
Shopifyストアに「LINEログイン」を導入したいというご要望は年々増えています。
実際、ソーシャルログインの導入は増加が続いています(ソーシャルログイン利用状況調査2025)。理由はシンプルで、メールアドレスやパスワードの入力をなくし、LINEアカウントひとつで会員登録・ログインが完了するため、会員登録率やCVR(購入率)の改善が期待できるからです。
ただし2026年、Shopifyの認証(お客様アカウント)の仕組みそのものが刷新され、LINEログインの実装方法も大きく変わりました。以前の情報のまま設定しようとすると、うまくいかないケースも少なくありません。
この記事では、ShopifyでLINEログインを導入する上での仕組みやメリット、実装方法、注意点を解説します。
ShopifyにおけるLINEログインとは?
LINEログインとは、LINEアカウントを使ってWebサイトやアプリにログイン・会員登録できる「ソーシャルログイン」の一つです。
Shopifyのストアに導入すれば、お客様はLINEアカウントひとつでストアに会員登録・ログインでき、その流れの中で「LINE公式アカウントの友だち追加」と「ID連携」を同時に完了できます。

ShopifyにLINEログインを導入する3つのメリット
メリット1. 会員登録率・CVRの改善
通常、会員登録フォームは、姓名や電話番号、住所などの入力項目が増えるほど、お客様の負担が大きくなり、登録途中の離脱につながりやすくなります。
一方で、LINEログインを利用すれば、LINEに登録されている情報を取得してフォームに自動入力できるため、入力の手間を大幅に削減し、会員登録時の離脱防止につなげられます。
メリット2. 2回目以降のログインがラクになる
新しいお客様アカウントの標準ログインは「メールアドレス+ワンタイムパスワード(OTP)」のため、ログインのたびにメールを開いてコードを入力する必要があります。
LINE連携済みのお客様なら、2回目以降のログイン時は本人認証がLINEで完結し、OTP入力なしで再ログインできます。
メリット3. LINE連携からCRM・販促につながる
LINEログインをきっかけにShopifyの顧客データとLINEのIDが連携されると、購買データをもとにしたLINEメッセージのセグメント配信や、Shopify Flowと連携した自動配信(カゴ落ちリマインド、購入後フォローなど)へと施策を広げられます。
実際、CRM PLUS on LINEを導入しているストアでは、LINEのリマインド配信で高いCVR(購入率)が出ています。
| 配信シナリオ | CVR(導入済みストアの平均) |
|---|---|
| 再入荷通知 | 15〜19% |
| 閲覧商品リマインド | 2.3〜3.5% |
| カートリマインド | 15%前後 |
| チェックアウトリマインド | 15〜20% |
※上記は自社導入ストアにおける配信シナリオ別のCVR実績値(平均)であり、成果を保証するものではありません。数値は配信対象・商材・時期などの条件によって変動します。
ShopifyでLINEログインを導入するために必要なもの
ShopifyでLINEログインを実装するにあたって、まず確認しておきたいのが次のポイントです。
Shopify Plusの契約
LINEログインの導入でよく確認されるのが、Shopify Plusの契約が必要かどうかです。
新しいお客様アカウントでLINEログインを実現するには、独自のIDプロバイダーをShopifyのお客様アカウントに接続する必要があります。
この接続機能は、Shopify公式ドキュメントでも「Shopify Plusプランでのみ利用可能」と案内されています。
参照:Connecting your own identity provider to customer accounts|Shopify Help Center
そのため、OIDC対応アプリや外部IDプロバイダーを利用してLINEログインを導入する場合は、Shopify Plusの契約が前提となります。導入を検討する際は、まず現在利用しているShopifyプランを確認しましょう。
お客様アカウントのバージョン
現時点では、従来のお客様アカウントとMultipassを組み合わせた実装も可能です。
ただし、従来のお客様アカウントは非推奨化が進んでいるため、これから新たに導入する場合は、OIDCに対応した「新しいお客様アカウント」での実装を推奨します。
OIDC対応アプリ/外部IdP
新しいお客様アカウントでLINEログインを実現するには、CRM PLUS on LINEなどのOIDCに対応したアプリや、外部IDプロバイダーの導入が必要です。
外部IDプロバイダーは、Shopifyに代わって会員登録やログイン時の認証を行い、認証したユーザーの情報をShopifyへ連携します。Shopifyは受け取った情報をもとに顧客を特定し、新しいアカウントの作成や既存アカウントへのログインを行います。
利用するサービスによって、対応しているログイン方法や会員登録フォームの入力項目、既存顧客との照合方法などは異なります。
そのため、LINEログインに対応しているかだけでなく、自社が必要とする会員登録・ログインの要件を満たせるか、事前に確認することが重要です。
また、LINEログイン自体は実装できても、その後のLINEメッセージ配信や顧客データを活用した施策まで想定されていない外部IDプロバイダーもあります。
導入後に、セグメント配信や個別メッセージ、各種通知など、どのような施策まで実施できるのかも、サービスを選ぶうえで重要な判断材料となります。
ShopifyでLINEログインを実装する4つの方法
ひとくちにLINEログインと言っても、実現方法は複数あります。
利用しているお客様アカウントの種類やShopify Plusの契約状況、必要な機能によって、適した方法が異なります。
ここでは、代表的な4つの方法を比較します。
| 実装方法 | 対応アカウント | Shopify Plus | ログインUI | 特徴・注意点 |
|---|---|---|---|---|
| ① OIDC対応アプリ(CRM PLUS on LINE など) | 新しいお客様アカウント | 必要 | IdP側の仕様に準拠 | 運用が容易。LINE連携・CRM施策まで一貫。 現在の推奨 |
| ② Multipass API | 従来のお客様アカウント(レガシー) | 必要 | 柔軟 | 新アカウント非対応・廃止方針。新規実装は非推奨 |
| ③ Shopify標準のみ | 両方 | 不要 | ― | Shopify標準のログイン方式(メールOTP等)のみ。LINEログインなど他のログイン方法は提供されない |
| ④ 汎用ソーシャルログインアプリ | アプリによる | アプリによる | アプリによる | ログイン情報の保存先・セキュリティに要注意 |
実装方法を選ぶ際の目安
これから新たにLINEログインを導入する場合や、新しいお客様アカウントを利用する場合は、OIDCに対応したアプリや外部IDプロバイダーを選ぶことが基本です。
すでに従来のお客様アカウントとMultipassを組み合わせてLINEログインを運用している場合は、すぐに利用できなくなるわけではありません。ただし、将来的な新しいお客様アカウントへの移行を見据え、OIDC方式への切り替えを検討する必要があります。
また、アプリを選定する際は、LINEログインに対応しているかだけでなく、以下の点も確認しましょう。
- 顧客情報やログイン情報がどこに保存されるか
- 新しいお客様アカウントに対応しているか
- 既存顧客のアカウント情報を引き継げるか
- LINE ID連携やセグメント配信など、その後のCRM施策にも活用できるか
Shopify標準機能だけでLINEログインはできる?
Shopify標準の認証では、LINEログインは提供されません。標準では、メールアドレス宛の6桁ワンタイムコード(OTP)や、Shop・Google・Facebookなどのログイン方式が用意されています。
LINEログインを使わずにID連携を促す方法
LINEログインを導入する主な目的が、Shopifyの顧客情報とLINEのユーザーIDを連携することであれば、別の方法でID連携を促すことができます。
たとえば、サンクスページやマイページにID連携の導線を設置することで、Shopify Plusを利用していないストアでも、友だち追加やID連携を進められます。ID連携後は、購買データを活用したセグメント配信や、カゴ落ち・再入荷通知などのLINE施策にもつなげられます。
そのため、LINEログインが必須なのか、それともID連携を増やせれば目的を達成できるのかを整理したうえで、導入方法を検討することが重要です。
ShopifyのLINEログイン実装はMultipassからOIDCへ
2026年2月26日、Shopifyは従来の「お客様アカウント」を非推奨化(deprecated)し、最新版の「お客様アカウント」への移行を推奨する方針を発表しました(Shopify公式アナウンス)。新規ストアは従来版(レガシー)を利用できず、既存ストアも将来的な移行が必要で、完全な廃止日は2026年内に発表されるとされています。(2026年7月時点)
なお、この最新版はもともと「新しいお客様アカウント(new customer accounts)」と呼ばれていたもので、現在のShopify公式では単に「お客様アカウント(最新版)」と表記されることもあります。本記事では、検索でなじみのある「新しいお客様アカウント」に表記を統一します。
実装への影響は明確です。これまでのMultipassが使えなくなり、OpenID Connect(以下、OIDC)に準拠した外部IDプロバイダー(以下、外部IdP)としてShopifyに接続する方式に変わりました。 いまShopifyでLINEログインを検討するなら、新しいお客様アカウント+OIDCを前提に設計する必要があります。
Shopifyの新しいお客様アカウントでLINEログインが動く仕組み
Shopifyの新しいお客様アカウントでは、通常はShopify自身がIDプロバイダー(IdP)となり、ユーザーの認証を行います。
LINEログインを導入する場合は、OIDCで接続した外部IdPがShopifyに代わって認証を行う構成になります。
登場する3つの要素
- Shopify:ログイン導線の提供、顧客情報の管理、ログイン後のセッション管理
- 外部IdP(CRM PLUS on LINE など):ログイン・会員登録画面の提供、認証処理
- LINE:LINEアカウントによるユーザー認証
ユーザーがログインを開始すると、Shopifyは外部IdPへ認証をリクエストします。外部IdPは、LINEを通じてユーザーを認証し、そのユーザーを特定するための情報をShopifyへ返します。
Shopifyは受け取った情報をもとにお客様を特定し、アカウントの新規作成または既存アカウントへのログインを行います。
そのため、実際のログイン画面・入力UI・対応するログイン方式(ソーシャルログイン含め)の種類は、Shopifyではなく外部IdP側の仕様に依存します。
エンドユーザー目線での会員登録の流れ
会員登録フォームに入力されたメールアドレス宛に認証コードを送信し、本人確認を行います。「LINEで登録する」では、LINEから取得したメールアドレスをフォームに自動入力し、会員登録完了と同時にLINEのID連携が完了します

エンドユーザー目線でのログインの流れ
メールアドレスでログインする場合は、認証コードで本人確認を行います。「LINEでログイン」の場合は、LINEでの認証・認可が完了次第、マイページへ自動でログインします。

CRM PLUS on LINEでShopifyにLINEログインを設定する手順
設定は大きく次の流れで進めます(詳細は画面つきのマニュアルを参照してください)。
- Shopify Plusの契約と、新しいお客様アカウントの利用状況を確認する
- CRM PLUS on LINEで対象プラン(Advanced)と必要設定を確認する
- CRM PLUS on LINE側でOIDCの接続情報(Discovery URL / Client ID / Client Secret など)を確認する
- Shopifyの設定画面内の「お客様アカウント」からIDプロバイダーを接続する
- Shopifyで発行されたコールバックURL/ログアウトURLを、CRM PLUS on LINE側に登録する
- メールログイン/LINEログインの動作を確認(テスト接続)する
- 本番公開後、ログイン・会員登録・ID連携の状況を確認する
すでにMultipassでLINEログインを使っている場合の移行ポイント
従来のお客様アカウントとMultipassを組み合わせてLINEログインを運用しているストアでは、新しいお客様アカウントへの移行にあわせて、認証方式をOIDCへ切り替える必要があります。
従来のお客様アカウントは2026年2月に非推奨となっており、今後は新しいお客様アカウントを前提とした機能提供へ移行していくことが想定されます。
そのため、現在すぐにMultipassが利用できなくなるわけではありませんが、早めに移行方針を整理しておくことが重要です。
移行時には、主に以下の点を確認します。
- 現在のLINEログインや会員登録フローをOIDCで再現できるか
- 既存顧客が移行後も同じ顧客情報でログインできるか
- LINE ID連携の状態を引き継げるか
- ログイン画面や会員登録フォームの変更が顧客体験に影響しないか
- Multipassを利用しているほかの会員サイトやアプリへの影響がないか
特に、認証方式を切り替えるだけでなく、既存顧客のアカウント情報やLINE ID連携をどのように引き継ぐかを整理する必要があります。移行前には、現在のログイン導線や連携機能を棚卸しし、利用中のアプリや開発会社へ対応状況を確認しましょう。
新しいお客様アカウントへの移行判断や確認項目については、別記事「Shopifyの新しいお客様アカウントとは?」で詳しく解説しています。
導入前に知っておきたい注意点・つまずきポイント
ログイン画面や会員登録フォームを自由にカスタマイズできるとは限らない
新しいお客様アカウントで外部IDプロバイダーを利用する場合、実際のログイン画面や入力項目、画面遷移は、Shopifyではなく外部IdP側の仕様に準拠します。
そのため、ストア独自のデザインをそのまま再現したり、任意の入力項目を自由に追加したりできない場合があります。導入前に、ロゴやカラーの変更範囲、取得できる顧客情報、画面遷移などを確認しておきましょう。
LINE未連携のお客様は、初回にメールアドレスと認証コードによる本人確認が必要になる
既存のShopify顧客情報とLINEアカウントを安全に紐づけるため、初回からLINEの認証だけでログインできるわけではありません。
会員登録フォームに入力されたメールアドレス宛に認証コードを送信し、本人確認が完了した後にLINE ID連携を行います。一度連携が完了すれば、2回目以降はLINE認証によって、認証コードを入力せずにログインできるようになります。
こちらも外部IDプロバイダとして接続するサービスの仕様に依存するので確認が必要です。
LINEアカウントだけで新しい顧客アカウントを作成することはできません
Shopifyでは顧客アカウントの特定や既存顧客との照合にメールアドレスを使用するため、会員登録時にはメールアドレスが必要です。「LINEで登録する」を選んだ場合でも、LINEから取得したメールアドレスを利用するか、取得できない場合はお客様自身に入力してもらう必要があります。
そのため、導入前には「LINEだけで登録・ログインを完結させたいのか」「初回のみメール認証が入っても問題ないのか」を整理し、実際の会員登録・ログインフローが自社の要件や顧客体験に合っているか確認することが重要です。
まとめ
いまShopifyでLINEログインを導入するなら、新しいお客様アカウント+OIDC(外部IdP)を前提に設計するのが基本です。実装方法は複数ありますが、新しいお客様アカウントで実現するにはOIDC対応アプリの利用が必要で、外部IdPの接続には原則としてShopify Plusが前提となります。導入のハードルはあるものの、一度LINE連携が済んだお客様は再ログインがスムーズになり、会員化やCRM施策の入り口として引き続き有効です。




