
ギフト需要は年間を通じて発生し、EC事業者にとって重要な収益機会のひとつです。
しかし、ギフト購入者の多くが「1回きりの購入」となるケースも多く、リピート率を課題とする企業も少なくありません。
ギフト販売では、「贈る人」と「受け取る人」それぞれに向けた施策を考えることがリピート購入の促進につながります。
贈る体験が心地よければ“また誰かに贈りたくなる”。
受け取る体験が印象的であれば“今度は自分が贈りたい”と思う。
そして、贈った本人が「自分でも使ってみたい」と感じて購入する“自分買い”も、ギフトECならではの自然な再購買の流れです。
本記事では、「贈る人による再購入」と「受け取った人が新たな購入者となるケース」を広義のリピートと捉え、自社ECでギフト販売を行う事業者の方向けに、LINEを活用してリピート購入を促す方法を具体的な施策とともに紹介します。
贈り手のリピート購入を促す体験を設計するには?
ギフトを選ぶ時間には、「どんなものを贈れば喜んでもらえるだろう」という、少し特別なワクワク感があります。
その“贈る体験”の中で、「相手にぴったりのものを選べた」「気持ちを形にできた」と感じられること、そして、スムーズに購入まで進められる体験の両立が、次の贈り物でも“またここで贈りたい”と思うきっかけになります。
そのためには、贈り物を考えるタイミングで自社ECを想起してもらえる設計と、再び利用したくなる体験設計の両輪が欠かせません。
- 「簡単に選べる・選びやすい」UIやレコメンド
- 「購入・発送までのフロー」がシンプルで不安がない
こうした想起と体験の設計が組み合わさることで、ギフト購入が「一回きり」で終わらず、「次もここで贈りたい」という継続的な購買体験へとつながります。
年間イベントを起点に“また贈りたくなる”きっかけをつくる
LINEはメッセージの即時性が高く、母の日やクリスマス前など短期間で需要が高まる駆け込み需要への対応にも強いのが特徴です。
誕生日や母の日、クリスマスなど年間を通じて発生するイベントにあわせてリマインドを行うことは、購入のきっかけをつくる上で非常に有効です。
このとき、「人気商品はどれか」「母の日に選ばれているのはどんな商品か」といった情報をタイムリーに届けたり、探しやすい導線を用意したりすることで、購入者の迷いを減らし、自然に再購買へとつなげることができます。

さらに、過去の購入履歴やアンケート回答などのデータをもとに、ユーザーのタイミングやニーズに合わせた、“気の利いた”リマインドが可能です。
結果として、「必要な時に思い出せる」「迷わず選べる」という快適な購買体験が積み重なり、“またここで贈ろう”という次のアクションへとつながります。
視覚的に“贈りたくなる”導線をLINE上に
メッセージ配信に加え、リッチメニューを活用してキャンペーンバナーやギフト人気ランキングを視覚的に訴求することで、ユーザーが“贈りたい商品”をスムーズに見つけ、購入まで自然に進める体験を提供できます。
トーク画面を開いた瞬間に、季節の特集やギフト人気ランキングが目に入り、タップでキャンペーンページへ遷移、そのまま購入まで完結できる──
LINE公式アカウントがギフト利用の入り口になるような、シームレスな導線を用意しておくことがポイントです。
なかでも、タブ型リッチメニューを活用すれば、掲載面を増やしながら季節ごとのキャンペーンや“贈るシーン”別に分かりやすく整理できます。
オンラインでギフトを選ぶときは、実際に商品を手に取ることができない分、視覚的な訴求が“選ばれる決め手”になることも少なくありません。
タブ型リッチメニューを活用し、パッケージの特別感や贈ったときのシーンを想像できるようなビジュアルで訴求すれば、ユーザーの興味を自然に引き出し、そのまま購入行動へとつなげることができます。
【事例】ルタオ(LeTAO)LINE公式アカウントでは、タブ型リッチメニューを導入。
季節やキャンペーンにあわせてタブを切り替えられるようにすることで、視覚的に分かりやすく多様なコンテンツを掲載しています。
- 1タブ目には期間限定キャンペーンや新作スイーツを配置
- 2タブ目にはバレンタイン特集にあわせたお得なポイント倍率アップのお知らせを配置
- 3タブ目には各カテゴリTOPへの導線を配置

贈ったあとのフォロー体験が、リピートの起点になる
ギフト購入者にとって、贈り終えた後のコミュニケーションも体験の一部です。
「商品はちゃんと届いたかな」と思う気持ちに対して、LINEで「お届け完了通知」や「ご利用ありがとうございました」といったお礼メッセージを届けることで、購入体験の最後まで気持ちよく終われる印象を残せます。
こうした“安心して利用できる体験”を提供することが、次にギフトを選ぶときに“またここでお願いしよう”と自然に思い出してもらうきっかけになります。
【事例】育てるタオル様では、出荷後すぐではなく1週間後にお礼とレビュー依頼のメッセージを送信しています。
ギフト商品は受け取った相手が満足して初めて“成功した贈り物体験”になるため、「レビューをお願いするタイミング」も体験の一部として慎重に設計されています。

Message ManagerのようなLINE拡張ツールを活用すれば、購入後アンケートを活用して体験に対するフィードバックを得るだけでなく、顧客理解につながるデータの取得からデータを活かしたLINE配信までを一連の流れで実現できます。
▼アンケート例
- 今回のギフトの目的を教えてください(誕生日/お中元/母の日/お礼/その他)
- 今後どんなシーンでまた利用したいですか?
- ご自身でもこの商品を使ってみたいと思いましたか?
- 普段ご自分用にどんなカテゴリの商品を購入されますか?(食品/生活雑貨/ファッション/美容など)
こうした回答内容から、贈り手の嗜好や購買シーンを把握できるため、得られたデータをもとに、LINEでのフォロー配信や次回キャンペーンのセグメント設計に活用できます。
さらに、アンケート回答後にお礼として“自分へのご褒美クーポン”を届けることで、「自分用にも買ってみようかな」という気持ちを自然に後押しできます。

- ギフト利用時にLINEでアンケートを実施
- アンケートのお礼に「自分へのご褒美クーポン」を配信
- クーポンのリマインドとともに、おすすめ商品を案内
LINEログインで“贈る体験”をスムーズに
ギフトECにおける“贈る体験”を快適にするうえで、ユーザーがストレスなく購入を完了できる環境づくりは欠かせません。
特に、熨斗設定や配送先指定など入力項目が多くなりやすいギフト購入では、購入体験の煩雑さが離脱要因になりやすいといえます。
特に、会員登録やログインに手間がかかると離脱率が上がりやすいため、LINEログインで会員登録や再ログインを簡単にすることは、新規顧客獲得やリピート利用の両面において効果的です。
さらに、LINEログインを利用して会員登録を行うことで、「友だち追加」及び自社ECの会員IDとLINEのID連携が可能になります。これにより、会員登録を起点に会員データに基づいたフォロー配信やリピート施策が可能になります。

たとえば、過去の購入データや贈り相手情報に基いたメッセージを配信することもできます。
リピート獲得が難しいギフトECにおいても、こうした仕組みが成果につながっています。
【事例】お米ギフト「八代目儀兵衛公式オンラインストア」
お米ギフト「八代目儀兵衛公式オンラインストア」では、サイトリニューアルとLINEログインの相乗効果により、LINE経由の売上は約3倍、友だち増加数は前年の約2倍に増加しました。
弊社のような、次にいつ利用するか決まっていないギフトECサイトだと、パスワードを忘れてしまったり、IDが分からなくなってしまうことが多くあります。
LINEログインなら、IDやパスワードを意識することなくワンタップでログインできるので、離脱率を抑えることができます。
お祝いなどのギフトでリピート購入まで期間があく場合でも、簡単に再ログインいただけます。また、お返しなどでは1ヶ月ぐらいかけて何度も購入されるんですが、そういった場合でも、LINEログインがあれば何度もリピートしていただけると思います。友だち増加数は、前年と比較すると約2倍になっています。
また、リニューアル前と比較すると、LINE経由の売上は約3倍に増加していますので、LINEログインと連携した友だち増加が売上にきちんと繋がっていると思います。
ギフトECでは、ユーザーが“誰かに贈る”という特別な目的で購入するため、リピートのタイミングが予測しづらいという課題があります。
その中で、再ログインのしやすさと購入後のフォロー体制を整えることが、リピート促進やLTV向上の鍵になります。
LINEログインはその課題を解消し、「購入体験の快適さ」と「その後の関係構築」を両立させる有効な手段です。
受け取る体験を“ブランド認知と“購入検討”につなげる:ギフトが新たな接点を生む
ギフトを受け取った際、開封時に感じる印象や、同梱カード・パッケージの世界観など、その一つひとつの体験が「このブランド、いいかも」という感情を生み出すきっかけになります。
この“受け取る体験”をより充実させるためには、開封後のフォローも重要です。
たとえば、パッケージや同梱カードにQRコードを掲載し、「友だち追加で効果的な使い方を詳しく紹介」といった導線を用意しておくことで、受け取った人が自然な流れで“友だち追加”できる環境を整えられます。

友だち追加後には、受け取った人の体験をより豊かにし、“ギフトの価値”そのものを高めるコミュニケーションをLINEで設計することが効果的です。
- スイーツギフトなら「冷蔵庫での保存方法」や「おすすめアレンジレシピ」
- タオルや雑貨なら「長く使うためのお手入れ方法」
- コスメなら「使用ステップ紹介」や「相性の良い組み合わせ提案」
“受け取って終わり”ではなく、“受け取ったあともつながりが続く”状態をつくることで、
ブランドとの関係が少しずつ育まれていきます。
こうした心地よい体験が、「また誰かに贈りたい」「今度は自分でも使ってみたい」といった次の行動へ自然につながり、結果的に、ギフト転換率(ギフトを贈られた人が購入者へ転換)の向上につながります。
“贈る体験”から“自分買い”へつなげる購入後フォロー
ギフトとして選んだ商品は、自分用には少し贅沢でも、「いつか自分にも」と感じていることも少なくありません。
自分用にも購入いただくためには、「これなら試してみたいかも」というお得感を伝えるのが大切です。
LINEでできるアプローチを2つご紹介します。
- 購入後のステップ配信でクーポン訴求
- ギフト購入時に付与されたポイントを使って、自分用の購入をおすすめ
購入完了後のステップ配信で「ご自宅用にも人気の商品です」と案内したり、「ご利用いただいたことのお礼」を伝えつつ、次回購入に使える割引クーポンをあわせて配信したりすることで、“特典を使って自分でも買ってみよう”という気持ちを自然に後押しできます。
さらに、LINEで保有ポイント数をリマインド配信することで、「ポイントを利用して自分でも買ってみようかな」と行動を後押しするきっかけもつくれます。
「ポイントが溜まっている」=お得に買えるという動機づけは、ギフト購入後の自分買いを促す効果的なアプローチです。

こうして「贈る体験」から「自分へのご褒美体験」へとつなげる導線を設計することで、“贈った後に、自分でも使ってみたい”という気持ちを自然に行動へ変えることができます。
そして、自分で使ってみて「やっぱりいいな」と感じた体験は、次のギフト選びのときに“あの商品を贈ろう”と思い出してもらうきっかけになります。
まとめ
ギフト対応ECにおけるLTV向上の鍵は、「贈る」「受け取る」「自分で使う」という3つの体験をひとつの流れとして設計し、ブランドとの関係を途切れさせないことにあります。
贈るときの心地よさ、受け取ったときの印象、そして“また贈りたくなる・自分でも使ってみたくなる”気持ち。
これらを自然につなげる導線を整えることで、一度の購買体験を“次の購買へと続く体験”に変えていくことができます。
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