LINEミニアプリとLIFFアプリ、ユーザー・事業者目線での違いや採用メリットをわかりやすく解説

「LINEで会員証を表示させたい」「LINE上でモバイルオーダーができるようにしたい」など、LINEのアプリ上で便利なサービスを提供したい際、実現方法としてLINEミニアプリやLIFFアプリなどがあります。

本記事では、実現方法を検討している事業者様に向けて、「そもそもLIFFアプリ・LINEミニアプリって?Webブラウザで開かせる場合と比較したメリットは?」「LINEミニアプリとLIFFアプリ、ユーザー目線で何か違いはある?」「導入前に知っておきたい留意点は?」など、検討時に気になるポイントをまとめていきます。

LIFFとは?LINEミニアプリとは?

詳しい違いについては「本題:LIFFアプリとLINEミニアプリの違い」章で解説しますが、まずは大まかに用語の解説をします。(既にご存知の方は読み飛ばしてOKです)

LIFF(リフ)は”LINE Front-end Framework”の略で、LINEの提供するフロントエンド開発フレームワークです。LIFFを利用することで、LINEのアプリ内で動作するウェブアプリケーション(LIFFアプリ)を比較的簡単に作成できます。

LINE Front-end Framework (LIFF) | LINE Developers

そしてLINEミニアプリは、LIFF上で実行されるウェブアプリ(つまりLIFFアプリ)の一種です。LINEミニアプリをリリースするにはLINEヤフー社の審査が必要ですが、無料で配信できるサービスメッセージなど、LINEミニアプリでしか利用できない機能もあります。

LINEミニアプリの利用ユーザー数は年々増加しており、「一度は使ったことがある」という方も増えてきているのではないでしょうか。

LINEミニアプリの利用状況のデータ
画像引用:LINE Business Guide_202404-09

【事例で解説】Webブラウザで開かせるのとは何が違う?LIFFアプリ・LINEミニアプリの採用メリット

ChromeやSafariなどのWebブラウザ上で開かせる場合と比較した、LIFFアプリ・LINEミニアプリを採用するメリットについても大まかに解説します。

◆LIFFアプリ・LINEミニアプリの採用メリット

  1. LINEのユーザーIDの取得が簡単で、トーク画面上で柔軟な画面・機能設計ができる
  2. 外部ブラウザで開かせる場合と比べてエラーが発生しづらく、スムーズな顧客体験を作りやすい

LINEのユーザーIDの取得が簡単で、トーク画面上で柔軟な画面・機能設計ができる

LIFFアプリまたはミニアプリを使うメリットとして最も大きいのは、ユーザーが該当のアプリを開くと、LINEのユーザーIDなどをLINEプラットフォームから取得でき、LINEのトーク画面上でアプリのように柔軟な画面・機能を提供できるという点です。

先にLINEのユーザーIDだけ取得して仮会員登録を行い、後ほど本会員登録する際に会員IDと紐づける(いわゆる仮会員登録)実装をしやすいのも、メリットのひとつ。例えばミズノ様では、LINEミニアプリを活用してスピーディーな仮会員証発行を実現しています。

ミズノの仮会員証発行フロー
ミズノ様での仮会員証発行フロー
(引用元:仮会員証を5秒で発行!ミズノのLINEミニアプリ導入をソーシャルPLUSが支援、登録フローの簡略化とCRM最適化のための情報連携を両立

外部ブラウザで開かせる場合と比べてエラーが発生しづらく、スムーズな顧客体験を作りやすい

LINEを通じて会員証やモバイルオーダーなどのサービスを提供する際、LIFFを使わず外部ブラウザで自社サイトを開かせる実装ももちろん可能です。ですが、外部ブラウザで開く場合、ブラウザ遷移に起因する問題が起こりえます。この問題を解消し、よりスムーズな顧客体験を提供する目的においてもLIFFアプリ・LINEミニアプリは採用されています。

NOSE SHOPでは、2022年2月からLINEログインを利用した店頭・ECでの会員登録促進を行っていました。この方法でも最短30秒で会員証発行・LINE公式アカウントへの友だち追加・LINEのID連携が完了するものの、ブラウザ遷移やお客様のスマートフォンの設定などを起因とするエラーが、全体の10%ほど発生してしまっている状況でした。

一方、LINEミニアプリは全ての動作がLINEアプリ上で完結するため、ブラウザ遷移などエラー要因となる動作がありません。よりスムーズに会員証を発行・提示できるようになり、店舗スタッフの対応時間も減少しました

引用元:LINEミニアプリ化で、店頭での会員証発行・提示コストを削減!香水専門店「NOSE SHOP」にCRM PLUS on LINEが導入

LINE公式アカウントをライト層との接点獲得目的で活用する場合、登録のスムーズさは極めて重要です。「利用ハードルを徹底的に下げたい」のであれば、外部ブラウザではなくLINEミニアプリまたはLIFFアプリの採用がおすすめです。

◆その他参考事例:スターバックスのモバイルオーダー
(参照:LINEはライト層に向けた体験の入り口、スターバックスのネイティブアプリ×LINEミニアプリ活用とは | Markezine

【本題】LIFFアプリとLINEミニアプリの違い

前置きが長くなりましたが、LIFFアプリとLINEミニアプリの違いを下記3つの観点から解説していきます。

  1. 画面遷移
  2. 導入手順
  3. メッセージ配信

画面遷移

LINEアプリ上で会員証を表示させたい場合を例に、LIFFアプリとLINEミニアプリでの画面遷移の違いを紹介します。

▼LIFFアプリでの会員証発行フロー

LIFFアプリでの会員証発行フロー

▼LINEミニアプリでの会員証発行フロー

LINEミニアプリでの会員証発行フロー

「LINEミニアプリへの同意画面(上記画像 緑枠内)が入るかどうか」が違いです。

ただし、他のLINEミニアプリを利用した際に同意済みの場合は、LINEミニアプリの認可画面(緑枠内)をスキップ可能のため、ユーザーから見た画面遷移の違いはなくなります

導入手順

LIFFアプリをリリースする際には特に審査などは必要ないため、企業側で開発やテストが完了次第、任意のタイミングでリリースできます。

一方、LINEミニアプリをリリースする際には、LINEヤフー社の認定代理店経由での申請および審査通過が必要です。

LINEミニアプリの審査について | LINE for Developers

メッセージ配信

メッセージ配信面で、LIFFアプリとLINEミニアプリの間で差があるのは、「サービスメッセージ」の利用可否です。

◆サービスメッセージとは?

サービスメッセージは、LINEミニアプリでのみ利用できる無料のメッセージです。

LINEミニアプリの審査が通ると、レストランや宿泊施設の予約確認通知など、一定の条件を満たす「サービスメッセージ」を「LINEミニアプリ お知らせトークルーム(LINEミニアプリを提供する企業が利用できる 共通のトークルーム)」に送信できるようになります。

「LINEミニアプリお知らせトークルーム」での表示イメージ
「LINEミニアプリ お知らせトークルーム」での表示イメージ

LINEミニアプリを利用しているサービスの通知が、このトークルーム上でまとめて表示される

飲食店の順番待ちや美容院・クリニックの来店予約など、ユーザーへの通知もセットで行いたい場合には、LINEミニアプリを採用することで無料のサービスメッセージを利用でき、配信費用を削減できます。

◆LINEミニアプリ サービスメッセージの活用例

▼あきんど スシロー | 受付完了通知・お呼び出しリマインド通知・チェックイン通知

LINEミニアプリ サービスメッセージのイメージ
参考:大手外食チェーン初!「LINEミニアプリ」にスシローが登場!LINEアプリからスシローの来店受付・予約が可能に!お得な特典がもらえるスシローの「まいどポイント」も貯まります!

サービスメッセージで送れるメッセージの規約については、下記ページをご参照ください。
サービスメッセージの条件 | LINE Developers

LIFFアプリ・LINEミニアプリを採用する際の留意点

最後に、LIFFアプリまたはLINEミニアプリを採用する際に知っておきたい留意点を2つご紹介します。

  1. 一般的なブラウザとはCookieが異なるため、トラッキングや計測面で不正確になりがちで、エラーが起こった時に調査が難しいケースもある
  2. LINEミニアプリの場合、LINEヤフー社の認定代理店経由での申請が必要

一般的なブラウザとはCookieが異なるため、トラッキングや計測面で不正確になりがち

LIFFアプリまたはLINEミニアプリは、「LIFFブラウザ(LINEアプリ内で動作する LIFFアプリ専用のブラウザ)」で動作するよう実装します。

ブラウザが一般的なブラウザ(Safari・Chromeなど)とは異なるため、トラッキングや計測面で正確なデータが取れないことがあります。それゆえ、何かエラーが起きた際に正確な調査が難しいケースもあります。

ユーザビリティや実装の簡単さの面では「LIFFアプリまたはLINEミニアプリ」での実装がおすすめではありますが、トラッキング・計測面での正確さを重視したい場合は、Webブラウザで開く実装を行い、Google Anaryticsで計測する方が安全です。

LINEミニアプリの場合、LINEヤフー社の認定代理店経由での申請が必要

既に本文中でも紹介していますが、LINEミニアプリを採用する場合は「LINEヤフー社の認定代理店経由での申請および審査通過」が必要です。代理店の選定や、LINEヤフー社の審査にかかる時間も加味したスケジュールを設定しましょう。

さいごに

弊社ソーシャルPLUSはLINEヤフー社の認定代理店にも認定されているため、LINEミニアプリの申請手続きも実施可能です。

LINEミニアプリに限らず、様々な状況やニーズに合わせたLINE会員証施策の導入をサポートしておりますので、お困りの際はぜひお気軽にご相談くださいませ!

▼お問い合わせフォーム
https://www.socialplus.jp/inquiry

株式会社ソーシャルPLUS マーケティングチーム
LINE連携Shopifyアプリ「CRM PLUS on LINE」の広報・マーケティングを中心に幅広く担当。

大西 真央をフォローする
LINE会員証LINE公式アカウント
タイトルとURLをコピーしました