
LINEプロモーションスタンプとは、企業が自社のプロモーションを目的に、無料のスタンプをLINEユーザーに配布し、ブランド認知を拡大できる、LINEヤフー社のプラットフォームならではの広告商品です。
当記事では、LINEプロモーションスタンプを制作・入稿する方法、プロモーションスタンプ出稿後のLINE公式アカウント活用のポイントを解説します。
独自キャラクターで制作する「企業制作」と「クリエイターコラボ」
スポンサードスタンプ、ダイレクトスタンプ、ミッションスタンプは、自社デザイナーや企業の独自キャラクターで制作する「企業制作」と、LINEヤフー社が推奨するクリエイターにスタンプ制作を依頼する「クリエイターコラボ(別途料金)」での出稿が可能です。
従量課金型CPDスタンプ(Cost Per Download)の場合、クリエイターコラボは利用できず、「クリエイターリパッケージ(50万円)」か「企業制作」で出稿できます。
自社キャラクターのスタンプを制作する方法
スタンプ自体を広告主がデザインして作る場合、LINEヤフー社の制作ガイドに記載のレギュレーションに従って制作し、それぞれ工程ごとにLINEヤフー社の審査・チェックを通す必要があります。
LINE公式アカウントの代理店・LINEパートナーがディレクションに入る場合は、LINEパートナーを介して制作を進めます。
制作期間としては、オリエン後のキャラクター提出からリリースまで8週間(約2か月)が目安となります。各工程の概要は以下となります。詳細は制作ガイドをご覧ください。
▼参照:制作ガイド

工程1:オリエン
広告主とLINEヤフー社の担当者による1時間程度のミーティングです。
広告主の実施目的、 獲得したいターゲット、連動するキャンペーンなどの有無などを確認しながら、LINEヤフー社より制作工程や、制作時に気を付けるポイントなどの説明があります。はじめてスタンプを実施する場合、オリエンの実施を推奨しています。
工程2:キャラクター審査
広告主が使用するキャラクターがLINEスタンプの機能を満たしているかの審査を行います。スタンプに使用したいキャラクターの画像と、それぞれのキャラクター名をご提出いただきます。画像の形式は問いません。
NG例:
- 文字やロゴ、商品のみで、キャラクターが存在しない
- 表情の変化が乏しい
- 手足が無い、手足のポーズが動かせない
- トンマナが異なる複数のキャラクターが混在する
- その他、LINEスタンプの機能を満たさないもの
など
工程3:バリエーション
キャラクター審査が通ったら、テキストベースでスタンプのバリエーションを決定します。
スタンプで意図するメッセージ内容、使用するキャラクター、キャラクターの表情やポーズ、文字内容、背景や小物などをできるだけ詳細に設定してエクセルファイルなどでまとめて提出します。
PR表現(自社商品など)を含める場合は、全体の1/4以内に収めてください。バリエーション提出後、NGのものやあまり使われない表現などがある場合、LINEヤフー社から個別に指摘があります。指摘を踏まえて修正し、次の工程に入ります。

工程4:白黒ラフ
前工程で決定したテキストのバリエーション案を元に、着色なし白黒でラフにてスタンプデザインを制作いただきます。
描き起こしたラフから、意図するメッセージが正しく伝わるか、スタンプを介して、送信者と受信者が同じメッセージを共有できるかがポイントになります。
スタンププレビュー機能を使用しないとメッセージ内容が理解できないようなスタンプは、使われにくいです。制作時にはトーク画面上の見え方やスタンプサムネイルでの見え方に気を付けましょう。

工程5:清書
白黒ラフを提出後、LINEヤフー社からOKがでたら、色を付けて清書していきます。
淡い色の多用でコントラストの低いスタンプは、選択画面でメッセージ内容が理解しづらく使われにくくなりますので審査時にLINEヤフー社から指摘をうけることもあります。
工程6:入稿
清書が完成してLINEヤフー社のチェックが通ったら納品データを作ります。それぞれのスタンプを、納品ガイドを参考に指定のサイズで作成、余白カットをし完成させます。完成したスタンプ画像と共にエクセルの入稿シートも合わせて提出します。
工程7:納品
入稿いただいたデータをLINEパートナーよりシステムに最終入稿し、リリースを待ちます。入稿期限はスタンプの商品ごとに異なります。
2~5の工程はレギュレーションに沿っている内容であればスキップも可能です。例えば白黒ラフを飛ばして、色を付けたデザインで制作、提出していただくこともいただくこともできます。ただ、最低でも2回はLINEヤフー社のチェックを通す必要がありますので御認識ください。
またLINEヤフー社の各工程ごとの審査・チェックは2営業日かかります。LINEヤフー社からの修正依頼などの戻しがくることを想定して、余裕を持った制作スケジュールを組みましょう。
クリエイターコラボで制作するメリットは?
自社キャラクターがいない、企業制作できない場合は、LINEヤフー社推奨のクリエイターにオリジナルスタンプ制作を依頼をすることができます。
クリエイターコラボの制作費は、クリエイターによって異なりますので詳しくはプロモーションスタンプを提供するLINEパートナーやLINEヤフー社の担当者にお問い合わせください。
クリエイターコラボを使うと、費用は掛かりますが、前章でご紹介した企業制作の作業は不要です。
制作にあたり前述の全ての工程を経ますが、基本的にレギュレーションを理解したLINEヤフー社とクリエイターが直接やりとりを行うので、出来上がったデザインをチェックする、選択するのみとなります。
また、企業制作にて企業キャラクターを使ったLINEスタンプと比較して、クリエイターコラボのLINEスタンプのほうがダウンロード数、利用(送信)数ともに高くなる傾向がありますので、プロモーションスタンプ効果が高いとも言えます。

またクリエイターは、LINEヤフー社から共有されるクリエイターリストから選択することができます。
クリエイターリストには、以下のように該当のクリエイターの過去のスタンプ制作実績と、スタンプを実際利用したユーザーの年齢・性別などを情報確認できますので、自社ブランド・商品のターゲット層に人気のスタンプを制作をしてくれるクリエイターに制作を依頼することが可能です。
▼一例

計測・レポート、取得できるデータ
LINEプロモーションスタンプのリリース後に取得できるデータは以下です。

日別、全期間合計でそれぞれの集計データを確認できます。ダウンロードした数だけではなく、実際スタンプの送信数・受信数も確認できるので、スタンプを通じた認知・拡散効果を測ることができます。
またスタンプ単位で数値を見れるので、人気のあったスタンプなどを把握して、次回スタンプ制作の参考にしていただくこともできます。
スタンプ実施後のLINE公式アカウントのメッセージ配信のポイント
プロモーションスタンプで友だちを増やした後は、LINE公式アカウントでのコミュニケーションを通じて、貴社のブランドや商品・サービスに興味を持ってもらい、興味関心を高め、ファンになってもらうことが重要です。
スタンプ配布後、ブロック率が高くなる主な理由は、友だち追加後のユーザーにあわせたメッセージ配信やリッチメニュー配信ができていないことです。
友だち追加したユーザーは自分にとってメリットがない、関心のないメッセージが届くと、ブロックをしてしまいます。せっかく予算をかけて集めた友だちがブロックしてしまうことになるのはもったいないですよね。
スタンプ配布時には、ユーザーの導線やステイタス、タイミングを意識してメッセージ配信を計画しましょう。一例としておすすめの施策を以下にご紹介します。
あいさつメッセージ
あいさつメッセージは、友だち追加後、すぐに配信される最初のメッセージです。スタンプ施策で追加された友だちにも当然配信されますので、スタンプ配信期間は、スタンプで友だち追加したユーザーにむけて、このLINE公式アカウントでどんな情報が受け取れるか丁寧に案内できるよう工夫をしましょう。
プロモーションスタンプ経路の友だちのオーディエンスを活用した配信
LINEプロモーションスタンプからの友だち追加は、「友だち追加経路」の「LINEスタンプ」で集計されます。

このスタンプ経由で友だち追加した方のオーディエンスを作成し、絞り込み配信、除外配信を行うことで、よりユーザーのモチベーションにあわせたメッセージが配信ができます。
スタンプ経由の友だちは、見込み度の低い潜在層ととらえ、まずは認知・興味をもってもらうメッセージ配信でリード醸成を行い、スタンプ以外の経路から友だち追加したユーザーは、見込度の高い検討顧客ととらえて商品訴求やセール、クーポンキャンペーンメッセージを送って購入を促すなどといった施策の切り分け実行も効果的です。
例)
・スタンプ経由の友だちのみに、お試しサンプルをプレゼントキャンペーンのメッセージを配信する
・スタンプ経由の友だちのみを除外して、期間限定セールを情報を配信する
最後に
LINEのプロモーションスタンプは、種類と目的を理解して使っていただくと、御社の新規ユーザー獲得、売上獲得につながる施策となります。スタンプの無料ダウンロードをきっかけに友だち追加したユーザーであっても、自分にとって便利であったり、お得な情報が届くなどメリットを感じてもらうことでLINE公式アカウントの友だちでいてくれます。
プロモーションスタンプは、予算も工数もかかります。効果を高めるためにも、「LINE公式アカウントの友だちにどういったアプローチをして購買につなげていくか」についても併せて設計しましょう。