
Messaging APIとはLINEが一般公開している、LINEのアカウントを通じてユーザーとの双方向コミュニケーションを実現するAPI(Application Programming Interface)です。
Messaging APIを活用することでLINEのトーク画面を使った特定のユーザーに限定した双方向のコミュニケーションや、外部サービスと接続・連携したアカウントの作成・開発が可能となります。
Messaging APIは、随時機能アップデートされており、マーケター視点でこれらの情報のキャッチアップをすることは、LINEを通してユーザーとどのようなコミュニケーションを行っていくのかを検討する上でヒントを得ることになるのではないでしょうか?
今回は、「Flex Message」や「クイックリプライボタン」など特にメッセージ配信に関連する機能を中心に、Messaging APIでできることをまとめてみたいと思います。
Messaging APIとは?
Messaging APIとは、LINE公式アカウントのオプション機能で、LINEのアカウントを通じてユーザーとの双方向コミュニケーションを実現するAPI(Application Programming Interface)です。
Messaging APIを活用することで、
- LINEの管理画面を介さずに特定のユーザーに限定したメッセージの送受信ができ、LINEのアカウントを通した双方向のコミュニケーションやLINEのトーク画面を使った対話型Botアプリケーションの開発が可能となります
- 外部サービスと接続・連携したアカウントの作成・開発が可能となります
Messaging APIには、画像やボタンなどの自由なレイアウトが可能な「Flex Message」や、特定のメッセージに対して最大13個のアクションを表示できる「クイックリプライボタン」など、注目の機能が提供されており、これらを活用することでより柔軟がコミュニケーションが可能になります。
Messaging APIの注目機能
Flex Message
Flex Messageは、複数の要素を組み合わせてHTMLに近い感覚でレイアウトを自由にカスタマイズできるメッセージタイプです。(2018年6月12日リリース)
柔軟に文字のサイズや色を変更したり、メッセージの途中やヘッダー部分に任意の画像を組み込むなどのレイアウトも可能です。これによりUI/UXが大幅に改善され、これまでのメッセージタイプだけでは実現できなかった、柔軟かつ操作性の高いメッセージ配信が可能となります。

- HTMLに近い感覚で自由なレイアウトが可能になった新しいメッセージタイプ「Flex Message」が追加!サンプルを交えてご紹介します : LINE Engineering Blog
- Messaging API
| Flex Messageを送信する | LINE Developers
LINE Front-end Framework(LIFF)
LINE Front-end Framework(LIFF)は、LINEアプリのトークルーム内で動作するウェブアプリの実装を可能にするプラットフォームです。
LIFFに登録したウェブアプリをLINEのトークルーム内で起動すると、LINEのユーザーIDなどをLINEプラットフォームから取得でき、これらを利用することで、LINEユーザーのアカウント情報を活用した様々な機能の提供が可能になります。(2018年6月6日リリース)
例えば以下の例では、トークをタップすることでトークルームにオーバーレイする形で入力フォームが起動し、入力した内容をそのままトークルームに送信することができます。LINEのトーク画面から外部アプリケーションに遷移することなしに、インタラクティブなコンテンツが提供できることが特徴です。

- 【LINE】「Messaging API」の新機能、 「LINE Front-end Framework(LIFF)」を公開 | LINE Corporation | ニュース
- LINE Front-end Framework
クイックリプライ
クイックリプライは、特定のメッセージに対して最大13個のアクションを「クイックリプライボタン」として表示させることが可能です。(2018年7月31日リリース)
クイックリプライボタンが設定されたメッセージを送信すると、メッセージのほかに、トーク画面の下部に各種アクションが関連づけられたボタンを表示させることができ、ユーザーはそのボタンをタップするだけで、届いたメッセージに簡単に返信することが可能になります。
クイックリプライはどのメッセージタイプでも利用できます。

クイックリプライボタンをタップすることで実行されるアクションは以下の通りで、メッセージに対して自由にアクションを設定することが可能です。(〇はクイックリプライ専用のアクション)
- 「ポストバックアクション」
- 「メッセージアクション」
- 「日時選択アクション」
- 「カメラアクション」〇:カメラを起動
- 「カメラロールアクション」〇:カメラロールを起動
- 「位置情報アクション」〇:ユーザーの位置情報送信を促す
Messaging APIでできること
メッセージ送信(応答メッセージとプッシュメッセージ)
Messaging APIで送信するメッセージには「応答メッセージ」と「プッシュメッセージ」の2つのカテゴリがあります。
- 応答メッセージ:ユーザーによって作成されたイベント(例えばユーザーがbotにメッセージを送信、botを友だち追加)に対して送信するメッセージ。ユーザーが送ったメッセージや情報に対して即時に返信する
- プッシュメッセージ:bot起点でユーザーに送信するメッセージ
さまざまなタイプのメッセージの送信
Messaging APIには様々なメッセージタイプが用意されています。
テキストメッセージ
一般的なテキストメッセージです。文字コードを利用してテキストメッセージにLINEの絵文字を入れることができます。

スタンプメッセージ

画像メッセージ

動画メッセージ

音声メッセージ

位置情報メッセージ

イメージマップメッセージ
イメージマップメッセージでは、異なるアクションに結びつく複数のタップ領域が指定された画像を送信することができます。画像内のタップ領域には、リダイレクトするリンクのURLや、ユーザーからbotに送られるテキストメッセージを指定します。

テンプレートメッセージ
ボタンテンプレート・確認テンプレート・カルーセルテンプレート・画像カルーセルテンプレートの4つのテンプレートが用意されています。用意されたアクションを使うことで、ユーザーは簡単にボットとやり取りでき、手動でメッセージを入力する代わりに、1回のタップで特定のアクションを実行できます。
ボタンテンプレート
ボタンテンプレートを使って、画像、タイトル、テキストに加えて複数のアクションボタンが含まれたメッセージを送ることができます。ボタンのほかに、画像、タイトル、テキストの領域全体に対しても、ユーザーがタップすると実行されるアクションを1つ指定できます。

確認テンプレート
確認テンプレートを使うと、ボタンが2つ含まれたメッセージを送ることができます。

カルーセルテンプレート
カルーセルテンプレートは、複数のカラムオブジェクトをユーザーがスクロールして閲覧することのできるメッセージタイプです。各カラムオブジェクトには、ボタンのほかに、画像、タイトル、テキストの領域全体に対しても、ユーザーがタップすると実行されるアクションを1つ指定できます。

画像カルーセルテンプレート
画像カルーセルテンプレートは、複数の画像をユーザーがスクロールして閲覧することのできるメッセージタイプです。

柔軟なリッチメニューの設置
Messaging APIを活用することで、動的にリッチメニューを作成・削除することができます。
例えば、個別のユーザー(userId)とリッチメニュー(richMenuId)を紐づけ、ユーザー毎にリッチメニューを出しわけることも可能です。
様々な属性のユーザー全員に対して同じ内容を表示するリッチメニューと比較して、ユーザーの属性にあわせてリッチメニューを出しわけることで、より利用されやすく便利なコンテンツや導線を提供することができます。
Messaging APIを利用するには
LINE公式アカウントすべてのプランにおいて、API化した機能(オプション機能)が利用可能となります。フリープランから利用できますので、より多くの企業で利用機会が広がりました。
実装には、別途、LINEが提供しているAPIと企業のシステムをつなぐ開発が必要となります。システムを自社で開発せず、パートナー企業が提供するツールを導入することも可能です。
弊社が提供するLINEのCRM活用・ソーシャルログインサービス「ソーシャルPLUS」では、LINEログインをはじめ、自動友だち追加機能、Messaging APIを利用した会員向けのプッシュメッセージ配信機能など、LINE公式アカウントを活用したOne to Oneコミュニケーションに必要な各種機能の実装コストを削減し、自社開発よりもシンプルに導入することが可能です。
機能の詳細や具体的な導入事例、インタビューもご紹介しておりますので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。