LINEメッセージの開封率が下がった時、改善したい時に確認したいポイント〜よくある原因と対処法を解説〜

LINE公式アカウントの運用時に、

「開封率が思うように伸びず、むしろ下がってきている…」
「今までと運用を大きく変えてないのに、急に開封率が下がってしまった…」

ということがありませんか?

開封率を左右する主な要素は、ユーザーがメッセージに気が付くきっかけとなるプッシュ通知の内容や、そもそもの配信コンテンツやターゲットの内容、タイミングや頻度など様々あります。
さらに、開封としてカウントされる定義も実は細かくルールが決まっているため、メッセージのフォーマットによって意図せず開封数が低く見える、なんてことも。

そこで今回は、日々LINE公式アカウントを運用する中で、開封率が下がった時や改善したい時にまずチェックしておくべきポイントをまとめて解説します。

開封率を改善したい時に確認したいポイント

開封率が低くなった、または下がってしまった、という時には、まず以下のポイントをチェックしてみてください。

  • 1つ目の吹き出しのテキストメッセージもしくはタイトルは適切か?
  • トークリストに表示されるテキストは興味をひく内容になっているか?
  • 配信内容とターゲットは一致しているか?
  • 配信頻度や送信時間が開封率に影響していないか?
  • メッセージフォーマットの影響でインプレッションにカウントされていない可能性はないか?

順に解説していきます。

1つ目と最後の吹き出しのテキストメッセージもしくはタイトルは適切か?

メッセージを配信した際にプッシュ通知として表示されるのは、配信するメッセージの1つ目の吹き出しに設定した内容です。

1つ目の吹き出しをテキストメッセージにした場合はテキストの冒頭が表示され、1つ目の吹き出しがリッチメッセージやカードタイプメッセージの場合はそれぞれに設定したアイテム名(タイトル)がプッシュ通知として表示されます。

プッシュ通知に表示される内容

プッシュ通知を受け取ったユーザーは、その内容次第ですぐメッセージを開くかどうかを決めるので、「通知内容が長くて途切れ、意味が伝わりにくい」「今すぐ開きたくなるような内容になっていない」という場合は開封率低下につながりやすいです。

トークリストに表示されるテキストは興味をひく内容になっているか?

メッセージが配信されると、LINEのトークリストには最後の吹き出しに設定したメッセージ内容が表示されます。

最後の吹き出しをテキストメッセージにした場合はテキストの冒頭が表示され、リッチメッセージやカードタイプメッセージが最後の吹き出しになっている場合はそれぞれのアイテム名が表示されます。

最後の吹き出しの内容がトークリストに表示

ユーザーがトークリストを開いた時は、新しく届いているメッセージを能動的にチェックしているので、プッシュ通知と同様に長文で要点がわかりにくかったりインパクトのない内容だとスルーされてしまい、開封されにくくなってしまいます。

対策:プッシュ通知やトークリストに表示されるテキストを改善しよう

メッセージを開くかどうかの判断基準となる「プッシュ通知」と「トークリストに表示されるテキスト」を、ユーザーが開封したくなるような内容にすることが大切です。

プッシュ通知に反映される1つ目の吹き出しと最後の吹き出しのテキストメッセージ冒頭もしくはアイテム名(タイトル)のテキストを作成する際に、以下のポイントを意識してみましょう。

  • 文が途切れないよう、短くわかりやすい文章を作成する
  • 緊急性や限定感を出す(「本日限定」「あなただけに」等の表現を添える)
  • 絵文字を使って目立たせる

詳しくは以下の記事も参考にしてみてください。

配信内容とターゲットは一致しているか?

ユーザーは日々、大量に溢れる情報から自分にとって必要な情報だけを取捨選択し続けています。そんな中、LINEで届いたメッセージが「自分には関係ない内容だ」と感じると開封されることはありません。

特に一斉配信の場合は、より幅広いユーザーをターゲットとできる一方で、ユーザーの関心や属性が混在するので、自分事だと感じるユーザーの割合は減りやすく開封率の低下につながる傾向があります。

対策:配信内容とターゲットを最適化しよう

一斉配信だけでは、さまざまな属性や興味関心をもつ友だち全員の興味にあわせたメッセージを配信するのには限界があります。

そこでおすすめなのが、ユーザーの属性や興味関心、過去の開封・クリック状況などでメッセージの配信対象をわけてメッセージを出し分けるセグメント配信(絞り込み配信)です。

  • 属性フィルターで男女別に商品ランキングを出し分ける(属性フィルターに応じた絞り込み配信)
  • 過去に配信したメッセージを開封したユーザーを対象にしたオーディエンスを利用してアクティブなユーザーに絞ってメッセージを配信する(インプレッションリターゲティングを利用した絞り込み配信)

以上のようなセグメント配信は、LINE Official Account Manager(LOAM)の標準機能を活用して手軽に実施できるので、試してみるのも良いでしょう。

配信頻度や送信時間が開封率に影響していないか?

あまりに配信頻度が高い場合、ユーザーがその内容を必要としていれば問題ないですが、一度「このLINE公式アカウントのメッセージは無関係な内容が多いな」と認識されると、その後は開封されなくなりやすいです。無意識にノールックスルーです。通知をオフにしたりブロックしたり、なんてことも。

また、メッセージを送信する時間帯にも左右されるので、ユーザーの生活リズムに応じた配信設定をしないと見落とされやすいです。

対策:最適な配信タイミングを見極めよう

ユーザーの属性や想定される行動に合わせて、配信のタイミングも見直してみましょう。

一般的に効果的な時間帯としては以下が挙げられます。

  • 平日のお昼(12:00〜13:00):ランチ休憩時にスマホをチェックする人が多い
  • 夕方から夜(18:00〜21:00):仕事や学校が終わり、プライベートな時間に入る
  • 週末の朝(8:00〜10:00):休日の朝に情報収集をする人が多い

過去の配信からどの時間帯が開封されやすいかを推測してみるのも一つの方法です。

メッセージフォーマットの影響でインプレッションにカウントされていない可能性はないか?

ここで少し毛色の違う開封率低下の可能性について触れていきます。

「今までと運用(対象・内容・タイミング)を変えてないのに、急に開封率が下がった」という場合は、メッセージフォーマットの影響でインプレッションとしてカウントされる数が減っていることが原因となっているかもしれません。

LINE公式アカウントの「開封」の定義おさらい

LINE Official Accout Managerでは、配信に含まれるいずれかの吹き出しにインプレッション(100%表示)が発生すると「開封」にカウントされます。数値は回数ではなく、開封したユニークユーザー数となります。

  • トークルームを開かずに既読された場合(トークリスト上で未読メッセージを既読にした場合)
  • トークルームから見切れるメッセージを配信し、トークルームを開いた際にユーザーがスクロールせずメッセージ全体を表示しなかった場合

以上のようなケースでは開封とみなされません。

開封にカウントされる場合とカウントされない場合

特に注意が必要なのが、2点目の、ユーザーがメッセージ全体を表示しなかった場合です。

ユーザーがトークルームを開くと、一番最後の吹き出しがファーストビューに表示されます(吹き出しが一つのみの場合はその単体のメッセージがまず表示されます)。
そのため、最後の吹き出しに設定しているメッセージの一部が見切れて全体が表示されないと、ユーザーとしてはトークルームを開いてメッセージを見ていたとしても、スクロールをして全体を100%表示しない限り、インプレッションが発生したと見なされず、開封としてカウントされない、というケースもよくあります。

具体的なケースとしては以下があげられます。

  • 縦長のリッチメッセージがリッチメニューに隠れる
  • カードタイプメッセージの1つ目のカードがトークルームから見切れる
  • Flex MessageでLPのような大型のメッセージを配信してトークルームから見切れる

このように、ユーザー体験の良し悪しや配信内容に関わらず、LINEの仕様上、意図せず開封とカウントされない)ことにより開封率が急に下がって見えることがあります。

リッチメニューをデフォルト表示にしていたり、大きいサイズのメッセージフォーマットを使っている場合は開封率が下がって見えることがあるので、効果測定をする際には注意が必要です。

対策:メッセージのフォーマットに応じて最適な指標を見直そう

前述した「開封」としてカウントされる条件を踏まえると、メッセージ配信の成果を評価する上で開封率をどう捉えるか?は改めて検討する必要があります。

単純に開封率を必ず維持したい場合は、「トークルームを開いた際に100%表示されるメッセージタイプ・サイズで配信する」というのが対策になります。

ところが、開封率のためにコンテンツ内容やフォーマットを限定するのも本末転倒になりかねません。

  • そのメッセージ配信の目的は何か?
  • その目的を達成する上で、どんなメッセージのフォーマットが最適か?
  • そのメッセージの成果を測る指標として開封率は重要なのか?他に重視すべき指標はあるか?

といったように、本来の目的に立ち返って検討することも大切です。

そもそもメッセージフォーマットに影響される開封率を絶対の指標として見るよりも、クリック率・CV数・ブロック率が上がったか……などでメッセージの良し悪しを判定する方が本質的だったりします。

なお、内容やターゲットを変えて開封率が変わるのか比較検証したい、といった明確な目的がある場合は、同じタイプのメッセージ同士で比較するのが適切といえます。

開封率との向き合い方

LINE運用の指標の一つとして注目される「開封率」ですが、前述の通り開封としてカウントする定義により意図せず開封率が下がって見えたり、メッセージタイプによってかなり差が出たりするため、絶対的な指標として扱うのが難しい存在であることも事実です。

開封率に注目する背景には、LINE活用で目指す最終的なゴール(売上やCV、セッション)から逆算して、クリックや開封の数と率を増やす必要があるという考えがあると思います。

そうした際は、開封率はあくまで参考程度にチェックしつつ、目的・フェーズごとに主に追う指標を分けて考えるのも一つの手です。

<フェーズごとの指標例>

  • 立ち上げフェーズ:友だちに反応してもらえるアカウントを目指す
    • 主な指標:開封数/率を参考にしつつ、クリック数やクリック率を主な指標とする
  • 成長フェーズ:LINE経由の売上やCV数を増やす
    • 主な指標:LINE経由のセッション数やCV数、売上(内訳としてメッセージの種類ごとやセグメントごとに追う)

まとめ

今回は、LINE公式アカウントのメッセージの開封率が下がった時のよくある原因と対策をご紹介しました。

プッシュ通知やトークリストに表示されるテキストが興味を引く内容かどうかや、ターゲットの設定、配信のタイミングや頻度など、ユーザー視点で配信内容を改善していくことが開封率の向上につながります。

また、開封の定義を正しく理解した上で、現状のLINE活用の目的やフェーズをに応じて開封率とどう向き合っていくか?を振り返ることも大切です。

株式会社ソーシャルPLUS マーケティングチーム
ソーシャルログイン・ID連携サービス「ソーシャルPLUS」のマーケティング担当。2012年4月、ソーシャルPLUSのリリースと同時に新卒入社。

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