5年でLINE経由の売上が4倍に!「ひかりTVショッピング」のLINE公式アカウント活用~運用体制・KPI設計・効果的なメッセージ配信とは?

2022年5月25日(水)開催「NTTぷらら&LINEに学ぶ!LINEのID連携活用セミナー”お客様の心をつかむ” メッセージ配信の極意を語ります」のセミナーレポートを前編と後編に分けてお届けします。

本記事(後編)では、「ひかりTVショッピング」を運営するNTTぷららの山﨑様(以下敬称略)と株式会社ソーシャルPLUSの太田によるパネルディスカッション「LINEのID連携を活用したメッセージ配信の極意」をご紹介していきます。

5年でLINE経由の売上が4倍になった「ひかりTVショッピング」ではLINE公式アカウントをどのように活用されているのか?運用体制やKPI設計、セグメント配信など効果的なメッセージ配信活用事例、今後の注力施策などを赤裸々にお話いただきました。

これからLINE公式アカウントをもっと有効活用して売上につなげていきたいとお考えのEC事業者・運用担当者さま必見です。

▼セミナーレポート前編
LINE社が語る!LINE公式アカウント活用のためのID連携とLINEログイン~「NTTぷらら&LINEに学ぶ、”お客様の心をつかむ”メッセージ配信の極意』セミナーレポート前編

「ひかりTVショッピング」のLINE公式アカウントの運用・運用体制について

太田)まずは、「ひかりTVショッピング」のLINE公式アカウントや運用体制についてお聞かせください。

山﨑)NTTぷららが運営する「ひかりTVショッピング」LINE公式アカウントは、2017年9月から運用を開始しています。目的としてはすでにご利用になっているお客様がより便利に利用できるよう、チャットサポートや購入後のアフターフォローなどを行っています。

ひかりTVショッピングのLINE公式アカウント

太田)そうすると、どちらかというと既存会員の利便性を目的としている形ですね。既存会員向けのコミュニケーションという点では、LINEとメルマガの使い分けはどうされていますか?

山﨑)そうですね。私たちはメルマガかLINEか?という考え方ではなく、どちらも活用しています。LINEかメルマガかは、お客さま自身が受け取りやすい方を選択していただくのがいいのかなと思っています。

太田)なるほど。あくまでもお客様の利便性を重視されているのですね。
LINE公式アカウントの社内の運用体制についてもお聞かせください。

山﨑)「ひかりTVショッピング」担当部門は、商品調達チームとマーケティングチーム、倉庫や物流・お客さまサポートを行うチームの3チームに分かれています。LINE公式アカウントの運用に関しては、マーケティングチームだけでなく、商品調達チームと連携して行っています。

例えば、商品を仕入れてそのまま売るということではなく、お客様がどういった商材を欲しているのか、お客様にこんなアプローチができるからこういった商品を調達しようとか、案件ごとにどのチャネルがいいかなどチームで連携して動いています。

太田)なるほど。マーケティングチームだけでなく、マーチャンダイジングチームと連携することで、お客様のニーズにあわせて、商品の仕入れから販促までを効果的に行われているのですね。

LINE経由の売上は5年で4倍に拡大。フェーズごとに変化してきたLINE公式アカウント運用のKPIとは?

太田)ちなみにLINE公式アカウント運用のKPIはどのように設定されていますか?

山﨑)LINE公式アカウント運用のKPIについては、導入当初は友だち数であったり、その後サイトへの流入数だったりと、成長とともにKPIを変えています

現在は友だち数も約50万人となり、「ひかりTVショッピング」のアクティブなお客さまにみてもらえる媒体に成長してきたこともあり、主に売上をKPIにしています

その結果、LINE経由の売上も約5年で約4倍に成長することができました。

運用にあたっては、お客様に対してどういったアカウントなのかといったLINE公式アカウントの位置づけを明確にすることを大事にしています。

ひかりTVショッピングのLINE公式アカウント:LINE経由の売上拡大

ID連携に着目したきっかけは、 ”読まれない公式アカウント”化を防ぐため

太田)セグメント配信や顧客別のメッセージ配信なども行ってらっしゃるかと思いますが、それを実現する手段としてID連携に着目したきっかけは何だったのでしょうか?

山﨑)メルマガを配信していたこともあり、蓄積された顧客データを活用して、メールで導入していたMAツールの配信面を拡大したいなというのがありました。

一般的にメルマガを送っても読んでもらえない課題とかってありますよね?
LINE公式アカウントであっても画一的な情報は開封率や購入率が低く、ブロックに繋がるのではないかと。つまり ”読まれない公式アカウント”化を防ぎたいというのがありました。

一方で自分だけの情報、つまり顧客にあわせた情報であれば興味を持ってもらいやすいのではないかと。

そのためにもID連携は必須で、One to Oneでユーザー毎に最適なメッセージ配信を行っていきたいと考えました。

ずばり、ID連携をどう活用していますか?

「ID連携」を抽選販売の条件にすることで友だち及びID連携数が2倍以上に増加

太田)現在はID連携をどのように活用されているのでしょうか?具体的な施策などあれば教えてください。

山﨑)直近ですと、人気ゲームの抽選販売会でID連携を必須にしました。
これまでは不正が多く発生していたのですが、LINEは複数アカウントの取得が難しいので、公平な抽選ができます。また、抽選販売会をフックに友だち数とID連携数が2倍以上に増加しました。

ひかりTVショッピングのLINE公式アカウント:「ID連携」を抽選販売の条件に

お客さまが”忘れたくない”情報をタイムリーに配信(ポイント失効通知・カゴ落ち・発送通知)

山﨑)二つ目は、お客様にとって重要度・緊急度の高いメッセージをタイムリーに配信しています。

例えば、ID連携をされると基本的に「ひかりTVショッピング」の行動履歴であるとか、過去の購買履歴をもとにお客様にメッセージを送ることが出来ます。具体的にはポイント失効通知であったり、カゴ落ちリマインドや商品発送通知などをMAと連携して送っているのですが、これらのメッセージはお客様にとっても利便性向上につながっているのではないかなと思います。

メッセージ配信は、MAツールを利用して、一度設定しておけば365日自動で配信されるようになっています。

また、LINEとメールでお客様が受け取りやすい方を選べるよう、どちらでも同じ情報を受け取れるように運用しています。

太田)ちなみに、どういったセグメントに配信すると一番反応が良いですか?

山﨑)やはり、サイトでアクティブなお客様だと思います。さきほどのカゴ落ちもそうですし、絞り込み配信でアクティブなお客様にセールの情報をお知らせするなど、何かしらサイトで行動されたあとにLINEで通知をすると、購入につながるといったケースが多いですね。

太田)ポイント失効系の通知については、もしかすると直接売上に繋がらないことも内容によってはあると思うんですが、それがあるからこそ便利なアカウントとしてお客様に認識していただいけて、ブロックされずに絞り込み配信が継続的に有効になるということもありますか?

山﨑)そうですね。嫌われてしまうとブロックされてしまうので、普段から少しでもお客様にとってもメリットのある通知、配信をするのは重要だと思います。

ひかりTVショッピングのLINE公式アカウント:お客さまが”忘れたくない”情報をタイムリーに配信

会員限定のクローズドセールにも活用

山﨑)我々は「ひかりTV」をもとにしたECサイトですので、「ひかりTV」を契約しているお客様だけを対象とした独自セールや数量限定販売、優良顧客限定のクローズドセールも行っています。

クローズドセールでは、全体に展開する前にテストマーケティングを行うこともありました。

反応は良かったですね。レコーダーであったり「ひかりTV」に関連した商品をおすすめすると非常に反応がよく、「ひかりTVショッピング」で購入した商品を「ひかりTV」で使っていただくという良い循環になりました。

やっておいて良かった!「ID連携」「MA連携」「絞り込み配信」

太田)「やっておいて良かった!」「当時に戻ってやり直せるならやらない or やり方を変えてみたい」と感じる施策について教えてください。

山﨑)やって良かったということですが、ID連携は顧客属性に応じたアプローチが効果的なので、これを行うための準備として、導入初期からID連携ユーザー限定のクーポン配布キャンペーンなどを行いました。これがID連携率の向上に寄与していたと思っています。

あとはMA連携ですね。一度設定してしまえば、自動化できる部分もあり、LINEとの相性も非常によいので、我々の稼働という点でも助かるところが大きいです。

絞り込み配信については、やはり全体に配信しているとコストがかさんでしまうので、予めどういったお客様にどういった内容を送るかを決めておくと、費用対効果の観点からもおすすめです。友だち数が増えたら考えるのでも良いと思いますが、、、。

そもそも反応のないお客様にメッセージをたくさん送るとブロックにつながってしまうので、絞り込み配信はやって損はないと思います。

ひかりTVショッピングのLINE公式アカウント:やっておいて良かった!「ID連携」「MA連携」「絞り込み配信」

今後、注力していきたいのは「もっと好きになってもらうアカウントづくり」

太田)最後に、今後注力していきたいことがあれば教えてください。

山﨑)まずは、シナリオ数の拡大ですね。シナリオ数の拡大はやればやるだけ売上が伸びますし、お客様にもメリットがありますので、考えられるだけのシナリオをどんどん追加していって反応が悪いものはやめていく、ということを今すぐにでもやらなければいけないと思っています。

やはり売上につながらないものって、お客様にとっても見て終わってしまうような内容なので、そういったものはやめていきます。

一番重要なのは、「もっと好きになってもらうアカウントづくり」だと考えています

ひかりTVショッピングのLINE公式アカウント:もっと好きになってもらうアカウントづくり

みなさんもこのアカウントだけはなぜか見てしまうというLINE公式アカウントがあると思うんですけど、自社アカウントがそういったポジションになることが非常に重要だと考えています。

そのためには他社サービスを研究したり、自社のサービスを利用して、自分がお客様目線になって、こういったサービスがあるといいなあと思ったものは取り入れていきます。

ポイント失効通知についても、事業者側としては「ポイント使われたくないなあ」と考えてしまうかもしれませんが、お客様目線で見ると「ポイント失効して悲しいなあ」となりますよね。その後のお客様の行動を考えるとマイナスになる面が大きいので、お客様目線で必要とされるものをどんどん追加していくことが必要だと考えています

あとは、LINEの新しい機能がどんどん提供されているので、それをすぐ取り入れていくのが成功に近づく行動だと考えています。

直近ではステップ配信機能を実際にやってみたら非常に反応が良かったので、機能がリリースされたらいち早く導入しているところを調べたり、自社で導入してもいいですし、すぐにやってみることが大事かなと思っています。

他社事例のリサーチでは、やはり、お客様目線を大切にしています。「他社で売上が上がった」という事例も参考にはするのですが、「自分がユーザーになったときに、こういった通知が来るとうれしいな」という事例はすぐに真似したいですね。

ステップ配信もすぐに売上につながるわけではなく、長いスパンで見たときに、「ひかりTVショッピングって意外と安いんだなー」とか「こんな商材も扱ってるんだなー」ということを知ってもらうことで将来的に売上につながっていくと思っています。

やはり、お客様目線で有用な情報をお届けすることを大事にしていますし、今後も続けていきたいと思います。

さいごに

LINEのID連携のノウハウについてたっぷりとお話いただいた1時間でした!
繰り返しおっしゃられていた「お客様目線」を常に持ち、ユーザーのメリットになる情報を発信することでブロックを防ぎ「もっと好きになってもらえるアカウントづくり」につながっていくんですね。

※本記事は、2022年5月25日実施ウェビナー『NTTぷらら&LINEに学ぶ!LINEのID連携活用セミナー
~ “お客様の心をつかむ” メッセージ配信の極意を語ります ~』
を元に執筆しました。

▼アーカイブ動画はこちらにて公開中です。
アーカイブ動画:NTTぷらら&LINEに学ぶ!LINEのID連携活用セミナー~ “お客様の心をつかむ” メッセージ配信の極意を語ります ~

※記事の内容は掲載時点のものです。

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