
LINE公式アカウントの「チャット」は、友だちと1対1でコミュニケーションを取れる機能です。双方向のやり取りができることに加えて、チャットの送受信が通数課金の対象にならない点からも注目されています。
本記事では、LINEチャットの基本的な仕組みやLINE公式アカウントのメッセージ配信との違い、設定方法、活用事例をわかりやすくご紹介します。
LINEチャットとは
LINEチャットとは、企業や店舗が運営するLINE公式アカウントと、ユーザーが1対1でメッセージをやり取りできる機能です。LINE公式アカウントの機能の一つで、LINE公式アカウントを開設していれば誰でも活用できます。

普段利用しているLINEと同じような感覚でコミュニケーションを取れるため、商品・サービスに関する問い合わせ対応や、予約受付、購入後のサポートなどに利用されています。
<LINEチャット活用シーン>
- 購入検討中のユーザー:
ユーザーの質問や懸念点への回答。ご希望にあわせてお勧め商品や、決済方法や発送に関する情報、使い方の情報をご案内し、購入への不安を解消 - 商品購入後のユーザー:
購入後の商品・サービスに関して疑問点の回答や、利用上のサポートで顧客満足度を向上
LINEチャットとメッセージ配信の違い
LINE公式アカウントには、大きく分けて「メッセージ配信」と「LINEチャット」という2つのコミュニケーション方法があります。
LINEチャットは、企業から複数の友だちへ一斉に情報を届けるメッセージ配信とは異なり、ユーザーから届いた質問や相談に対して、担当者が個別に返信できます。
| メッセージ配信 | LINEチャット | |
|---|---|---|
| 主な目的 | キャンペーンや新商品などの情報発信 | 問い合わせ・相談への個別対応 |
| 配信対象 | 複数の友だち、または条件で絞り込んだ友だち | 特定のユーザー |
| コミュニケーション | 企業からユーザーへの発信が中心 | 双方向のやり取り |
| 主な活用例 | セール告知、クーポン配信、新商品案内 | 商品相談、予約受付、購入後のサポート |
| メッセージ通数 | 原則として課金対象 | 送受信ともに課金対象外 |
LINEチャットの基本機能
LINEチャットには、問い合わせ対応や顧客管理を支援するさまざまな機能が用意されています。
- 1対1でのチャット
- 画像やファイルの送受信
- スタンプやクーポンの送信
- 定型文による返信
- タグ・ノートによる顧客管理
- 応答時間の設定
- LINEコールへの切り替え
- 複数人での管理・対応
1対1でのチャット
友だちから届いたメッセージに対して、企業や店舗の担当者が個別に返信できます。商品に関する質問、予約受付、購入後のサポートなど、ユーザーの状況に応じた対応が可能です。
通常は、友だちからLINE公式アカウントへメッセージが送られることでチャットが始まります。一方、日本国内の認証済アカウントでは、友だち追加したユーザーが「連絡先」に表示され、企業や店舗側からチャットを開始することもできます。
例えば、予約内容の確認や変更、来店後の資料送付など、ユーザーにとって重要な情報を個別連絡に活用できます。ただし、広告・宣伝を目的とした一方的な商品紹介やキャンペーン案内には利用できない点に注意しましょう。
画像やファイルの送受信
テキストだけでなく、画像や動画、PDFなどのファイルも送受信できます。
商品の状態を写真で確認したり、見積書や案内資料を送ったりできるため、文章だけでは伝わりにくい内容もスムーズに共有できます。
スタンプやクーポンの送信
通常のLINEと同じように、絵文字やスタンプを使ったやり取りができます。LINE公式アカウントで作成したクーポンをチャット上で個別に案内することも可能です。
定型文による返信
よく使う文章を定型文として登録し、チャットで呼び出せます。
営業時間や予約方法、返品手続きなど、同じ内容を繰り返し案内する場合に活用すると、対応時間の短縮や返信内容の統一につながります。
タグ・ノートによる顧客管理
チャットをしたユーザーには、「予約済み」「初来店」などのタグを付けられます。

タグを活用すれば、対応状況を整理できるほか、特定のタグが付いたユーザーを対象とする絞り込み配信にもつなげられます。また、担当者向けのメモをノートとして残すことも可能です。
応答時間の設定
営業時間中は手動のチャット対応を行い、それ以外の時間は応答メッセージを利用することも可能です。
設定はLINE Official Account Managerの[チャット設定]>[応答時間]で行います。

チャットの応答時間外には、トーク画面上部にその旨表示されます。
自動で応答できる応答メッセージを活用することで、無理のないチャット運用が可能になります。

LINEコールへの切り替え
テキストだけでは解決が難しい場合、ユーザーへLINEコールの通話リクエストを送信できます。詳しい説明や緊急性の高い問い合わせなど、内容に応じてチャットから通話へ切り替えられます。

LINEチャットの利用料金
LINEチャットの送受信には、1通ごとの料金はかかりません。通常のメッセージ配信とは異なり、チャットでやり取りしたメッセージは、LINE公式アカウントのメッセージ通数にカウントされないためです。
また、チャット履歴の長期保存やタグ・ノートの管理数拡張など、より高度な機能を利用したい場合は、有料の「チャットProオプション」も用意されています。料金は月額3,000円(税別)です。

※1 LINE公式アカウントの月額プラン(ライトプラン、スタンダードプラン)とは異なる料金体系のオプションです。
※2 チャット履歴は2024年1月1日以降、最大5年間閲覧可能となります。テキストメッセージ、画像やビデオなどのコンテンツメッセージ、およびファイルの保存期間が対象です。なおグループ・複数人トークのチャットルームの画像やビデオなどのコンテンツメッセージは2週間、ファイルは1週間の保存期間になります。また、「チャットProオプション」を解約された場合でも、再度ご購入になれば最大5年間のチャット履歴が閲覧可能です。
引用元:【公式】LINE公式アカウントのLINEチャット|機能や活用ポイントを紹介
LINEチャットのメリットと注意したいポイント
顧客満足度向上で購入やリピート利用につながる
ユーザーが日常的に使っているLINEアプリのトーク機能で、時間や場所に関わらず、必要な時に気軽に問い合わせができます。
サポート窓口への電話がなかなか繋がらないといったユーザーのストレスをなくし、必要な時にすぐにサポートを受けることができます。
また、画像も送信できるため、テキストだけでは伝えることが難しい場合でも、適切なコミュニケーションがとれます。
さらにWebブラウザを利用したチャットと異なり、トーク画面に履歴が残るため、セッション切れによりチャットが途中で途切れてしまった…ということもありません。
ユーザーの状況に合わせたきめ細やかな有人対応をすることで顧客満足度向上につながります。
業務の効率化
チャットの履歴から問い合わせ内容が確認できるため、聞き間違えなどのトラブルを回避できます。また、即時対応が難しい場合でも、自動応答メッセージで一時返信をおこない、後から対応できるため、業務効率化にもつながります。
注意したいポイント
すでにメールなどでのサポートを行っている場合、対応すべきチャネルがメール、LINEチャットと複数をまたぐことになります。対応の負荷に加え、サポートメンバーの学習コストも増えることが予想されます。
また、友だち数が多いLINE公式アカウントの場合、対応負荷が大きく運用が難しい場合もあります。
ユーザー心理としてLINEでの質問回答はメールなどと比較して早い返信を期待される傾向もあるため、LINE公式アカウントのチャット運用にあたっては受付時間の制限や複数人での対応などサポート体制について十分に検討する必要があります。
チャット機能の活用例
いくつか活用事例を紹介します。
来店前のカウンセリングや顧客管理にLINEチャットを活用
東京・表参道の美容室「Number76 Tokyo」では、来店前のカウンセリングを中心にLINEチャットを活用。同店は外国人客が全体の約8割を占めており、日本人・外国人を問わず、来店前からスムーズにコミュニケーションを取るための手段としてLINEチャットを取り入れています。
ユーザーから現在の髪の状態や希望するヘアスタイルの画像を送ってもらい、必要な施術や料金を事前に案内。来店前に認識を合わせることで、当日の施術をスムーズにし、仕上がりや料金に関するトラブルの防止につなげています。

カウンセリング内容はノート機能に記録し、簡易的な顧客カルテとして管理しています。また、遅刻などの連絡受付や、担当スタイリスト別のタグ管理にもLINEチャットを活用しています。
撮影の相談から素材の受け渡しまでLINEチャットを活用
撮影サービス「パーティーフォト」では、撮影の依頼や料金の見積もり、当日のスケジュール調整など、ユーザーとのやり取りにLINEチャットを活用しています。
スマートフォンに保存されている写真や動画をそのまま送れるため、結婚式用のプロフィール動画を制作する際の素材共有にも活用されています。

ユーザーが使い慣れたLINEで気軽に相談できることから、取材時点では問い合わせの約7割がLINE経由となっており、利便性と満足度の向上につながっています。
「チャットタグオーディエンス」の活用でLINE公式アカウントから絞り込み配信も可能

LINEチャットでは、チャット対応したユーザーに対して任意のタグを付与することができます。
「タグ」は顧客管理に活用できるだけでなく、タグ付けをしたユーザーを対象にオーディエンスを作成してLINE公式アカウントの絞り込み配信を行うことができます。(チャットタグオーディエンス)
(この配信は課金対象となります)

例えば、6月に来店いただいた方にタグをつけておき、7月にLINE公式アカウントのメッセージ配信で新しいキャンペーン情報をお伝えするといったことも可能です。
チャット機能の設定方法
LINE Official Account Managerのメニューバー「チャット」を押下するとチャットの画面に遷移します。チャット未設定の場合は画像のようなポップアップがでて設定画面に遷移することができます。


設定については「チャット」「あいさつメッセージ」「Webhook」「応答メッセージ」の4つを一括で設定できます。
チャットを利用する場合はまずこのチャットの部分をonにしてください。
その他「あいさつメッセージ」「Webhook」「応答メッセージ」に関する詳細は下記の記事をご覧ください。
まとめ
LINE公式アカウントのチャット機能は、企業がユーザーと直接コミュニケーションを取るための非常に効果的なツールです。顧客サポートの向上、即時性の確保、パーソナライズされた情報の提供、リアルタイムのフィードバックなど、多岐にわたる利点があります。これらを最大限に活用すれば、企業は顧客エンゲージメントを高め、ビジネス成果を向上させることが可能になります。
LINE公式アカウントのチャット機能の活用を検討してみてはいかがでしょうか。






