リピーター獲得が難しいギフトECにおいて、サイトリニューアルとLINEログインの相乗効果でLINE経由売上は3倍、LINE公式アカウントの友だち増加数も前年と比較して2倍に増加した、お米ギフト「八代目儀兵衛公式オンラインストア」の取締役 CMO 神徳様 に詳しくお話を伺いました。
※2022年8月24日に開催された、「八代目儀兵衛に聞く!食品EC・ギフト戦略とLINE活用の極意 ギフトEC構築システム「aishipGIFT」/ LINE連携サービス「ソーシャルPLUS」共催セミナー 」のセミナーレポートをお届けします。
ギフトが売上の8割超。「八代目儀兵衛公式オンラインストア」の販売戦略とは?
太田)それでは神徳様、簡単に自己紹介と八代目儀兵衛公式オンラインストアの概要についてお願いいたします。
神徳)八代目儀兵衛の神徳です。オンラインストアをメインに、飲食や卸販売も含め販売チャネル全体のマーケティングを担当しています。
「八代目儀兵衛公式オンラインストア」は、京都のお米の会社「八代目儀兵衛」が運営するECサイトで、開設は2006年で現在17期目です。
取扱商品はお米のギフトが売上の8割を占め、そのほかに定期便のご自宅用のお米などが2割です。
太田)ギフトの売上が8割とかなり大きな割合を占めていますが、立ち上げ当初からギフト需要を見越していたのでしょうか?
神徳)そうですね、ネットで売られているお米のほとんどが毎日の食事向けの価格重視のものが多く、後からそこに参入するのは難しいと判断し、非日常のギフトをメインに展開し、ご好評を得ています。
主な顧客属性は、「結婚内祝い」「出産内祝い」は30代前半、「香典返し」のユーザーは50代のお客さまがメインとなっています。
利益率の高い自社ECを差別化しつつ楽天市場・Yahoo!ショッピングも併用
太田)ちなみにオンラインでの販売がメインになりますか?
神徳)そうですね。販売チャネルは自社ECがメインで売上の65%、楽天が30%、Yahoo!が5%となっています。
やはり自社ECは利益率が良いので一番注力していますね。自社EC限定商品などでECモールとは差別化しています。
Google検索での流入以外にも、ECモール内で検索し比較検討するユーザーも一定数いるため、楽天やYahoo!にも出店しています。
リニューアルにあわせてLINEログインを導入
LINEログイン導入はユーザーの利便性を高めるため~再ログインを簡単にし離脱率を改善
太田)今年3月のリニューアルにあわせてLINEログインを導入いただいたのも自社ECの強化という形ですか?
神徳)そうですね。サイトリニューアルもそうですが、ユーザー利便性の向上を一番の目的として導入を決めました。
弊社のような、次にいつ利用するか決まっていないギフトECサイトだと、パスワードを忘れてしまったり、IDが分からなくなってしまうことが多くあります。
LINEログインではIDやパスワードを意識することなくワンタップでログインできるので、離脱率を抑えることができます。
神徳)お祝いなどのギフトでリピート購入まで期間があく場合でも、簡単に再ログインいただけます。また、お返しなどでは1ヶ月ぐらいかけて何度も購入されるんですが、そういった場合でも、LINEログインがあれば何度もリピートしていただけると思います。
LINEログインで購買意欲の高いユーザーを中心に友だち追加と同時にID連携が増える仕組みも整備
神徳)LINEログイン導入のもう一つの目的、マーケティング面では、LINEのID連携を活用して利用目的や購入商品、利用価格帯などで個別にメッセージを出し分けて、しっかりと One to One マーケティングを行っていきたいという理由がありました。
太田)八代目儀兵衛様の場合は、ID連携と同時に自動友だち追加され、LINE経由の会員登録が増えれば増えるほど、LINE公式アカウントの友だち数も増え、非常に効率のよいID連携の流れとなっていますよね。
太田)最近のLINE活用のトレンドの傾向ですが、友だちをたくさん集めてメッセージを一斉送信するのではなく、個々のユーザーに適した情報を適切なタイミングで発信する、ユーザー利便性向上を目的としたものが主流です。
通常のLINE配信では、大きな群としてのメッセージ配信しか出来ないのですが、ID連携をすることで自社会員との紐付けができ、個々に適したメッセージを送ることが可能になり、ユーザー利便性も向上しますね。
友だち数が多いアカウントは一斉送信すると配信コストもかかるため、ID連携をすることでコストも抑え、配信の効率も上げることが出来ます。
LINE経由の売上は約3倍に増加・友だち増加数は、前年と比較すると約2倍
太田)LINEログイン導入後の成果はいかがでしたでしょうか?
神徳)友だち増加数は、前年と比較すると約2倍になっています。
また、リニューアル前と比較すると、LINE経由の売上は約3倍に増加していますので、LINEログインと連携した友だち増加が売上にきちんと繋がっていると思います。
神徳)現在はサイト全体の流入のうち8%がLINE経由といったところです。8%の内訳は配信メッセージとCS対応とリッチメニューの3つが同じぐらいの割合ですね。
太田)CS対応というのはLINEチャットで直接対応されているのでしょうか?あえて直接LINEチャットを利用されている理由をお聞かせください。
神徳)そうですね、確かにLINEチャットでCS対応するのは少々大変ですが、ID連携しているのでお客さまの注文履歴などもすぐに調べることができますし、接客にも活用できています。
ユーザーとしても回答がすぐ来るほうが便利ですし、お問い合せフォームよりも入力ステップが少なく、LINEなら年齢層問わず使える方も多いので、直接LINEで対応をしたほうがユーザビリティも向上します。
太田)なるほど、ニーズに対して即時対応ができるのもLINEのメリットですね。
今後はLINEのID連携を活かしてCRM活用をしていきたい
太田)今後、ほかのソーシャルログインの導入予定はありますか?
神徳)個人的な経験から複数のSNS連携があると、自分がどのサイトでどのSNSを使ってログインしたか覚えていられないですし、迷ってしまうと思うんですね。シンプルに利用者の多いLINEのみで行こう、と決めました。
太田)やはり、弊社でもLINEログインのみという事例が圧倒的に多いですね。
One to One マーケティングにおいて一番強いLINEに絞って導入するのは効率が良いと思います。
太田)今後予定しているLINEのID連携、LINEログインを活用した施策などありますか?
神徳)今回LINEログインを導入したことで購買意欲の高いユーザーを中心に友だち追加と同時にID連携が増える仕組みが整備できました。
今後はID連携を活かして購入のタイミングなどで個別にアプローチをしていきたいと考えています。
具体的にはCRMツールとの連携を考えています。
実際に連携するのはもう少し先になると思いますが、今はシナリオのパターンを増やしてストックしているところです。
太田)ソーシャルPLUSと配信ツールを併用しているケースも多くなっています。
初めはLINEで送信して、慣れてきたら配信ツールを導入して効率的に、という企業様も多いですね。
数あるECカートシステムの中から「aishipGIFT」にした理由は対応項目の多さとと食品ECサイト導入実績
市川)今回のリニューアルで「aishipGIFT」をご選定いただいた理由についてお聞きします。
神徳)リニューアルに向けて要件定義をしたときに200項目ぐらいありまして、国内のいろいろなASPなどに相談して、対応可能な項目が多かったのが「aishipGIFT」でした。また、要望に合わせてカスタマイズしていただけることと、多数の食品ECサイトの導入事例も決め手となりました。
市川)リニューアルするまで、1〜2年ぐらいしっかりと要件をヒアリングして、とてもよいサービスに仕上がったのではないかなと思っています。
市川)今回のリニューアルにおいて、特に注力した点はどこでしょうか?
神徳)複数配送先を設定したりなどのギフトに特化した機能や、使いやすいUIを重視したのはもちろんですが、お買い物が楽しくなるようなビジュアルやデザインに注力しました。
リニューアル前は、実際にギフトを受け取った方からはお褒めの声を頂いたり、ご好評をいただいていたのですが、贈る方がギフトを選ぶ際にお届けの状態がイメージしづらいという課題がありました。
そこで、ギフト選びから贈る方が楽しくご利用していただけるようなサイト作りを心がけています。
掲載している画像も、素材や撮影場所にこだわってかなり時間をかけて撮影しています。
市川)私も利用したことがありますが、商品をカートに入れたあとの包装や熨斗の選択画面など、きれいな画像で選びやすく、非常にお買い物が楽しめるサイトとなっています。
リニューアルの成果が出たポイントは?
市川)今回のリニューアルの成果が出たポイントについて教えてください
神徳)デザインとUIの問題、更新の手間など多岐にわたる問題が解決できたことですね。
特にリニューアル前はSEO対策しようにもソースコードがバラバラで施策が打てないなどの課題があったのですが、要件定義をしっかり行い、リニューアルで解消できたことが大きいですね。
リニューアルをして、この半年は売上は非常に好調に推移していますので、大変良い結果が出たと思っています。
市川)リニューアル直後は一時的に売上が下がることがよくあるのですが、八代目儀兵衛様の場合はリニューアル直後も売上が上がり、そのまま維持しているのでSEO対策の効果も出ていると思います。
ソーシャルギフト機能
市川)SNSでのみ繋がっていて、住所などがわからない友だちにもギフトが贈れる「ソーシャルギフト機能」が「aishipシリーズ」に追加されたのですが、八代目儀兵衛様ではどのような活用をお考えですか?
神徳)弊社はフォーマルギフトがメインなので、送り先がわからない、または贈られる方が住所を記入というパターンはニーズがないのですが、このコロナ禍で福利厚生として従業員に弊社のギフト商品を贈る企業様が増えています。
そういった場合は、企業から従業員の住所リストなどの個人情報を預かる必要があったので、ソーシャルギフト機能を活用すると注文を受ける側の負担も軽くなるかなと考えています。
「aishipGIFT」ならソーシャルログインも簡単に実装できる(オプション)
市川)「aiship」シリーズは、「ソーシャルPLUS」と標準連携していますので、ソーシャルログインが開発不要で導入が可能です。
ECサイトで離脱率が高いのが、新規登録時とログイン時です。
ソーシャルPLUSを導入することで、新規登録時はフォームアシストで入力の手間を省き、離脱を防ぐことが出来ます。
また、普段利用しているSNSアカウントを使ってログインができるため、パスワード忘れなどが原因の離脱を抑え、リピート利用がしやすくなります。
さいごに
太田)それでは、最後になりますが今回は導入についてがテーマですので、それぞれのサービスについての導入ポイントをお願いします。
神徳)そうですね、弊社の細かい要望が aishpGIFT にすべて反映されているので、これから使う場合は非常に便利だと思います。他の食品メーカー様もぜひ使いやすさを体験していただきたいです。
太田)ソーシャルPLUSについてもお願いします(笑)
神徳)導入事例が豊富でサポート体制もしっかりしているので安心して利用できます。しかも先進的な事例が多いので、こういう施策をやりたいんだけど、どうしたらいいか?という相談にも、いつも具体的に答えていただけるので、たいへん助かっています。
太田)ありがとうございます!励みになります!
「ソーシャルPLUS」について
LINEを活用したCRM・ソーシャルログインサービス「ソーシャルPLUS」では、LINEログインを活用したCV導線の簡略化から、友だち追加の促進、会員情報に応じたセグメント配信に至るまで、ユーザー体験を重視したご提案が可能です。LINE株式会社の開発・販売のパートナーにも認定されているため、LINE公式アカウントを活用したCRMの導入サポートも可能です。ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。
詳細はこちら:https://socialplus.jp/line/
お問合せはこちら:https://socialplus.jp/inquiry/
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アーカイブ動画: 八代目儀兵衛に聞く!食品EC・ギフト戦略とLINE活用の極意〜ギフトEC構築システム「aishipGIFT」/ LINE連携サービス「ソーシャルPLUS」共催セミナー〜