「LINEの友だち追加やID連携を行っているお客様とそうでないお客様がいる中で、どのようにLINEとメールを使い分けていけばよいでしょうか」というご相談をよく頂きます。
本記事では、「Shopify Flow」もしくは「Shopifyの自動化(オートメーション機能)」を活用し、LINE連携をしているお客様にはLINEを、LINE連携をしていないお客様にはメールを送信するワークフローを組む方法を紹介します。
*2024年6月19日のアップデートにより、「Shopifyの自動化(オートメーション機能)」はShopify Flow内に統合され、Shopify Flowでワークフローを作成・編集する形になりました。引き続き「Shopifyの自動化(オートメーション機能)」からも利用可能です。
▼Shopify Changelog
https://changelog.shopify.com/posts/import-export-and-duplicate-marketing-automations-with-flow
本記事内にて、設定箇所として「Shopifyの自動化(オートメーション機能)」を指定している箇所がありますが、こちらは Shopify Flowおよび「Shopifyの自動化(オートメーション機能)」、どちらでも設定できる状況です(2024年6月19日現在)。
配信設定に使うアプリと前提
メールとLINEの配信出し分け方法を解説する前に、まずは使用するアプリをご紹介します。
①LINEのID連携をしているお客様へ、LINEのメッセージを配信する場合
- LINE連携Shopifyアプリ「CRM PLUS on LINE」:Freeプラン〜
- ワークフローの自動化アプリ「Shopify Flow」:無料 Shopifyベーシック以上で利用可能
Shopify Flowを使用して対象のユーザーへLINEを送信するには、LINEのID連携がされていること(ユーザーがLINEアカウントとShopifyのアカウントを紐づけた状態)が必須条件です。
ID連携の促進方法については下記記事をご覧ください。
②LINEのID連携をしていないお客様へ、メールを配信する場合(Shopify Flowに対応したメールアプリを利用)
- ワークフローの自動化アプリ「Shopify Flow」:無料 Shopifyベーシック以上で利用可能
- Klaviyo: Email Marketing & SMS:Freeプラン〜(最大500件の連絡先にメール配信、最大150件のSMS/MMS送信が可能)
- Omnisend Email Marketing & SMS:Freeプラン〜(最大250件の連絡先にメール配信)
Shopify Flowを使用して対象のユーザーへメール送信するには、メール配信アプリがShopify Flowに対応していることが必須条件です。
メール配信に利用したいアプリのShopifyアプリストアを確認し、「連携対象システム・アプリ」欄に「Shopify Flow」の記載があるかを確認してみてください。例えば、「Klaviyo」や「Omnisend」はShopify Flowに対応しています。
③LINEのID連携をしていない顧客へ、メールを配信する場合(Shopify Emailの自動化を利用)
- Shopify公式アプリ「Shopify メール」:毎月10,000通まで無料でメールを送信、それ以降は、1,000通/月につき1米ドルからで利用可能
Shopify Flowに対応したメールアプリを利用しない場合には、Shopifyベーシックプランから利用できる上記の公式メールアプリがおすすめです。
LINEとメールの送り分けを、Shopify Flowに対応したメールアプリで行う方法
まずはShopify Flowに対応したメールアプリ(Klaviyoなど)を使う方法の解説です。
「特定の商品を購入してくれた顧客にLINEを送る」記事でのユースケースを例にとって、「①商品登録でSKUを使用している場合」にLINE連携者とLINE未連携者へ配信を出し分ける設定を行っていきます。
前提
- 特定の商品を購入した顧客へ、メールとLINEでアプローチしたい
- 商品登録でSKUを使用している
- LINE連携済みの顧客へは「CRM PLUS on LINE」を使ってLINE配信
- LINE連携がまだの顧客には「Klaviyo」を使用してメール配信
- 「Klaviyo」以外でもShopify Flowに対応しているアプリであれば、同様の考え方で設定可能
ワークフローの完成イメージ
トリガーの設定
「Order created(商品購入時)」を選択します。
条件の設定
◆条件1
「SKUが『2023AW-001YE-SS』と一致している」という条件
※SKUの名称(2023AW-001YE-SS)は一例です。
◆条件2
さらに「顧客タグに『line』タグ*¹がある」という条件と一致しているかどうかを設定し、条件を満たした場合はLINE配信へ、満たさなかった場合にはメール配信という分岐を設定します。
*1)CRM PLUS on LINEで設置したLINE連携ボタンからID連携すると、「line」という顧客タグがShopify顧客管理内の該当顧客ひとりひとりに自動付与されます。詳細はこちらの記事を参照してください。
アクションの設定
条件分岐後のアクションを設定していきます。まずは条件に一致した場合のLINE配信アクションからです。上記のワークフロー完成図と見比べながら設定を進めてみてください。
◆LINE配信:アクション1
今回の例では、購入から1週間後にLINE配信を行うよう設定します。「Wait」アクションで1週間を選択します。Wait機能は任意の待機期間を最大90日間まで設定可能です。待機期間のn日後は適宜調整してください。
※2024年6月追記:Waitアクションの最長期間が90日に延長されました。
Waitの仕様について、詳細はShopify公式ページをご参照ください。
◆LINE配信:アクション2
続いて、配信するLINEメッセージの内容を設定していきます。
上記画面(Shopify Flowのアクション編集画面)の「Flex Messageのコンテナ」内を編集すると、LINEで配信するメッセージをカスタマイズできます。具体的なカスタマイズ方法は、下記記事をご参照ください。
▼LINE配信イメージ画像
LINE配信の設定ができたら、次にメール配信の設定も行ってきましょう。
◆メール配信用:アクション1
今回の例では、購入から1週間後にメール配信を行うよう設定します。「Wait」アクションで1週間を選択します。Wait機能は任意の待機期間を合計最大90日間まで設定可能です。待機期間のn日後は適宜調整してください。
◆メール配信用:アクション2
今回は例として、Klaviyoのメール配信アクション設定画面を提示しています。
LINEとメールの送り分けを、Shopify FlowとShopify Emailで行う方法
2章ではShopify Flowに対応したメールアプリ(Klaviyoなど)を使う方法を解説しました。3章では、Shopify FlowとShopify Emailを使う方法を解説します。
2章と同様の事例を例にとって解説します。Shopify EmailアプリはShopify Flowから送信することができないので、Shopifyの自動化(オートメション)機能を利用して配信していきます。
前提
- 特定の商品を購入した顧客へ、メールとLINEでアプローチしたい
- 商品登録でSKUを使用している
- LINE連携済みの顧客へは「CRM PLUS on LINE」を使ってLINE配信
- LINE連携がまだの顧客には「Shopify メール」を使用してメール配信
- LINEとメール配信の設定場所が異なるので、類似したワークフローをLINE用・メール用それぞれ用意して、同時に稼働させる
LINEでのメッセージ配信設定
まずはLINE連携者に向けたLINE配信のワークフローを設定していきます。
ワークフローの完成イメージ(LINE連携者に向け、Shopify FlowからLINE配信)
トリガーの設定
「Order created(商品購入時)」を選択します。
条件の設定
◆条件1
「SKUが『2023AW-001YE-SS』と一致している」という条件
※SKUの名称(2023AW-001YE-SS)は一例です。
◆条件2
さらに「顧客タグに『line』タグ*¹がある」という条件
*1)CRM PLUS on LINEで設置したLINE連携ボタンからID連携すると、「line」という顧客タグがShopify顧客管理内の該当顧客ひとりひとりに自動付与されます。詳細はこちらの記事を参照してください。
アクションの設定
◆LINE配信:アクション1
今回の例では、購入から1週間後にLINE配信を行うよう設定します。「Wait」アクションで1週間を選択します。Wait機能は任意の待機期間を合計最大90日間まで設定可能です。待機期間のn日後は適宜調整してください。
◆LINE配信:アクション2
続いて、配信するLINEメッセージの内容を設定していきます。
メールでのメッセージ配信設定
Shopify Emailの設定
まずはShopify Emailを使ったメール配信の設定を行います。
マーケティング内の「自動化」>「オートメーションを作成する」を選択し、その後「カスタムオートメーションを作成する」を押下しワークフローを作成します。
続いて、Shopify Flowでのワークフローの設定を行っていきます。
ワークフローの完成イメージ(LINE未連携者にメール配信)
トリガーの設定
「Order created(商品購入時)」を選択します。
条件1の設定
「SKUが「2023AW-001YE-SS」と一致するという条件を設定し、条件を満たした場合はメール配信します。
アクション1の設定
今回の例では、購入から1週間後にメール配信を行うよう設定します。待機期間のn日後は適宜調整してください。
条件2の設定
LINE連携している人にはLINEのみで受信されるように、顧客タグに「line」タグがある場合(LINE連携者)にはメールが届かないように制御しています。LINE連携者にもメールで配信したい場合には、条件2を削除することでメール配信も可能です。
アクション2の設定
最後に、配信するメールメッセージの内容をShopify Emailで設定していきます。
Shopify Flow×LINE配信なら「CRM PLUS on LINE」にご相談ください
2023年7月末よりShopify Flowがベーシックプランより利用可能になりました。ほとんどのストアでShopify Flowが利用可能になりましたので、「このようなワークフローは設定できるか」「このLINE配信を自動化したい」などご相談がございましたら、いつでもサポート宛にお声がけください。