
「応募や登録はあるのに、その後の面談設定・応募・選考がなかなか続かない」
「メールは開かれず、電話はつながらない。連絡が届かないうちに途絶えてしまった」
求人サイトや人材紹介の現場で、連絡がうまく取れず、応募があっても面談や選考へと進まないといった悩みは、多くの担当者に共通する課題です。その解決策として選ばれているのがLINEです。
人材業界でLINE活用の成果を分けるのは、求職者一人ひとりに合わせたパーソナライズです。
この記事では、人材業界でLINE活用が広がる理由から、成果を左右するパーソナライズの考え方、そして現場で使える具体的な施策までを、求人・就活サービスや人材紹介のLINE活用事例を交えて解説します。

人材業界でLINE活用が広がる理由
求職者にとってもLINEは身近なツール
LINEの国内月間利用者数は、2025年12月末時点で1億ユーザーを突破しました(LINEヤフー発表)。日本の人口の約8割以上に利用され、世代を問わず日常的なコミュニケーション手段として定着しています。普段から使い慣れたツールだからこそ、求職者にとっても連絡に気づきやすく、返信しやすい手段といえます。
さらに、LINEは連絡を送るだけでなく、そのまま行動につなげやすい点も特長です。 プッシュ通知で見落とされにくく、手元ですぐに内容を確認できるため、求人への応募や会員登録、面談予約などのアクションにもスムーズにつながります。
メール・電話だけでは、反応が得られないことも
ソーシャルPLUSのお客様からも、メールや電話では求職者と連絡がつながりにくく、応募後の面談設定や選考継続の歩留まりが伸び悩むといったご相談をいただくケースが増えています。背景には、複数の転職サービスを併用する求職者が多く、大量のスカウトや求人メールに埋もれやすいことや、在職中の転職活動では電話に出られる時間が限られることなどがあると考えられます。
連絡の行き違いは機会損失につながりかねません。こうした背景から、求職者が普段から使い慣れており、連絡にも気づきやすいLINEが活用されています。
【事例:dodaキャンパス(株式会社ベネッセi-キャリア)】
学生がメールをほとんど見ないという課題に対し、逆求人型の就活サービス「dodaキャンパス」では、企業からの未読オファーをLINEで通知するようにしました。さらに学生の卒業年度に応じて配信内容を出し分けたところ、未読オファーがあった学生の開封率が約10%改善しました。
(大学生の意欲に合わせた施策は試行錯誤の連続。逆求人型の就活サービス「dodaキャンパス」が実践するLINE活用の裏側)
接点をつくりやすい
LINE公式アカウントは、QRコードの読み取りやボタンのタップだけで友だち追加が完了し、会員登録のようにフォーム入力を必要としません。求職者にとって心理的なハードルが低く、企業側も早い段階で求職者と接点を持てる点が、他の連絡手段にはない強みです。
人材業界のLINE活用で大切なのはパーソナライズ
人材業界でLINE活用を成果につなげるには、求職者一人ひとりに合わせて情報を届けることが重要です。大きく理由は2つあります。
理由1.希望条件が一人ひとり異なる
ひとつは、希望条件が人によって千差万別であることです。希望する職種・勤務地・給与・雇用形態・ライフスタイルは一人ひとり異なり、自分に関係のない求人が届けば、それはただのノイズになってしまいます。
理由2.求職フェーズによって必要な情報がかわる
もうひとつは、求職活動には“期間”があることです。求職者が情報を求めているのは、基本的に転職・就活の意向がある期間に限ります。また、情報収集段階なのか、いますぐ就職したいのかなど、求職のフェーズによっても必要な情報は異なります。
だからこそ、求職者とのコミュニケーションで大切なのは、求職者ごとのパーソナライズです。必要な人に、必要な情報だけを、必要なタイミングで届ける。これがブロックを防ぎ、反応率を高め、歩留まりの改善につながります。
人材業界でLINEを活用したパーソナライズ配信する4つの方法
パーソナライズを実現するには、まず、求職者一人ひとりの希望や状況を把握する必要があります。
ここでは、比較的導入しやすいものから、より高度なパーソナライズを実現できるものまで、4つの方法を紹介します。
方法①:LINE上でアンケートを取る
もっとも手軽に始められる方法が、LINE上でのアンケートです。 友だち追加後に希望職種や希望勤務地、求職の温度感などを回答してもらい、その内容をもとに配信を出し分けます。
求職者本人が入力した情報をもとにするため、希望条件に合わせた配信を比較的簡単に実現できます。また、システム開発を必要としないLINEマーケティングツール(例:Message Managerなど)を利用すれば、すぐに始められる点もメリットです。
一方で、回答時点の情報しか取得できないため、時間の経過とともに実態とずれてしまう可能性があります。また、アンケートに回答していない求職者には配信を出し分けられません。

方法②:診断コンテンツを活用する
求職者が楽しみながら回答するなかで、自然に属性情報を収集できるのが診断コンテンツです。 適職診断やタイプ診断など、いくつかの質問に答えてもらい、その回答や診断結果に応じて配信を出し分けます。
「答えると結果がわかる」という体験は参加ハードルが低く、アンケートより回答率が期待できるケースもあります。診断結果に合わせておすすめ求人を紹介すれば、応募につなげることも可能です。
一方で、取得できる情報は回答時点の内容に限られます。また、診断設計や結果パターンの作り込みに工数がかかる点も考慮が必要です。

方法③:閲覧した求人情報に応じたリマインド配信を実施する
アンケートや診断が「求職者にヒアリングする」方法なのに対し、これは「求職者の行動を活用する」方法です。
求人詳細を閲覧したものの応募しなかった求職者に対し、リマインドメッセージを配信します。
求職者自身が興味を示した求人に対するリマインド配信のためミスマッチが起きにくく、関心が高いタイミングを逃さず応募を後押しできます。
この方法は、サイトに専用タグを設置するだけで実施できるため、比較的導入しやすい点がメリットです。一方で、サイトの改修や開発対応が必要になる場合があります。
方法④:会員IDとLINEのIDを連携する(ID連携)
ここまで挙げた3つの方法は、比較的手軽に、求職者のニーズや行動にあわせたセグメント配信ができる点でいずれも有効です。一方で、得られる情報が一時点のものにとどまったり、求職者による積極的な回答や求人情報の閲覧が前提となるため、鮮度とデータ取得の面で課題が残ります。これらを解決するのが、自社の会員IDとLINEのIDをひもづける「ID連携」です。
ID連携をすると、「どの会員が、どの友だちか」を識別できるようになります。これにより、自社の会員基盤に蓄積された顧客データ、つまり、会員登録時の希望条件や属性といったデータをLINE配信に活用できるようになります。しかも、求職者がサイト上で情報を更新すれば配信にも反映されるため、常に最新の状態を保てます。
LINEログインなら、友だち追加とID連携を会員登録フローの中で一度に完了できる
ID連携を進めるうえで有効なのが、LINEログインです。LINEログインを活用すれば、会員登録という温度感の高いタイミングで、会員登録・友だち追加・ID連携が一度に完了します。

これは、企業と求職者の双方にメリットがあります。企業にとっては、特別な施策をうたずとも、会員データとLINEのユーザーIDを紐付けた状態を最初から築けるため、一人ひとりの求職者に合わせて配信できるLINE CRMの基盤が整います。
求職者にとっては、IDやパスワードの設定不要でLINEアカウントを利用して再ログインできる手軽さがあります。双方にとって無理のない形でパーソナライズの土台を築けるのが、LINEログインの強みです。
転職サイト「女の転職type」では、LINEログインの活用で友だち数は約2倍に増え、そのうち8割以上がLINEログイン経由での登録でした。
また、ID連携によって会員データ・行動データをLINEに結びつけ、サイト上でアクティブな会員に向けた配信を強化しました。
ID連携を活かし、行動データに即したメッセージ配信を強化したことで、LINE経由の応募数が2年で約7倍に伸びています。

求職者との接点づくりに役立つLINE機能
パーソナライズ配信のほかにも、求職者との接点づくりや、その後のコミュニケーションに役立つLINEの機能があります。ここでは、まだ友だちになっていない求職者へのアプローチに活用できる「LINE通知メッセージ」と、友だち追加後のコミュニケーションに役立つ「リッチメニュー」を紹介します。
友だちでない求職者にも届く「LINE通知メッセージ」
LINE公式アカウントの配信は、基本的に友だち追加してくれた人にしか届きません。
一方、人材業界では、他社の求人媒体経由で登録した人や、セミナー・登録会などで接点を持った人など、電話番号は把握しているものの、LINEの友だち追加には至っていないケースも少なくありません。
電話をかけてもつながらない、メールを送っても見てもらえないなど、コミュニケーション手段が原因で連絡が取れなくなることもあります。 せっかく接点があるにもかかわらず、そのままコミュニケーションが途絶えてしまうのは大きな機会損失です。
そこで有効なのがLINE通知メッセージです。電話番号をもとに、友だち追加していないユーザーにも応募や申し込みの完了通知、イベントのリマインドなどの通知をLINEで届けられるサービスです。
さらにLINE通知メッセージをきっかけにLINE公式アカウントの友だち追加も見込めます。

医療福祉業界専門の転職エージェント「グロウトレイル」では、応募が完了した求職者への申込完了通知を、これまでのSMSや電話に代えてLINE通知メッセージで送るようにしました。その結果、面談予約率が約69%から約82%へと13ポイント近く改善しています。さらに、この通知をきっかけに友だち追加も進み、その後の説明会やセミナー案内など、継続的なコミュニケーションの入口にもなっています。応募後の歩留まりを改善しながら、友だちも増やせた事例です。
求職者に合った入口を用意する「リッチメニュー」
リッチメニューは、トーク画面の下部に常設されるメニューです。求職者がいつでも必要な情報にたどり着ける入口になる上に、相手によって表示を出し分けることもできます。
新卒向けの逆求人型就活サービス「dodaキャンパス」では、タブ型のリッチメニューで「会員の方」と「会員登録がまだの方」それぞれに向けたコンテンツを配置しています。会員は「キャリアノートの更新」や「オファーチェック」をLINEから行える導線を表示、未会員には登録メリットやイベント情報の導線で会員登録やイベント参加を促しています。

リッチメニューは、アクションを促す方法としても活用できます。
アスプラ(女子キャリ就活)では、まだID連携が済んでいない学生に「鍵付き」のリッチメニューを表示し、連携すると使えるメニューが解放されるしくみを導入しています。
ID連携の特典として「自己PR・ガクチカ例文集」をプレゼントするインセンティブを用意することが相乗効果となって、ID連携が進みました。

人材業界でのLINE活用事例
最後に、人材業界で実際にLINE活用の成果を上げている事例を紹介します。自社に近い業態や取り組みから、導入のイメージをつかんでいただけるとうれしいです。
女の転職type|LINEログインとID連携でLINE経由の応募数が2年で約7倍に
会員登録フォームでLINEログインを訴求し、友だち数を約2倍に。
ID連携で会員データ・行動データをLINE配信に活用し、閲覧や応募に基づくパーソナライズ配信を強化した結果、LINE経由の応募数は2年で約7倍に伸びました。
dodaキャンパス|未読オファーをLINE通知し、開封率が約10%改善
メールを見ない学生に向け、企業からの未読オファーをLINEで通知。
卒業年度ごとに配信を出し分けたことで、未読オファーがあった学生の開封率が約10%改善しました。
会員/非会員でリッチメニューを出し分け、サービス利用の導線も最適化しています。
女子キャリ就活(アスプラ)|ID連携で学年・エリア・就活フェーズに応じた配信を実現
友だち追加の約80%をLINEログイン経由で獲得しています。ID連携を活用し、会員データをAPI経由でタグ付けすることで、学年・エリア・就活フェーズごとのパーソナライズ配信を実現しています。鍵付きリッチメニューと連携特典で、ID連携も促進しています。
ジョブメドレー|求職者の希望に寄り添った配信でLINE経由の問い合わせは右肩上がりに増加
全員への一斉配信は行わず、登録条件に基づくパーソナライズ配信のみを徹底しています。幅広い年齢層・専門職種のそれぞれに「役に立つ情報か」を軸に運用し、求職者の希望に寄り添った配信とID連携の促進によって、LINE経由の問い合わせは右肩上がりに増加しました。
グロウトレイル|LINE通知メッセージで面談予約率が約69%→約82%に改善
応募完了の通知を、SMSや電話からLINE通知メッセージに切り替えたことで、面談予約率が約69%から約82%へと改善しました。さらに、この通知をきっかけに友だち追加も進み、その後は継続的にLINEでコミュニケーションを取れるようになっています。
スポナビ|LINEログインで会員登録・再ログインの手間を軽減
LINEログインの導入で、会員登録や再ログインの手間を軽減し、サービスの繰り返し利用を促進。連携した会員情報をもとに、セグメント配信を行っています。
まとめ:パーソナライズで、一人ひとりに必要な情報を届ける
人材業界で成果につながるLINE活用のポイントは、求職者一人ひとりに必要な情報を、必要なタイミングで届けることです。
そのための方法は、アンケートや診断、閲覧落ちリマインド配信など、取り組みやすい施策から始められます。さらに、自社に蓄積された会員データや行動データを活用し、より精度の高いパーソナライズを実現するには、ID連携が土台となります。
まずは、自社の課題や運用体制に合った方法から取り入れ、求職者一人ひとりに寄り添ったコミュニケーションを実現してみてはいかがでしょうか。
ソーシャルPLUSは、LINEログイン/ID連携の導入・実装支援を通じて、人材・求人サイトのLINE活用を数多く支援してきました。
LINEをこれから始めたい、いまの配信を見直したい、パーソナライズに取り組みたいなど、人材業界での課題や状況にあわせてご提案が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。











