
Shopifyで構築されたサイトでは、クレジットカードやPayPal、Amazon Payの他に、コンビニ支払いなどの後払い決済も、外部の決済サービスを使用することで追加可能です。
後払いサービスを導入すると、利用者は商品が手元に届いてから支払いをすることができるため、購入のハードルが下がります。クレジットカードを持っていなくても、普段行くコンビニで簡単に支払いができるというメリットもありますね。
一方で、支払い忘れなどが発生するリスクもあるため、マーチャント様はメールで支払期限のリマインドをするケースも多いと思います。
本記事では、メールに加えてLINEでもリマインド通知を送る手順を解説します。
支払い忘れ防止に!リマインドLINEの活用事例
手順を解説する前に、実際にコンビニ支払いのリマインドLINEを活用されている事例をご紹介します!
「Mew contact」のユーザー様には高校生前後の若い女性も多く、支払い手段としてコンビニ決済を選択されることも多いのですが、「うっかり支払い期日を過ぎてしまった!」という事態の解消に、LINEでの通知が役立っています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000114.000085682.html

このように、メッセージのデザインもレシート風に設定可能です。LINEはメールよりも通知に気づきやすく、意図せぬ支払い忘れの防止に役立っています。
配信に使用するアプリと配信対象者
コンビニ支払いのリマインドLINEを配信するための前提情報です。
使用するアプリ
ワークフローの自動化「Shopify Flow」
「Shopify Flow」は、ワークフローの自動化ができる無料のShopifyアプリです。Shopify内の会員登録・購入・発送などのイベントやShopifyアプリ側のイベントをトリガー(発動条件)にして、タグ付与・削除やメタフィールドへのデータ追加などのShopify上のアクションや、Shopifyアプリ側でのアクションをノーコードで実現できます。
LINE連携・メッセージ配信「CRM PLUS on LINE」
ID連携を軸に、LINEを活用した顧客コミュニケーションの最適化を実現するShopifyアプリです。顧客・購買データを基にしたセグメント配信やLINE公式アカウント上での顧客対応、リッチメニューの出し分け、購入・発送完了通知等、多様なLINE活用を行えます。
決済代行サービス「KOMOJU」
クレジットカード決済の他に、QRコード決済やキャリア決済、コンビニ払いなどの決済方法が用意されています。ShopifyやWixなど様々なECカートシステムに対応しており、月額・初期費0円で、取引毎の決済手数料のみで利用できます。
※他にもNP後払いやGMOペイメントゲートウェイ、後払い.comなどのサービスを追加することができますが、本記事では利用しているマーチャントが多いKOMOJUの前提で解説を進めます。
※参考関連記事:【保存版】Shopifyの決済方法のまとめ:Shop Payからコンビニ払いまでShopifyの決済手数料も紹介 | Shopify公式ブログ
配信対象者
- コンビニ支払いの期限案内をしてから3日後の時点で、まだ支払いがされていない方
※3日後という期限はあくまで一例です。 - LINEのID連携(会員IDとLINEのユーザーIDの紐づけ)がされている方
Shopify Flowのワークフロー作成手順
それではいよいよ、支払いが完了していない人に支払期限のリマインドLINEを配信するためのワークフローを作成していきましょう。
まずは、ワークフローの全体図をお見せします。
ワークフローの完成図

こちらのワークフローを作成するための詳細手順を、以下の章にて解説していきます!
手順1:トリガーの設定
まずはトリガーの設定を行います。
今回は注文が作成されたことをトリガーに設定するので、Order created を選択します

手順2:条件の設定
次に、条件の設定です。
- 顧客がLINEのID連携をしているか
- 注文の支払い状況
を条件としてそれぞれ追加します。
手順2-1:顧客タグに「line」というタグが含まれているかを確認
今回LINEでメッセージを送る対象になるのは、LINEのID連携が完了しているユーザーです。
Shopifyアプリ「CRM PLUS on LINE」を通じてLINEのID連携が完了しているユーザーには、顧客タグに「line」タグが自動付与されますので、これを条件に設定します。
条件の「基準を追加」から、Order > customer > tags を選択し、Tags_itemの中に「line」と入力します。


手順2-2:支払い状況のステータスを確認
今回の例では、「支払いのステータスが【PENDING】である = 決済が未完了」という前提で、displayFinancialStatus = PENDINGという条件を追加します。
※支払いのペイメントサービスに応じて条件設定を変更してください。



手順3:アクションの設定
条件に合致した顧客・合致していない顧客それぞれに向けて、それぞれどのようなアクションを行うかを設定します。
今回の例では、条件に合致する場合(Then)にはコンビニ決済の支払い期限案内のメッセージを、条件に合致しない場合(Otherwise)には注文完了通知を送るというメッセージ配信のアクションを設定します。

手順3-1:Then|支払期限を案内を送る
Thenには、支払い状況が「PENDING」の場合のメッセージ(コンビニ支払い期限の案内)を接続し、顧客ID、代替テキスト、Flex Messageのコンテナをそれぞれ入力します。

今回はサンプルとして以下のメッセージを設定しています。

{
"type": "bubble",
"body": {
"type": "box",
"layout": "vertical",
"contents": [
{
"type": "text",
"text": "お支払い期限のお知らせ",
"weight": "bold",
"color": "#1DB446",
"size": "sm"
},
{
"type": "text",
"text": "ご注文いただき\nありがとうございます",
"weight": "bold",
"size": "xl",
"margin": "md",
"wrap": true
},
{
"type": "text",
"text": "{{shop.name}}",
"size": "xs",
"color": "#aaaaaa",
"wrap": true
},
{
"type": "separator",
"margin": "xxl"
},
{
"type": "box",
"layout": "vertical",
"margin": "xxl",
"spacing": "sm",
"contents": [
{
"type": "box",
"layout": "horizontal",
"contents": [
{
"type": "text",
"text": "{{order.billingAddress.lastName}}様、ご購入いただきありがとうございます。\n以下のお支払い期限までお支払いを完了してください。",
"size": "sm",
"color": "#555555",
"wrap": true
}
]
},
{
"type": "separator",
"margin": "xxl"
},
{
"type": "box",
"layout": "horizontal",
"margin": "xxl",
"contents": [
{
"type": "text",
"text": "注文番号",
"size": "sm",
"color": "#555555"
},
{
"type": "text",
"text": "{{order.name}}",
"size": "sm",
"color": "#111111",
"align": "end"
}
]
},
{
"type": "box",
"layout": "horizontal",
"contents": [
{
"type": "text",
"size": "sm",
"color": "#555555",
"text": "注文日時",
"flex": 0
},
{
"type": "text",
"text": "{{order.createdAt | date: '%s' | plus: 32400 | date: '%Y年%m月%d日 %k:%M'}}",
"size": "sm",
"color": "#111111",
"align": "end"
}
]
},
{
"type": "box",
"layout": "horizontal",
"contents": [
{
"type": "text",
"size": "sm",
"color": "#555555",
"text": "合計"
},
{
"type": "text",
"text": "¥{{order.originalTotalPriceSet.shopMoney.amount | floor}}",
"size": "sm",
"color": "#111111",
"align": "end"
}
]
},
{
"type": "box",
"layout": "horizontal",
"contents": [
{
"type": "text",
"size": "sm",
"color": "#ff0000",
"text": "お支払い期限",
"flex": 0,
"weight": "bold"
},
{
"type": "text",
"text": "{{ 'today' | date: '%s' | plus: 604800 | date: '%Y年%m月%d日' }} 23:59",
"size": "sm",
"color": "#ff0000",
"align": "end",
"weight": "bold"
}
]
}
]
},
{
"type": "separator",
"margin": "xxl"
},
{
"type": "box",
"layout": "horizontal",
"margin": "lg",
"contents": [
{
"type": "button",
"action": {
"type": "uri",
"label": "注文状況を確認",
"uri": "{{shop.primaryDomain.url}}/account"
},
"style": "primary",
"color": "#000000"
}
支払期限は、{{ ‘today’ | date: ‘%s’ | plus: 604800 | date: ‘%Y年%m月%d日’ }} 23:59 の変数で変更が可能です。(todayで取得したグリニッジ標準時に秒数を追加することで任意の日時を指定します。)
今回は、支払期限を1週間として、plus: 604800 としています。
日数を秒に変換して変数を変えてください。(例:1週間 → 604800秒/3日 → 259200秒)
手順3-2:Otherwise|購入完了メッセージを送る
Otherwiseには、支払いが完了している場合のメッセージ(注文完了のメッセージ)を接続し、同様に顧客ID、代替テキスト、Flex Messageのコンテナをそれぞれ入力します。

今回はサンプルとして以下のメッセージを設定しています。

{
"type": "bubble",
"body": {
"type": "box",
"layout": "vertical",
"contents": [
{
"type": "text",
"text": "注文確定のお知らせ",
"weight": "bold",
"color": "#1DB446",
"size": "sm"
},
{
"type": "text",
"text": "ご購入いただき\nありがとうございます",
"weight": "bold",
"size": "xl",
"margin": "md",
"wrap": true
},
{
"type": "text",
"text": "{{shop.name}}",
"size": "xs",
"color": "#aaaaaa",
"wrap": true
},
{
"type": "separator",
"margin": "xxl"
},
{
"type": "box",
"layout": "vertical",
"margin": "xxl",
"spacing": "sm",
"contents": [
{
"type": "box",
"layout": "horizontal",
"contents": [
{
"type": "text",
"text": "{{order.billingAddress.lastName}}様、ご購入いただきありがとうございます。\n 商品が発送されましたら伝票番号と共にお知らせいたします。",
"size": "sm",
"color": "#555555",
"wrap": true
}
]
},
{
"type": "separator",
"margin": "xxl"
},
{
"type": "box",
"layout": "horizontal",
"margin": "xxl",
"contents": [
{
"type": "text",
"text": "注文番号",
"size": "md",
"color": "#555555"
},
{
"type": "text",
"text": "{{order.name}}",
"size": "md",
"color": "#111111",
"align": "end"
}
]
},
{
"type": "box",
"layout": "horizontal",
"contents": [
{
"type": "text",
"size": "md",
"color": "#555555",
"text": "注文日時",
"flex": 0
},
{
"type": "text",
"text": "{{order.createdAt | date: '%s' | plus: 32400 | date: '%Y年%m月%d日 %k:%M'}}",
"size": "md",
"color": "#111111",
"align": "end"
}
]
},
{
"type": "box",
"layout": "horizontal",
"contents": [
{
"type": "text",
"size": "md",
"color": "#555555",
"text": "合計",
"flex": 0
},
{
"type": "text",
"text": "¥{{order.originalTotalPriceSet.shopMoney.amount | floor}}",
"size": "md",
"color": "#111111",
"align": "end"
}
]
}
]
},
{
"type": "separator",
"margin": "xxl"
},
{
"type": "box",
"layout": "horizontal",
"margin": "lg",
"contents": [
{
"type": "button",
"action": {
"type": "uri",
"label": "注文状況を確認",
"uri": "{{shop.primaryDomain.url}}/account"
},
"style": "primary",
"color": "#000000"
}
]
}
]
},
"styles": {
"footer": {
"separator": true
}
}
}
手順4:一定時間待機した後、再度支払い状況を確認してリマインドを送る(オプション)
設定した支払期限に応じて、Waitアクションを使うことで、再度リマインドを送ることも可能です。
今回は、例として3日待機します。

待機した後は、手順2、手順3を同じように設定してください。

さいごに
コンビニ払いにしたものの「うっかり忘れてしまった」ということも多々あると思います。Shopify Flowを使ってリマインドをすることで支払い忘れの防止につながりますので、ぜひご活用ください。
CRM PLUS on LINEでは、Shopify Flowも含めて、LINE公式アカウントの活用をサポートしています。ぜひお気軽にインストールして、設定に困った箇所があればお問い合わせください!