
親しい人たちとのコミュニケーションがオンラインに移行している現代では、住所を知らないままプレゼントを贈りたいシチュエーションが増えています。学生時代の友人やオンラインで知り合った友人など、現在の住所を知らない人たちへギフトを贈る手段として「eギフト」が利用できるECサイトが増えてきました。
eギフトは、住所を知らなくてもメールやSNSを通じて簡単にプレゼントを贈ることができるサービスです。受け取り日時の選択も受け取り手にお任せできるため、再配達の心配も少ないです。また、プレゼント用URLの即時発行ができるので、「急ぎでお祝いの気持ちを伝えたい!」という時にも重宝します。
そんなeギフト機能をECサイトに導入できるサービス「AnyGift」と弊社のLINE連携・配信サービス「CRM PLUS on LINE」で共催セミナーを行い、下記の「eギフト×LINE活用」アイデアを紹介しました。
- eギフトを贈った相手が受け取り手続きをしたら贈り主にLINEで通知
- eギフトが発送されたら、受け取り主に送り状情報をLINEで通知
本記事では、実際の画面と共に具体的な手順を紹介します。
セミナーのアーカイブはYouTubeで公開していますので、動画で見たい方はぜひご覧ください。(37:37 あたりから本記事で紹介している内容について話しています。)

本記事で紹介する施策に使うアプリ
- eギフトをECサイトに導入できる「AnyGift」
- LINE連携Shopifyアプリ「CRM PLUS on LINE」: Freeプラン〜 (本文後半に登場する通知メッセージはProプラン以上)
- ワークフローの自動化Shopifyアプリ「Shopify Flow」:Shopifyベーシックプラン以上で利用可能(2023年7月27日追記)
ワークフローの設定に使う「Shopify Flow」とは、Shopify内の会員登録・購入・発送などのイベントやShopifyアプリ側のイベントをトリガー(発動条件)にして、Shopify内のデータで条件分岐を作り、タグ付与・削除やメタフィールドへのデータ追加などのShopify上のアクションやShopifyアプリ側でのアクションをノーコードで実現できるアプリです。
詳しくはこちらの記事を併せてご一読ください!
eギフトを贈った相手が受け取り手続きをしたら、贈り主にLINEで通知する方法

eギフトを贈った後、相手が受け取り手続きをしてくれたのか、不安になることもあるかと思います。受け取り手が住所入力まで完了した(受け取り手続きを完了した)際にLINEで通知を受け取れると、相手にリマインドをした方がいいかどうか判断ができますよね。
Shopify Flowでのワークフロー 完成図

ワークフロー自体はかなりシンプルで、「受け取り主が住所を入力完了したら、贈り主がLINE連携をしているか確認をして、LINEメッセージを配信する」流れです。
トリガーの設定

「AnyGift」では、eギフトの受け取り主が配送先の住所を登録した際に発火する「Received eGift Order – eギフト受取入力完了」というShopify Flowのトリガーを用意しています。こちらのトリガーを選択します。
条件の設定

LINEでメッセージを配信する際には、配信対象のユーザーがLINEのID連携を行なっているかを確認する必要があります。Shopify Flowの条件に「基準を追加」で order > customer > tags を指定し、Equal toで “line”を指定します。
※「line」タグは、CRM PLUS on LINEを介してLINEのID連携を行なったユーザーに自動で付与される顧客タグです。
アクションの設定

Shopify Flow アクション設定:LINEでFlexメッセージを配信する
「CRM PLUS on LINE」が提供してるShopify Flowのアクション「LINEでFlexメッセージを送る」で配信内容を設定します。
「代替テキスト」欄には {{senderName}} という見慣れない文字列があるかと思います。これはトリガー変数(Trigger Variables)というもので、ワークフローの起点として指定したトリガーから渡された情報です。

このような情報をメッセージ内に挿入することで、LINEのメッセージを受け取った顧客に自分ごととして受け取ってもらいやすいメッセージを作成できます。
ただ、「受取手のemail」などは、受け取り主の個人情報に当たるものなので、贈り主に見えてしまわないよう留意しましょう。

続いて、「Flex Messageのコンテナ」欄には、LINEメッセージをリッチに表現できるFlex Messageを指定することができます。
Flex メッセージの作成方法については下記記事をご参照ください。
「顧客ID」欄には、メッセージの配信先として指定する顧客のIDを指定します。今回はeギフトの贈り主(購入者)が配信先になるので、{{order.customer.id}} (注文を作成した顧客のID)を指定します。
その他の設定項目は、適宜必要な場合に設定してください。
eギフトが発送されたら、受け取り主に送り状情報をLINEで通知する方法

eギフトが倉庫から発送された際に、その送り状番号や追跡用のURLをLINE通知メッセージとして受け取り主に送ることができます。
LINE通知メッセージは電話番号でマッチングして配信するサービスなので、友だち追加されていないユーザーにも配信可能です。配信できるメッセージ内容は制限されており、配信には別途申請が必要です。
◆通知メッセージについての詳細はこちら
受け取り主はLINE通知メッセージからリアルタイムに荷物の状況を確認することができますし、通知メッセージをきっかけにブランドのLINE公式アカウントを友だち追加していただくこともできます。「eギフトで受け取って良かったから、次は自分でも買おう」という、未来の潜在的な顧客とLINEで繋がることができる施策です。
ワークフロー 完成図

こちらのワークフローもシンプルで、「商品が発送されたら、eギフト注文の場合LINE通知メッセージでお知らせする。」流れです。
トリガーの設定

条件の設定

「AnyGift」ではeギフトの注文が発生した際に、「eギフト決済用注文」と「eギフト本注文」を作成します。受け取り主の電話番号を含む住所情報は「eギフト本注文」に格納されるので、発送された注文がeギフトの受け取り主側の注文であることを確認する必要があります。
条件に「基準を追加」で order > tags を指定してEqual toで “eギフト本注文”を指定します。
アクションの設定

「CRM PLUS on LINE」が提供しているShopify Flowアクション「LINE で発送完了の通知メッセージを送る」で配信内容を設定します。
通知メッセージの発送完了テンプレートには「配送予定時間帯」と「配送予定日」の項目が必要なので、適宜追加します。「配送予定時間帯」は指定を受けていないマーチャントも多いかと思うので「指定なし」でも構いません。「配送予定日」はWMSやOMSからの予定日情報がShopify注文管理に格納される場合は、その値を指定することが可能です。そういったデータ連携がない場合にも、{{ “today” | date: “%s” | plus: 259200 | date: “%Y-%m-%d” }} のように今日の日付に2日足した日付を返す変数を追加することも可能です。
「AnyGift」では、注文情報のうち配送先住所に受け取り主の電話番号を格納しているので、通知メッセージの送り先として「配送先住所の電話番号を利用する」を指定しましょう。
終わりに
eギフトは「マーチャント」「贈り主」「受け取り主」と3者の関わりが発生します。贈り物という特性上、各者に確実に情報提供をして不安を払拭することは、顧客体験の向上に貢献する可能性が高いので、ぜひご検討ください。
CRM PLUS on LINEでは、「eギフト×LINE」連携活用に関するShopify Flowの設定サポートも行なっています。お気軽にご相談くださいませ!
