LINE公式アカウントで行う施策の定番の一つに、クーポン施策があります。
LINE公式アカウントには標準機能としてクーポン機能が提供されており、友だち追加促進をはじめ、店舗や企業サイトへの集客、初回購入やリピートの促進など、様々な目的で有効活用できます。
本記事ではクーポン施策をご検討中の方に向けて、LINE公式アカウントのクーポン機能の特徴やメリットをご紹介すると共に、主な活用シーンや活用時の注意点、目的別の効果的な施策例をまとめて解説します。
LINE公式アカウントのクーポン機能とは?
LINE公式アカウントの「クーポン」とは、LINEを通じて配布できる電子クーポンを作成する機能です。
作成したクーポンは、通常のメッセージはもちろん、あいさつメッセージや応答メッセージ、リッチメニュー、LINE VOOMなどで配信・投稿ができます。
クーポンの獲得には友だち追加が必要なので、友だち限定のインセンティブとして訴求し、友だち追加や来店・購入などのアクションを促すことができます。
LINEのクーポン機能は紙のクーポンと同じような使い方で、店舗でクーポン画面を提示したりクーポンのQRコードを読み取ることで利用できます。
クーポンコードを表示する設定もできるので、店舗のみならずECサイトやオンラインサービスのユーザーにもWebサイト上でクーポンコードを入力してクーポンを利用してもらうことができます。
紙のクーポンと異なる点としては、LINEを通じて友だちにクーポンを配布し、来店促進や集客ができることに加え、クーポン獲得をきっかけに友だち追加してもらうことでLINE公式アカウントのメッセージ配信対象を増やすことができるという点です。
店舗とオンラインを問わずLINEでユーザーにアプローチができるので、店舗利用顧客向けにECサイトなどオンライン利用を促進するとメッセージを配信する、といった施策も可能になります。
クーポン機能の特徴・メリット
LINE公式アカウントの管理画面から無料で簡単に設定できる
クーポン機能は、LINE公式アカウントの標準機能で、管理画面から簡単に設定できます。
別途ツールを利用したり追加費用をかけることなく、手軽にクーポン施策を試すことができます。
これまで紙のクーポンを利用していた場合も、LINE公式アカウントのクーポン機能に切り替えることで、コスト削減にも繋がります。
友だち追加を効果的に促せる
ユーザーがクーポンを獲得する際は、友だち追加(またはブロック解除)が必須となっているため、クーポンは友だち追加やブロック解除を促す手段としても有効です。
ブロックした状態でクーポンを獲得しようとすると左側画像の表示となり、「獲得する」ボタンを押下すると友だち追加が行われます。
クーポンの獲得から友だち追加までのフローもシンプルでわかりやすいので、ユーザーを迷わせることなく、自然に友だち追加が完了できます。
クーポンの配信をきっかけに、購入・サービス利用意欲の高いユーザーの友だち追加を促しやすくなったので、より有効活用していきたいところです。
参考:【仕様変更】「クーポン」の保存機能の変更について|LINE Official Account Manager
トークリストに「クーポンが届きました」の通知が表示
2024年6月のアップデートにより、クーポンをLINE公式アカウントで友だちに送った際、トークリストに「クーポンが届きました」の通知が表示されるようになりました。
ユーザーは日常的にLINEアプリをチェックする中で、クーポンを配信しているLINE公式アカウントをすぐに見つけることができ、クーポンのもらい忘れ、期限切れを防止できるようになります。
また事業者にとっては、クーポンの通知が見えやすくなることでメッセージを開封してもらいやすくなり、開封率やクーポンの利用率向上につながるというメリットもあります。
なおクーポンURLをテキスト形式で送った場合は表示がでないので注意が必要です。
参考:【機能追加】「クーポン」のトークリストへの表示について|LINE Official Account
「友だち紹介クーポン」機能で、ユーザー間のクーポン拡散、友だち追加を促進
2024年8月のアップデートにより、「友だち紹介クーポン」機能が追加されました。
「友だち紹介クーポン」は、LINE公式アカウントと既に友だちになっているユーザーが、クーポンの紹介ページを他のユーザーにシェアし、紹介されたユーザーが対象アカウントを友だち追加すると、「紹介した人」と「紹介された人」の両方が獲得できるクーポンです。
ユーザー間でLINE公式アカウントとクーポンを拡散させ、より効率的にサービスの認知や友だち追加を促進できます。
幅広い業界での友だち追加施策として活用可能ですが、特に美容サロンや塾、ジムなど友達からの紹介が利用のモチベーションになる商品・サービスには特に相性が良い機能です。
参考:【機能追加】「友だち紹介クーポン」について|LINE Official Account Manager
LINEサービスへの掲載で新規ユーザー向けの認知も可能
管理画面の設定で「LINEサービスへの掲載」の項目を「掲載する」にすると、LINE公式アカウントの一覧ページやLINEクーポンなど、LINEの関連サービスにクーポンが表示できるようになります(※)。
自社サービスや店舗を利用している顧客以外のユーザーにも、クーポンをきっかけに友だち追加していただくきっかけとなるので、新規顧客との接点を増やしたい場合はぜひ有効活用したいですね。
※LINEの関連サービスへの表示は、「認証済アカウント」が対象となります。
※有効期限内のクーポンのみ掲載されます。
※抽選機能を使用しているクーポンは掲載されません(プロフィールページを除く)。
分析機能でクーポン施策の効果検証ができる
配信したクーポンの使用回数や利用経路は、LINE公式アカウント管理画面の分析機能で確認できます。
クーポン施策の効果検証を行い、より効果の高いクーポン施策のパターンを見つけながら施策の改善を進めていくことができます。
LINEのクーポン機能の主な活用シーンや、利用時の注意点
デジタルクーポン施策を低コストで手軽に始めたい場合におすすめ
LINE公式アカウントのクーポン機能は、LINE公式アカウント上でクーポンの発行から管理、分析までが完結できるというシンプルさがメリットです。
店舗やサービスを利用する顧客に向けて簡易的にクーポン施策を取り入れたい場合は、導入コストも最小限に抑えられるので試しやすい機能です。
具体的には、
- これまでにクーポン施策をやったことがなく、低コストで手軽に始めてみたい
- 従来は紙のクーポンを配布していたが、デジタルクーポンに置き換えたい
という時に使いやすい機能と言えます。
POSシステムやECサイト等の外部データと連携できない点に注意
LINE公式アカウントのクーポン機能は、POSシステムやECサイトなどの外部データとの直接的な連携ができません。
LINE公式アカウントのクーポン使用状況のデータをPOSシステムやECサイトと連動して管理したい場合は、LINE公式アカウント管理画面上のクーポン使用回数とPOSシステムやECサイト側のクーポンによる割引・値下げ等の適用状況を照らし合わせるなど、オペレーションに工夫が必要です。
また、クーポンを配布する際に、
- クーポン利用可能となる対象商品や会計金額、クーポンの併用可否など、適用条件を細かく設定・管理したい
- 会員・顧客ランクに応じてクーポンを出し分けたい
といった活用を想定し、実際の集客・売上効果と利益率を分析しながら効率的な運用をしたい場合は、POSシステムやECサイト側に搭載されているクーポン機能を活用する方が適しているケースもあります。
自社のクーポン施策の主目的や実現可能なオペレーションを考慮して、適切なクーポンの配信方法を検討することをおすすめします。
クーポンではどんな特典を設けると良い?目的別の施策例
クーポン配布をきっかけに達成した目標・目的は何なのか。それに応じて適切な特典と導線を設定することが大切です。
ここからは、目的ごとに効果的なクーポンの特典例や配信方法をご紹介します。
新規ユーザーの初回購入・利用を促進
初回の購入・利用を試しやすいクーポンを用意します。
- 飲食店の場合:対象商品の無料クーポン(例:ランチタイムのドリンク1杯無料クーポン)
- 小売りの場合:お会計価格から値引き・割引きクーポン
など、お会計時にその場で手軽に使える初回限定特典が有効です。
新規ユーザーにクーポンの存在を認知していただくために、以下の方法でクーポンを告知して利用を促しましょう。
- チラシやDMにクーポンQRコードを掲載
- あいさつメッセージでクーポンを配信
- クーポンをLINEサービスに掲載
リピート促進
「また利用・購入しよう!」と思っていただけるきっかけを作ることがポイントです。
- 店舗でのお会計時やECサイトの購入完了ページ上で、次回の購入で利用できるクーポンを配布
- レジ横にクーポンQRコードを掲示し、スタッフによる声がけで次回利用できるクーポンを案内
- 友だち限定の割引クーポンを定期的に配信する
- 誕生月クーポンを毎年配信する
など、実際に購入・利用した直後の温度感の高いタイミングでの案内や、定期的なメッセージ配信によるアプローチを心がけましょう。
新商品・イベントの認知
新商品の認知度アップを目的とする場合は、初めての商品を購入・利用するユーザーの心理的なハードルを下げることを意識しましょう。
- 新商品のサンプルプレゼントクーポン
- お試しセット割引クーポン
など、「無料サンプルならとりあえず使ってみたい」「安く購入できるなら試してみよう」と思っていただけるようなクーポンが有効です。
イベントやキャンペーンの認知を目的とする場合は、抽選機能を活用して、
- 目玉商品・新商品のサンプルが当たるクーポン
- イベント参加でプレゼントが当たる抽選クーポン
など、ゲーム要素を取り入れ楽しみながら認知を広げる施策も有効です。
応用編:クーポン経由の友だちにメッセージを配信して、リピート促進しよう!
クーポン経由の友だちには、クーポン利用や友だち追加のお礼とともに、追加のキャンペーンやセールなどお得な情報を配信してみましょう。
すでにクーポンを使用している友だちに絞られるので、リピートしていただきやすい友だちに効率よく配信でき、メッセージ配信の費用対効果を高められる、というメリットもあります。
具体的には、オーディエンスを活用します。
友だち追加経路オーディエンスを活用して、クーポン経由の友だちを絞ります。
※「クーポン」の経路は2024年2月28日以降に友だち追加したユーザーが対象になります。
https://www.lycbiz.com/jp/manual/OfficialAccountManager/messages-audience/
また、クーポンをきっかけに試しに購入・利用してみたというユーザーに対しては、ステップ配信を組み合わせ、ブランドや商品の特徴や他ユーザーのレビュー、お得・便利な使い方を案内し、追加のクーポンを配信しながら、再度購入・利用したいと思っていただくきっかけを作るのも良いですね。
LINE公式アカウントの管理画面でクーポンを設定する方法
クーポン機能の設定に必要な項目は以下の通りです。
- クーポン名
- 有効期間
- クーポンの画像
- クーポンの利用方法の説明文
- 抽選機能の有無(使用する場合、当選確率と当選者数の上限設定)
- LINEヤフーサービスへの掲載有無
- 使用可能回数の設定(1回のみ、もしくは上限なし)
- クーポンコードの表示有無
- クーポンタイプの設定
- 利用条件の説明
以上の項目の設定が完了すると、実際にLINE公式アカウントを通じてクーポンを配信可能になります。
詳しい手順については、以下の公式マニュアルをご覧ください。
LINE公式アカウント (LINE Official Account Manager) クーポンマニュアル|LINEヤフー for Business
クーポンの設定にあたり、事前にクーポン用の画像を用意する必要がありますが、自社で一から画像を用意するのが難しい場合は、LINEキャンパスにて無料で使用可能なテンプレート画像を活用することも可能です。
無料でもらえるテンプレート画像まとめ – LINEキャンパス
まとめ
今回は、LINE公式アカウントの標準機能であるクーポン機能の特徴や活用シーン、目的別の施策例をご紹介しました。
LINE公式アカウントのクーポン機能は、クーポンの獲得には友だち追加が必須なので、自社商品やサービスの購入・利用意欲が高いユーザーの友だち追加を促し、LINE公式アカウント上で継続的にコミュニケーションが可能になる点が大きな魅力となります。
低コストで導入しやすい機能ですので、デジタルクーポン施策を低コストで手軽に始めたいという時にはぜひ有効活用してみてください!