
「LINE公式アカウントを作ったけど、一斉配信ばかりで効果が出ない」
「ステップメールのように自動で段階的に配信できないの?」
そんな時に検討したいのが、LINEステップ配信です。
友だち追加やユーザーの行動を起点(トリガー)に、あらかじめ設定したシナリオに沿って段階的に配信できるため、効率的に顧客を育成し、リピートや売上アップにつなげられます。
本記事では、LINEステップ配信の基本から始め方、そして 標準機能・拡張ツール・ID連携という3つの方法の違いを比較し、事例もあわせて紹介します。
※本記事は、以前公開した「LINE公式アカウントでステップ配信をする方法」に最新情報を加えてリライトしたものです。(2025年9月25日更新)
LINEステップ配信とは?
LINEステップ配信とは、友だち追加などのユーザー行動をきっかけに、あらかじめ設定したシナリオに沿って自動でメッセージを配信する仕組みです。
一斉配信に比べて、ユーザーの状態に合わせた情報を段階的に届けられるため、配信業務の効率化だけでなく、ユーザーとの関係構築やリピート購入の促進にもつながります。
例えば、友だち追加をした直後にウェルカムメッセージを配信し、1日後にはサービス案内を送付、5日後にユーザーレビューを紹介、さらに7日後には限定クーポンを配布するといった流れを自動化することが可能です。

LINE Official Account Managerの標準機能
LINE公式アカウントの管理画面(LINE Official Account Manager)には、基本的なステップ配信機能が用意されています。
「友だち追加」「友だち追加経路」「オーディエンス(特定条件に合致するユーザー)」を起点としたステップ配信が可能です。
例えば、
- 友だち追加を起点にした配信:
- 新しく友だち追加したユーザーに、1日後にウェルカムクーポンを配信、3日後に人気商品の紹介を行い、初回購入を促進
- 友だち追加経路を起点にした配信
- 友だち追加広告経由で友だち追加してくれたユーザーに、3日後に「限定クーポン」を配布
- オーディエンスを起点にした配信
- 過去の配信を開封/クリックしたユーザーに、数日後フォローメッセージ → さらに数日後にセール情報を配信
といった配信が可能です。
標準機能は追加費用をかけずにすぐ導入できる点がメリットです。
一方で、機能は非常にシンプルです。
利用できる条件は「友だち追加」「オーディエンス」に限られるため、外部データを使った配信まではカバーできません。※一部オーディエンスを除く

開始条件の友だち追加経路は管理画面上に用意されているもの(検索・ホームタブ・友だち追加アイコン・公式アカウントリスト他)を選択し指定するため、任意の追加経路を設定することはできません。

分岐の条件はみなし属性(性別・年齢・OS・地域)とオーディエンスに限定されています。

そのため、「最初の一歩」や「シンプルな施策」には最適ですが、より柔軟な顧客育成やリピート促進を狙う場合には、このあと紹介するLINE拡張ツール(LINEマーケティングツール)やLINEのID連携を活用したステップ配信が効果的です。
LINE Official Account Managerの応用施策:オーディエンス活用
LINE Official Account Managerの標準機能を活用したステップ配信は、「友だち追加」を起点としたシンプルなシナリオが中心ですが、「オーディエンス」機能を活用することで、簡易的なカゴ落ち配信や購入ユーザーを対象とした応用的なステップ配信も可能です。
ただし、導入にはLINE Tagの設置や手動での細かな設定が必要となります。
カゴ落ち配信
ECサイトで商品をカートに入れたまま購入しなかったユーザーに対して、LINEでリマインドを送る施策です。
「ウェブトラフィックオーディエンス」とステップ配信を組み合わせることで、カゴ落ちユーザーを対象に数日後にクーポンを配信するといったシナリオを構築できます。
LINEメッセージからカートページにはアクセスしたが、サンクスページにはアクセスしていないユーザーにカゴ落ちメッセージを送信する仕組みで実現します。
配信コストの削減・費用対効果を高める
「ページリーチオーディエンス」を使うことで、特定のページを見たユーザーに関連情報やキャンペーン案内を段階的に配信できます。
これを利用して、サンクスページに到達したユーザーにステップ配信を行うことができます。
例えば、お試し商品を購入したユーザーのモチベーションが高いうちに、LINEのメッセージで定期購入のメリットをお伝えし、定期購入数を増やしたいというケースでは、以下のような配信が可能です。
- お試し商品の購入サンクスページに到達した2日後に便利な使い方を記載したページのリンクをリッチメッセージで配信→5日後定期購入のメリットと期間限定キャンペーンのメッセージを配信
LINE拡張ツールの機能を利用したステップ配信
LINE公式アカウントの管理画面だけでもステップ配信は可能ですが、手間をかけず、より柔軟で効果的な配信を行いたい場合には、外部のLINE拡張ツール(LINEマーケティングツール)の活用がおすすめです。
多くのLINE拡張ツールは、LINE公式アカウントの標準機能だけでは実現できない多様なトリガー・自動化機能を備えています。
さらに、ステップ配信以外の機能(アンケート機能、タグ付与、リッチメニュー切り替えなど)と組み合わせることで、よりパーソナライズ性の高いシナリオ設計が可能になります。
Message Managerでできるステップ配信活用例
ソーシャルPLUSが開発・提供する Message Manager なら、LINE公式アカウントの標準機能では実現できない “成果につながるステップ配信” を構築できます。
例えば、アンケート回答など具体的な行動をトリガーにして、回答内容に応じた配信ができるため、ユーザーの関心や購買意欲に応じたフォローが可能です。
また、任意の友だち追加経路を条件に設定できるため、特定のオフラインイベントで獲得した友だちに限定してステップ配信を行うことも可能です。

【Message Managerでできるステップ配信施策例】
- EC
- Web経由の友だち追加ユーザー
- 離脱時ポップアップで友だち追加したユーザーに、数日後にフォローメッセージ → さらにクーポン配布で初回購入を促進
- 店舗やオフラインイベント経由の友だち追加ユーザー
- 店舗やオフラインイベントで友だち追加したユーザーに、3日後に「限定クーポン」を配布
- アンケート回答を活用したプロモーション
- 「欲しい商品カテゴリ」を回答したユーザーに対して、数日後にそのカテゴリの商品紹介メッセージを自動配信
- Web経由の友だち追加ユーザー
- 人材サービス
- イベント・セミナー参加者のフォロー
- オフラインイベントでQRコードから友だち追加したユーザーに、翌日フォロー資料を配信 → 数日後に関連イベントを案内。
- アンケートを活用したフォローアップ
- 登録時アンケートで「希望職種」を選んだユーザーに対して、その職種に関連する求人情報や記事を段階的に配信。
- イベント・セミナー参加者のフォロー
- 定期購買・サブスクリプションサービス
- ウェルカムシナリオ
- 「トライアル申込」キャンペーン経由で友だち追加したユーザーに対して、翌日に使い方動画 → 数日後に継続利用のメリットを案内。
- ウェルカムシナリオ
このように、LINE拡張ツールを導入すると、LINE公式アカウント管理画面でできるシンプルなステップ配信から一歩進み、手間をかけずに行動起点型の配信やパーソナライズ施策が実現できるため、CVRの向上やリピート促進など “実際の成果” につながります。
拡張ツールは行動起点の配信や柔軟なシナリオ設計が可能な点がメリットです。一方で、外部ツールの導入コストがかかり、導入するツールによって機能差もあるためツール選定が重要です。
月額3万円〜簡単に導入!Message Managerならアンケートによるユーザー情報の取得・蓄積、柔軟なセグメント配信、ステップ配信、リッチメニューの出しわけやタブ化など、LINE公式アカウントの標準機能だけでは実現できない様々な機能を開発不要でご利用いただけます。
Message Managerの詳細はこちら
https://www.socialplus.jp/message-manager
また、Shopifyをご利用の場合、LINE連携Shopifyアプリ「CRM PLUS on LINE」では、商品発送・ID連携をトリガーにしたステップ配信機能を標準機能として提供しています。インストールベースでご利用いただけるので、是非、お試しください。
LINE連携Shopifyアプリ「CRM PLUS on LINE」の詳細はこちら
https://crmplus.socialplus.jp
LINEのID連携+MAで自社DBと連携したステップ配信
自社の顧客データを活用した高度なパーソナライズ配信を行うにはLINEのID連携(LINEアカウント連携)を活用したステップ配信がおすすめです。
LINEのID連携によってLINEアカウントと会員IDを紐づけることで、購入・会員登録・予約・利用履歴など自社のデータをLINE上でも活用できるようになります。
ただし、ID連携はあくまで「データをつなぐ仕組み」 であり、そのデータを活用してステップ配信を行うには、MAツールなどの配信システム(配信基盤) が必要です。
配信例
- ECサイト
- 商品購入数日後に「使い方ガイドやFAQ」 → 1週間後に「レビュー依頼」 → 1か月後に「関連商品のおすすめ」
- 人材サービス
- 会員登録から数日後に応募促進メッセージ → 面談予約がないユーザーにはフォロー配信
- 会員制サービス(例:サブスク、定期購買)
- 登録直後にウェルカムメッセージ → 7日後に人気コンテンツ案内 → 30日後に継続利用特典を紹介
ID連携+自社DB連携は、顧客データを活用してCRM施策まで踏み込みたい企業向けの方法です。
一方で、LINEのID連携を行うしくみや、MAなど配信の仕組みを導入するためのツール導入や開発が必要となるため、導入ハードルは高くなります。
ソーシャルPLUSでは、LINEログインによる会員登録・ログインフローの中で友だち追加・ID連携が完了する仕組みを提供しています。
LINEのID連携をベースに、顧客・購買データに応じたCRM活用はお気軽にご相談ください。
事例:スキンキュア・ラボ)LINE公式アカウントのステップ配信で成約率が3倍に
株式会社スキンキュア・ラボ様はID連携済のお客様に対して、商品の発送をトリガーにステップ配信を行っています。
発送を起点に経過日数によって変化するニーズにあわせたシナリオ設計で、LINE経由の成約率が3倍にまで成長しました。
- 商品購入後のステップ配信
- お試しセットをご購入後のステップ配信
- ID連携かつ未購入ユーザーに対してのステップ配信
ID連携済のお客様であれば、オンラインショップでの行動履歴をもとにセグメント配信ができます。具体的には、MAツールを利用してステップ配信を行っています。
LINE専任がいない運営体制でも、最初に配信のシナリオを組んでしまえば、自動配信され>るので、後は必要な時に調整するだけで運用できています。
購入起点のLINEステップ配信で成約数は3倍に。紙媒体からデジタルへの移行を実現したユーザーに寄り添うLINE公式アカウント活用法
ステップ配信の導入方法を比較(標準機能・拡張ツール・ID連携)
ここまで紹介した3つの方法はそれぞれ特長や向いているケースが異なります。最後にこれまで紹介したステップ配信を行う3つの方法について、比較表を用意しました。自社の目的や運用体制にあわせて、最適な方法を選びましょう。

まとめ
LINEステップ配信は、友だち追加などの行動をきっかけに段階的にメッセージを届けられる仕組みで、顧客育成やリピート促進に効果的です。
自社の運用体制や目的に合わせて、「標準機能でまずは体験」→「LINE拡張ツールで本格運用」→「LINEのID連携でCRM施策へ」というステップアップを検討すると無理なく導入できます。
本記事で紹介したような施策を「自社に合わせてどう取り入れられるか」を知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
お問合せはこちら:https://www.socialplus.jp/inquiry