  • LINEアプリ内からシームレスにオンラインショッピングが可能
  • LINEログインの活用で、LINE公式アカウントの自動友だち追加・ID連携

店頭でQRコードを読み取り、権限認証を許諾することで、オンライン・オフライン共通で利用可能なデジタル会員証が発行されます。

この時、LINEログインによるLINE公式アカウントの友だち追加、ID連携のプロセスを組み入れることで、実店舗のユーザーを自然な流れで自社会員化し、オンラインでの接点創出につなげています。

LINEアプリとしてオンラインに閉じるのでは無く、むしろリアル店舗で会員になってもらうことにフォーカスを当てたパルの「LINEミニアプリ」。買い物時に会員証バーコードを提示したユーザーには翌日電子レシートがメッセージで届き、あわせて購入した商品のおすすめコーディネートが送られるようになっています。またPAL CLOSETのLINE公式アカウントと友だちになっていることで、後日、お客様をセグメントしてメッセージを配信することもできます。実店舗への来店は短い時間ですが、オンラインでコミュニケーションを取り続けることによって、店舗への再来店やECでの購入をユーザーに促すことが狙いとなっています。

引用:「5秒で会員証」LINEミニアプリで繋がりやすい導線設計を

店頭では会員証バーコードをレジのスタッフに提示することで、LINEのトーク画面上で電子レシートを受け取ることができます。電子レシートには、購入明細以外にも購入した商品の詳細情報やスタッフによるコーディネート、チェックしたアイテムを確認でき、掲載しているアイテムはLINEミニアプリ上で購入することも可能です。

PAL CLOSET LINEミニアプリ

LINEアプリ内の会員証をタップすると、会員証バーコードと保有ポイント数が表示され、「新規会員登録」や「既存会員のID連携(EC ID連携)」を促す導線も用意されています。

サロン予約・通知機能:リザービア

美容・リラクサロン向け予約サービスを提供する株式会社リザービアは、美容室Ash及びTAYAのLINEミニアプリの提供をしています。

AshのLINEミニアプリでは、会員登録が不要です。まず初回起動時に、利用する店舗を選びます(エリア選択→店舗選択)。予約時はスタッフ・メニュー・座席在庫情報を利用して、スマホのタップ操作だけで簡単に美容サロンのオンライン予約が完結できます。

美容室やサロンなど、多店舗を展開しているケースでは、LINEミニアプリ内でユーザーに店舗を選択してもらうことで、店舗ごとのミニアプリを展開できます

モバイルオーダー・決済機能:Developers.IO CAFE

クラスメソッド株式会社は、「Developers.IO CAFE」LINEミニアプリを提供しています。

Developers.IO CAFE(デベロッパーズ・アイオー・カフェ)は、現金を扱わず、ウェブサイト上で注文や支払いを行う新体験型カフェです。

「Developers.IO CAFE」LINEミニアプリでは、ドリンクや軽食などのモバイルオーダーが可能です。また、ウォークスルー購入時の支払い方法を事前にミニアプリ内に登録することで、QRコードを読み取り、自分で商品を棚から取り出すだけで自動で支払いを完了し、商品を購入することができます。

  • 会員登録不要
  • オンラインで注文・決済が可能
  • 商品のできあがり通知を受取
  • LINEログインの活用で、LINE公式アカウントの自動友だち追加・ID連携

LINEミニアプリの初回起動時に、LINE公式アカウントへの友だち追加とID連携を促しています。これにより、以後、LINE公式アカウントを通じたメッセージングはもちろんのこと、トーク内のリッチメニューにLINEミニアプリへの導線を設置し、ユーザーが利用したいときにすぐ利用できる仕組みを提供しています。

画像:Developers.IO CAFE LINE公式アカウント

来店受付・予約・通知・ポイント機能:スシロー

株式会社あきんどスシローは、LINEからスシロー店舗への来店受付・予約ができるLINEミニアプリを提供しています。

「スシロー」LINEミニアプリでは、スシローのLINE公式アカウントのトーク画面や、LINE内ホームタブの“サービス”から「スシロー受付/予約」を選択することでスシロー店舗への来店受付・予約ができます。

また、受付・予約の完了通知や受付番号、呼び出しリマインド通知のメッセージはLINEのトーク画面に届き、LINEの友だちとのトークへも共有できます。

さらに、LINEミニアプリを通じて会員登録不要でポイントを貯めることができます。ID連携を行うことで既にスシローアプリで貯めたポイントをミニアプリ内に反映させることも可能です。

  • 会員登録不要
  • 店舗への来店受付・予約
  • 予約の完了通知や受付番号、呼び出しリマインド通知を受取
  • ポイント機能

LINEミニアプリとLINE公式アカウント

今後、LINEミニアプリをさらに効果的なマーケティング施策へと展開するには、LINEミニアプリ単体ではなく、LINEの各種サービスの横断的な活用、特にLINE公式アカウントとの連動が重要です。

LINEログインの活用で、LINE公式アカウントの友だち追加・ID連携を促進

前述のPAL CLOSETのLINEミニアプリでは、デジタル会員証発行時にLINE公式アカウントへの友だち追加とID連携のプロセスを組み入れることで、自社に興味関心の高い友だちを獲得しつつ、ID連携を促進しています。

LINEミニアプリのデジタル会員証発行をフックに実店舗のユーザーを自然な流れで自社会員化できるため、以降、LINE公式アカウントを通じたメッセージ配信など継続的なコミュニケーションを可能にしています。

「今回LINEさんと組んでクラスメソッドさんに開発してもらったLINEミニアプリは、『LINEから5秒で会員証が作れます』という言い方で訴求できるのが一番の導入メリットでした。カメラでQRコードを読んで、LINEログインで許諾すればすぐに会員証のバーコードが出てくる、という仕組みにしました。この会員登録の手続きを一番スムーズにしたかった。一方で、バーコードを出す一歩手前のところで、PAL CLOSETのLINE公式アカウントを友だち追加してもらうように設計したので、後日メッセージ配信という形でコミュニケーションもできるようになっています。お買い物されたお客様に、まずは会員になっていただきたいというのが第一の目的。第二の目的として、そのお客さんと繋がり続けるということがありました」

引用:「5秒で会員証」LINEミニアプリで繋がりやすい導線設計を

LINEログインによる自動友だち追加機能とは?

LINEログインを活用したLINEの権限認証画面下部に友だち追加のチェックボックスが表示されます。ユーザーがこれをチェックすることで、認証後、企業のLINE公式アカウントの友だち追加ができます。LINE社の公式パートナー経由で申請を行うと、友だち追加のチェックをデフォルトでオンにすることができます。(API利用。前提として認証済みアカウントである必要あり)

▼LINEログインを活用した自動友だち追加についてもっと詳しく

ID連携とは?

ID連携では、友だち登録済ユーザーのLINEアカウント固有のID(userId)と既存の自社会員DBの会員IDを紐づけることができます。これにより、企業のLINE公式アカウントの友だちが自社自社会員DB上のどの会員なのかを判別できるようになり、LINE公式アカウントを通したセグメント配信など、より1人1人のユーザーに合ったコミュニケーションが可能になります。

▼LINEログインを活用したID連携についてもっと詳しく

ユーザーデータの横断的活用

LINE公式アカウントとの連動は、データの横断的な活用という点でもメリットがあります。

LINEは、同社が提供するビジネスプラットフォーム「LINE公式アカウント」「LINE広告(旧LINE Ads Platform)」「LINE Sales Promotion」のサービスを横断したデータ活用を実現する「クロスプラットフォーム」構築を進めています。

加えて、クロスプラットフォームを実現するための新たな機能として「クロスターゲティング」が提供されています。これは、「LINE公式アカウント」「LINE広告(旧LINE Ads Platform)」「LINE Sales Promotion」の各サービスを通じて取得したデータを、横断的に広告配信へと活用することができるものです。

LINEミニアプリで取得したユーザーデータを、LINE公式アカウントやLINE広告など、LINEのサービスを横断したマーケティング施策へとつなげることができます。

LINEミニアプリを導入・開発するには?

LINEミニアプリは、最初は一部のLINE公式パートナー企業のみが先行事例として開発・提供していましたが、2020年7月2日より、企業からのエントリー受付が始まりました。

LINEミニアプリは、事前にサービス内容の審査を経て、LINE社が承認したサービスのみユーザーへの提供が可能となります。

LINEミニアプリ導入フロー

導入には、LINEが提供しているLIFF(LINE Front-end Framework)という技術を使って、Webアプリを開発する必要があります。

自社開発が難しい場合は、LINEが提供するサービスの導入において、技術支援を行うパートナー LINE社のTechnology Partnerを活用する方法もあります。

弊社ソーシャルPLUSはLINE社のTechnology Partnerに認定されており、LINEのCRM活用・ソーシャルログインサービス「ソーシャルPLUS」において多くの企業のLINEログイン導入支援を行う中で、LINEに関する最新のAPIや仕様を日々積極的にキャッチアップしております。LINEミニアプリ導入をご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

(執筆:松元、編集:大西)

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