LINE Messaging APIを使って複数のツールを併用する方法:Webhook URLの設定が必須かを確認しよう

一般的なLINE公式アカウント関連のツールはパートナー用の特殊なAPIを使わない限り併用することができません。ただし一定の条件を満たすツールであれば他のツールとの併用が可能になります。

一般的なツールは何故、併用が出来ないのか、どんなツールであれば併用できるのかを解説します。

Messaging APIを利用したメッセージ送信とイベント受信のしくみ

LINE公式アカウントをLINE Official Account ManagerからAPI化するとMessaging APIが使えるようになります。LINE developersのドキュメントを読むとわかるのですが、Messaging APIには送信と受信の概念があります。

メッセージを送信する
https://developers.line.biz/ja/docs/messaging-api/sending-messages/

メッセージ(Webhook)を受信する
https://developers.line.biz/ja/docs/messaging-api/receiving-messages/

LINE Official Account ManagerやLINE developersのMessaging APIチャネル内にあるチャネル基本設定から送信と受信に必要な情報が確認できます。

Messaging API Channel情報

送信にはChannel ID / Channel Secret / Channel access tokenの3つを利用します。これら3つの値はLINEから値を指定されます。

受信にはWebhook URLを利用します。Webhook URLはLINE側で用意するものではなく、ツール側が用意するイベント情報を受信するためのURLを一つだけ設定することができます。

※「メッセージ(Webhook)を受信する」は、メッセージの受信だけでなく、友だち追加やブロック、またチャット上でユーザーの操作によって発生したイベントを含みます。

ユーザーが、LINE公式アカウントを友だち追加したり、LINE公式アカウントにメッセージを送ったりすると、LINE Developersコンソールの「Webhook URL」に指定したURL(ボットサーバー)に対して、LINEプラットフォームからWebhookイベントオブジェクトを含むHTTP POSTリクエストが送られます。

メッセージ(Webhook)を受信する | LINE Developers

Webhookを必須とする一般的なツール同士は併用ができない

Messaging APIでメッセージを送信する前提条件として「友だち追加」「LINE UID取得」の二つを満たす必要があります。

そのため一般的なLINE公式アカウント関連のツールでは、友だち追加時にLINEから送られてくるイベントを、ツールのWebhook URLで受信することによりLINEのUIDを取得して、その友だちに対して個別にメッセージが送信できるようになります。

  1. Webook URLで友だち追加イベントをLINEから受信 ※Webhook設定が必要
  2. イベントからLINE UIDを取得
  3. LINE UIDに対してMessaging APIでメッセージ送信

このように、友だち追加のイベント受信から始まる一般的なツールはWebhookの設定が必須です。

ただし、LINEからイベントを受信するために設定するWebhook URLは一つしか設定できませんそのため、Webhookの設定が必須のツールを複数併用することが難しくなっています。

併用できるLINE公式アカウント関連ツールの条件

既に答えを書いてますが、イベント受信とは別の方法で「LINE UID取得」の条件を満たすことができるツールであればWebhook URL設定が必須のツールと併用が可能です。

イベント受信以外で実現する別の方法は2つあります。

  • LINEログイン
  • LINEミニアプリ(LIFF)

LINEログインには自動友だち追加機能があり、LINEログインのタイミングで友だち追加とLINE UIDの取得が可能です。LINEログインと言ってもサイトへのログインに限らずマイページやID連携用のLPなどで使えるので、LINEログインのAPIを使っているツールが該当します。

LINEログインしたときにLINE公式アカウントを友だち追加する(ボットリンク)
https://developers.line.biz/ja/docs/line-login/link-a-bot/

IDトークンからプロフィール情報を取得する
https://developers.line.biz/ja/docs/line-login/verify-id-token/

また、LINEミニアプリはLIFFベースで動いてるため、LINEログインと同様に、LIFF上での自動友だち追加とLINE UIDの取得が可能です。

LIFFアプリおよびサーバーでユーザー情報を使用する
https://developers.line.biz/ja/docs/liff/using-user-profile/

ただし、上記の機能を備えていてもツール自体がWebhook URLを使う前提で作られている可能性もあるので、もし併用が可能か知りたい場合はWebhook URLの設定が必須か、必須ではないかをツール提供会社へ確認してみましょう。

Webhook URLが必須ではないLINE公式アカウント関連のツールは他のツールと併用が可能ということです。

尚、ソーシャルPLUSが提供するメッセージマネージャーやLINE連携Shopifyアプリ「CRM PLUS on LINE」はWebhookの設定を必須としないため、他社ツールとの併用実績も多くあります。具体的な併用方法に関する相談も受け付けていますので、ぜひお気軽にご相談ください。

最後に

株式会社ソーシャルPLUSでは多くのLINE活用事例から学んだナレッジをベースに、潜在的な課題解決と未来への拡張性を踏まえたベストプラクティスを提案します。
LINE公式アカウントのCRM活用やAPI活用についてはお気軽にご相談ください。

岡田風早

株式会社ソーシャルPLUS 代表取締役社長

ソーシャルPLUSのカスタマーサクセスとして2015年にフィードフォースに入社し、プロダクトマネージャーを経て執行役員に。2021年9月にソーシャルPLUSが分社化して現在の役職に至る。

LINE社のTechnology PartnerとしてLINEログインやミニアプリなどのAPI活用、Sales PartnerとしてLINEのCRM活用、またShopify Partnerとしてエンタープライズ向けのShopify × LINEやShopify Flow・メタフィールドの活用、データ設計を得意とする。

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