LINE配信ツールの選び方~ツール併用時の注意点も

LINE配信ツールの選び方

LINE公式アカウントを活用する際、メッセージ配信の自動化やセグメント配信、チャットによる顧客対応などを目的に、LINEと連携可能な外部配信ツールの導入を検討するケースがあります。

最近ではLINEと連携した配信ツールは数多く提供されており、どれを選ぶべきか?既に使っているツールと組み合わせて使うことはできるのか?など、迷ってしまうことも多いかと思います。

機能比較だけでは見落としがちなLINE配信ツールを選ぶ時のポイントやツール併用時の注意点について紹介します。

LINE配信ツール導入が必要になるのはどんな時?

LINE社が提供するLINE公式アカウントの管理画面(LINE Official Acount Manager)は継続的なアップデートにより、基本的なメッセージ配信や絞り込み配信、チャットによる問い合わせ対応のほか、応答メッセージやステップ配信によるメッセージ配信の自動化が可能です。

主に提供されている機能の詳細は、こちらのマニュアルを参考にしてみてください。

参考:LINE公式アカウント (LINE Official Account Manager) マニュアル

LINE Official Account Managerで提供されている機能を使えば十分目的に沿った活用ができる、という場合はあえて外部ツールを使う必要はありません。

しかし、下記のような自社の顧客データベースと連携したメッセージ配信や、より柔軟なチャット対応を行うには、LINE Official Account Managerのみでは対応ができず、Messaging APIの利用が必要になります。

  • 任意のタイミングでプッシュメッセージ配信(ECサイトで商品を購入したユーザーに対して購入完了通知や発送通知を行う場合など)
  • Flex MessageやLIFF等のインタラクティブなコンテンツ配信
  • 様々なレイアウトや柔軟なシナリオ設計に対応したチャットボットの開発
  • リッチメニューのタブ切り替えやセグメントに応じた出し分け
  • LINEのユーザーごとに保有している固有の識別子(UID)と自社会員アカウントとの連携(ID連携)

参考:Messaging API | LINE Developers

※UID:LINEアカウント固有のID

社内に開発専門チームがあり、Messaging APIを使って独自にサービス開発できる場合は問題ないのですが、Messaging APIを利用した自社開発が難しい場合は、「LINE Biz Partner Program」の認定パートナー企業が開発・提供する各種ツールを活用することで、より高度なLINE公式アカウントの運用が可能になります。

LINE配信ツールを選ぶ時に注意すべき点は?

ID連携を軸に自社で保有する顧客情報や購買情報に応じたメッセージ配信やステップ配信を行うための、LINE配信ツール選定のポイントを紹介します。

外部データベース(自社が保有する顧客データベース)との連携が可能か?

配信ツールによっては、外部データベース、つまり自社が保有する顧客データベースとの連携ができないツールがあります。

これらのツールは、ツール内にデータベースをもち、LINEのIDと連携させてLINEのメッセージ配信を行うケースです。
ツール上で取得した行動データや独自のタグをユーザーに付与する等、ツールの機能に依存したセグメント配信を行っています。

※例えば、ツールを通じて配信したメッセージで、どのメッセージをクリックしたかや、どのページに訪れたかなど

ID連携と顧客データベース

この場合、自社データベースの顧客情報をLINEのIDと連携させているわけではないため、顧客情報や購買情報に応じたメッセージ配信やステップ配信はできません

配信ツールが外部データベース(この場合、自社の顧客データベース)と連携可能かどうか確認しましょう

LINEのIDとの連携が可能か?

外部データベースとの連携が可能でも、LINEのIDとの紐づけの機能を提供していないツールもあります。この場合、「どの会員がどの友だちか」が分からないため、そもそもLINEのセグメント配信自体ができないことになります。

ID連携と顧客データベース

尚、利用したい配信ツールで自社データベースとの連携が難しい場合やLINEのID連携が難しい場合、アカウント連携の部分のみ、ソーシャルPLUSのようなID連携サービス を併用することも一つの方法です。

ID連携と顧客データベース

自社顧客データベースのユーザーIDとLINEのUIDの連携「ID連携」に関しては以下の記事をご覧ください。

複数ツールを併用する場合、Webhook URLの扱いに注意

既に導入済のツールがある場合など、複数ツールを併用したいというケースにおいてはWebhook URLの扱いに注意が必要です。

Webhook URLとは、LINEプラットフォームからボットにイベントを送信する際の送信先URLです。簡単に言ってしまうと「LINE内のユーザーの行動情報などを外部の配信ツールに連携する仕組み」のことです。

TIPS:Webhookとは、Webアプリケーションに対して、特定のイベントが発生したら別のWebアプリケーションに通知を発行するよう利用者が指定する仕組みです。(引用:IT用語辞典 e-words

Webhook URLを指定することで、Webhook経由でLINE公式アカウントの友だち追加やブロック等のイベント情報、LINEのAPIを用いたメッセージ配信(セグメント配信など)に必要なUIDを外部ツール側で受け取ることができます

そのため、ほとんどの配信ツールではこのWebhook URLの指定が必要となります。

Messaging API - Webhook URL
LINE Developers内でMessaging APIチャネルを作成し、Webhook URLを設定

「LINE配信ツールは1アカウントにつき、1つしか導入できない(併用できない)のでしょうか?」というお問い合わせをいただくことも多いのですが、これは、Webhook URLは、1つのLINE公式アカウントにつき1つしか設定できないというLINEの仕様が関係しています。

Webhook URLは2つ以上のツールに設定することができないため、いくつかのツールを併用したいと考えている場合は、比較検討時にWebhook URLの必要の有無を確認してみましょう

とはいえ、1つのツールで必要な機能がまかなえなかったり、なんとか複数のツールを併用したいという場合は必要な機能を整理した上で、ツールの組み合わせ方や連携方法を調整することで実現できる場合もあります。

例えば、Webhook以外の方法で配信ツールにUIDを渡す方法や、Webhookでイベント情報を受け取ったツールがさらにその情報を別のツールに共有する方法などです。

ツールの仕様にもよりますのでツールベンダーや「LINE Biz Partner Program」の「Technology Partner」に相談してみるとよいでしょう。

弊社 ソーシャルPLUSでは、LINEログインを活用してユーザーの会員情報とLINEアカウントのID連携を促進し、LINEでパーソナライズされたセグメントメッセージを配信するための各種機能を提供しています。お気軽にお問合せください。

さいごに

弊社にご相談いただくことの多い、LINE配信ツール選定時の注意点をご紹介しました。
配信ツールの選定時には単に目的に応じた各ツール機能比較に目が行きがちですが、ツールの導入ではどのようにユーザー体験の向上させ売上拡大などの”効果の最大化”につなげるかが重要です。

そのためにも、ID連携をベースにしたコミュニケーション設計や、それを前提としたツールの組み合わせ方、連携方法を検討されることをオススメします。

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