
Shopifyが年2回発表する、新機能やアップデートのまとめ「Shopify Editions」。今春、「Spring ’26 Edition」が公開されました。今回も、日々のストア運営や顧客体験の向上につながる多彩なアップデートが発表されています。
一方で、「アップデートの対象範囲が広く、すべてをキャッチアップするのは大変」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、Spring ’26 Editionのなかから、CRM PLUS on LINEをご利用の皆さまに、周辺知識として押さえていただきたいアップデートをピックアップしてご紹介します。ぜひ情報収集にお役立てください。
※本記事は2026年8月時点の公開情報をもとにしているため、実際の利用可否についてはShopify管理画面と各サービスの最新情報をご確認ください。
はじめに
Shopify日本法人は6月18日、「Spring ’26 Edition: Everywhere」を発表しました。
今回のSpring ’26 Editionで、個人的に最も注目したのはエージェンティックコマースです。ブランドを知らないユーザーに対しても、AIとの会話の中で商品が比較対象やおすすめとして提示され、さらにストアを訪れることなくチャット上で購入まで完了できるようになります。
ShopifyとGoogleを中心に、他のプラットフォームも巻き込みながらエージェンティックコマースを推進していく強い姿勢を感じました。日本では利用できる販売・決済機能にまだ制限があり、早くフル活用できるようになってほしいところです。
Shopify分析やSidekickの品質向上といった地道な改善も含め、派手な新機能だけでなく、日々の運用を着実に便利にしている点にも注目です。
顧客アカウント・ログイン関連
今回のアップデートの中で、CRM PLUS on LINEへの影響が特に大きいのが、お客様アカウント・ログイン関連です。
CRM PLUS on LINEでは、Shopify PlusストアにおいてCRM PLUS on LINEを外部IDプロバイダーとして設定し、Shopifyのお客様アカウントにLINEログインを導入できます。ログインの仕様や画面構成が変わると、LINEとのID連携率、会員登録率、マイページの利用率にも影響するため、優先的に確認しておきたいアップデート項目です。
新しいお客様アカウントに関する解説は、以下のブログ記事で紹介しています。
Refreshed customer accounts(お客様アカウントの刷新)
Shopifyのお客様アカウントが、モバイル利用を重視したデザインに刷新されました。
スマートフォンで操作しやすいインラインナビゲーションが採用されたほか、注文詳細や注文に対するアクションも整理されています。まだ注文履歴のないユーザーには商品レコメンドを表示できるなど、単なる注文確認ページではなく、再訪・再購入の接点として活用しやすい画面になっています。

▶︎Customer accounts get a design uplift|Shopify Changelog
CRM PLUS on LINEでは、お客様アカウントのマイページにLINEのID連携・連携解除の導線を設置できます。今回のデザイン変更後も、ID連携ブロックが意図した位置に表示されているか、スマートフォンで操作しやすいかを合わせて確認してみてください。
Customized branding across checkout, accounts, and sign-in(チェックアウト・アカウント・ログインのブランディング)
チェックアウト、顧客アカウント、サインイン画面のロゴ、カラーなどを、一貫したブランド設定で管理しやすくなりました。新しいお客様アカウントへの移行後もブランドらしさを表現でき、ストアのデザインに統一感を持たせられます。
標準機能を利用せずに外部IDプロバイダーに接続する場合、外部IDプロバイダー側でログインページなどのデザインを調整する必要があります。CRM PLUS on LINEでは直近のリリースでログイン・会員登録ページのロゴ、ファビコン、背景色、ボタンの背景色、文字色を設定できる機能アップデートを行いました!
365-day sessions for customer accounts(お客様アカウントにおける365日間のセッション維持)
Shopify標準のお客様アカウントでは、お客様のログインセッションを最大365日間維持できるようになりました。再訪時に認証コードの入力を求められる頻度が下がり、注文履歴の確認やプロフィール編集、再購入をスムーズに行いやすくなります。
▶︎Shopify Help Center|お客様アカウント
ただし、CRM PLUS on LINEのような外部IDプロバイダーとして利用している場合、Shopify標準の365日間という仕様が、そのまま適用されるとは限りません。
外部IDプロバイダー利用時のセッションはデフォルトで90日間とされており、アクセストークンやリフレッシュトークンの有効期間もセッションの長さに影響します。リフレッシュトークンが発行されない場合は、アクセストークンの有効期限が切れた時点で再ログインが必要になることもあります。
▶︎Shopify Help Center|お客様アカウントのIDプロバイダーを連携および管理する
マーケティング・配信関連
Spring ’26 Editionでは、Shopify管理画面から利用できるマーケティングチャネルが増え、AIによるキャンペーン運用も本格化しています。
CRM PLUS on LINEを利用しているストアでは、Shopifyのメール、SMS、WhatsApp、広告とLINE配信が並行して動くことになります。各チャネルを個別に最適化するだけでなく、配信対象やタイミングを調整し、より効果的にメッセージを届けるための機能も強化されています。
Introducing Campaign Autopilot(Campaign Autopilotのご紹介)
Campaign Autopilotは、Shopify管理画面上でAIがマーケティングキャンペーンの作成と運用を支援する機能です。

ストア側が予算、ルール、承認条件を設定すると、Campaign AutopilotがMeta広告、Shop Campaigns、メールなどを横断して施策を構築し、パフォーマンスに応じて予算配分などを継続的に調整します。現時点では早期アクセスとして提供され、対象ストアや利用可能なチャネルは地域によって異なります。
従来のレポート機能でもコンバージョンなどの成果を確認できますが、Campaign Autopilotでは複数チャネルのパフォーマンスを横断的に捉えながら、キャンペーン運用そのものの改善を支援する点が特徴です。
▶︎https://www.shopify.com/jp/blog/introducing-campaign-autopilot
Sidekick・Shopify Flow・運用効率化関連
前回はSidekickを中心に、運用効率化につながる新機能が多数発表されました。今回は既存機能をさらに使いやすくするアップデートが多く、Sidekickを活用した作業がよりスムーズになっています。
Sidekick works with your apps(Sidekickがアプリと連携)、Multi-task with Sidekick(Sidekickでマルチタスクを実行)
例えば「特定のアプリと組み合わせたワークフローを作成したい」とSidekickに依頼した際、未インストールのアプリが候補として表示されたり、指定していないアプリを組み込んだワークフローが作成されたりすることがありました。
今回のアップデートにより、Sidekickのアプリ拡張機能を通じてアプリ内でSidekickを直接利用できるようになったほか、ワークフローでも意図したアクションを設定しやすくなりました。
また、「Multi-task with Sidekick(Sidekickでマルチタスクを実行)」のアップデートにより、ウィンドウを閉じた後もSidekickがバックグラウンドで作業を続けられるようになりました。
CRM PLUS on LINEでは、Shopify Flowのワークフローを活用した施策をブログで紹介しています。こうした機能を利用することで、Shopify Flow上でのワークフロー構築もこれまで以上に進めやすくなっています。
Automation tests with Sidekick(Sidekickを使用したオートメーションテスト)
Shopify Flowのワークフローをテストする際に、Sidekickにシミュレーション用のテストイベントを生成してもらえるようになりました。
例えば、「注文が作成されたとき」のワークフローに対して、条件を満たす注文と満たさない注文のテストイベントをSidekickが生成します。それぞれがどの条件分岐を通るのか、正しい変数が使われているかを画面上で確認できます。


▶︎Shopify Help Center|Shopify Flowでワークフローをテストする
ただし、実行したいアクションまで確認できるテストデータが、必ずしも生成されるわけではありません。実際のアクションの動作や、ワークフローに設定したLINEメッセージの見栄えまで確認したい場合は、別途配信テストを行う必要があります。
ワークフローやメッセージのテスト方法は、以下の記事で紹介しています。
Version history in Shopify Flow (バージョン履歴)
ワークフローの変更履歴などがバージョンとして残るようになりました。作業したスタッフ名も紐づいているので、誰が・いつ・どのような操作をしたのかを確認することができるようになりました。
少し前までは、オフ状態のワークフローへの変更は履歴が残らなかったのですが、最近のアップデートでオフ/オン操作も含めて履歴に残るようになったため、より遡りやすくなりました。
※このアップデートが適用される以前の変更操作については、履歴に表示されるものとされないものがあるのでご注意ください。
▶︎Shopify Help Center|Shopify Flow のワークフローのバージョン履歴を確認する

ヘルプセンターに記載があるように、手動操作でのロールバックには対応していないですが、Sidekickに尋ねることで戻すことができるようです。
オンラインストア
Stacking multiple product discounts (複数の商品ディスカウントの併用)
同じ商品に対して、複数の商品ディスカウントを重ねて適用できるようになりました。たとえば、「ロイヤリティプログラムの会員限定10%OFF」と「期間限定1,000円OFF」といった異なる商品ディスカウントを、同じ商品に併用できます。
CRM PLUS on LINEでも、LINEのID連携者を対象としたクーポン施策は定番です。一方で、ストア側でロイヤリティプログラムやキャンペーンを実施している場合、複数のディスカウントを併用できず、どちらか一方を選択しなければならないケースもありました。
今回のアップデートにより、既存の会員特典を維持しながらLINE連携者向けのクーポンを追加するといった、複数の施策を組み合わせやすくなります。
※同じ商品に複数の商品ディスカウントを適用する機能は、Shopify Plusプランが対象です。
▶︎Shopify Help Center|ディスカウントの組み合わせ
Analytics filtered by metafields (メタフィールドによるストア分析の絞り込み)
メタフィールドの値を使用して、商品・顧客・注文をフィルターすることができるようになりました。これまでのストア分析では、”顧客にカスタムで付与できるデータ”を使用したフィルターは難しかったので、より分析のセグメント分けなどがやりやすくなりました。
CRM PLUS on LINEでも、LINE連携しているユーザーのIDをメタフィールドに格納していますが、他のデータに関してもメタフィールドで管理していくことが重要になりそうです。
▶︎Shopify Help Center|レポートの絞り込みと編集
まとめ
Spring ’26 Editionでは、AIエージェント上での商品発見や購入といった大きな変化に注目が集まっています。CRM PLUS on LINEを利用しているストアにとって、より直接的に影響するのは、お客様アカウントと認証基盤のアップデートです。
新しいお客様アカウントへの切り替えについては、年内に移行スケジュールが発表される予定となっています。各ストアでも、移行時期や対応方針を検討している段階ではないでしょうか。切り替えに伴い、エンドユーザー視点のログイン導線や体験が大きく変わるため、現在CRM PLUS on LINEを利用しているストアでも、実際の画面表示やログイン動線を一度確認しておくのがおすすめです。







