LINE公式アカウントを運用するうえで知っておきたい費用やプラン、基本機能を一挙ご紹介します。
また、基本機能だけでなく、一歩進んだLINE公式アカウント活用法や実際に売上拡大・販売促進につながった事例もご紹介します。
これからLINE公式アカウントを運用する方から、もっと有効活用したい!という方まで、LINE公式アカウントの運用に携わる皆様はぜひご一読ください!
無料で開設できる!法人向けのLINE公式アカウント
LINE公式アカウントとは、無料で開設できる法人・企業向けのLINEアカウントです。
「メルマガではなかなか気づいてもらえないユーザー層へアプローチしたい」「メルマガとLINEを併用し、ユーザー接点を増やしたい」などの理由を中心に、多くの企業が活用しています。
※今でも「LINE@(ラインアット)」という名称をちらほら見かけますが、正式には「LINE公式アカウント」としてサービス統合されています。(2019年4月18日〜)
LINE公式アカウントのプランと料金
LINE公式アカウントにはメッセージの配信通数に応じて、コミュニケーションプラン・ライトプラン・スタンダードプランの3つのプランが用意されています。これらのプランは、機能面での違いはないので、メッセージの配信数でプランを選ぶといいでしょう。
月中のプラン変更については、アップグレードは可能でダウングレードは不可(翌月からの適用)となっています。
まずプランアップグレードに関しては、プラン月額の差額を支払うことで、差分の通数(プランごとの無料メッセージ通数)が月中から配信可能になります。
プランのダウングレードに関しては、申請の翌月から適用されます。
費用としては、利用プランに応じた月額固定費に、無料メッセージ配信数を超えた追加メッセージ料金(スタンダードプランのみ)を加算した金額が利用料金となります。
認証済アカウントと未認証アカウント(アカウントタイプ)
LINE公式アカウントには、上述のプランとは別に、プレミアムアカウント・認証済アカウント・未認証アカウントの3種類のタイプがあります。
認証済アカウントの申請は、LINE公式アカウントの開設時、もしくはLINE公式アカウントの管理画面から申請できます。
認証済アカウントになることで、一定基準の審査を通過していることを示すバッジ(青色)が付与されるため、ユーザーからの信頼性も高まります。また、LINEアプリ内の友だち検索結果への表示も可能になります。
その他にも、認証済アカウントによる申請が必要なLINE公式アカウントの拡張機能があります。これらの機能も含め、LINE公式アカウントをより幅広く活用していきたい場合は、認証済アカウントを取得することをおすすめします。
LINE公式アカウントでできること:機能
LINE公式アカウントの機能をいくつかピックアップしてご紹介していきます。
メッセージ配信
LINE公式アカウントの友だちに対してメッセージを送信できます。
LINE公式アカウントのメイン機能ともいえるメッセージ配信ですが、LINE Official Account Manager(管理画面)上で配信できる基本機能としてのメッセージの他、Messaging APIを活用したメッセージ、友だち以外のユーザーにも重要性や必要性の高いメッセージを配信する通知メッセージなど、様々なメッセージがあります。
LINE Official Accout Manager(管理画面)で配信できるメッセージ
基本機能として提供されているメッセージ配信は以下の通りです。
一斉配信の他、みなし属性によるセグメント配信、絞り込み配信等が用意されており、これらのメッセージは、特別なツールを用意しなくても管理画面から配信できます。
- すべての友だちに対して一斉配信
- 絞り込み配信:配信先を「オーディエンス」と「フィルター」で設定しセグメント配信
- 配信メッセージ数を指定して配信:予算の範囲内におさまるよう配信数を指定。配信日時時点の属性情報の推計が可能な友だちからランダムで配信される
- A/Bテストメッセージ配信:複数のメッセージ内容(バリエーション)を作成し、特定の割合のユーザーに配信
- 絞り込み配信:配信先を「オーディエンス」と「フィルター」で設定しセグメント配信
「オーディエンス」での絞り込み配信として、過去に配信したメッセージを開封した友だちのみにメッセージを配信できる「インプレッションリターゲティング」の活用は手軽でおすすめです。
なお、ユーザーIDをアップロードして作成するオーディエンスの利用やユーザーIDをもとに個別のメッセージ配信を行うには、次章で紹介するMessaging APIの利用が必須となります。
Messaging APIを活用した柔軟なメッセージ配信
Messaging APIとは、LINEのアカウントを通じてユーザーとの双方向コミュニケーションを実現するAPI(Application Programming Interface)です。
Messaging APIを活用することで、LINEのユーザーIDをもとにユーザーごとに最適化されたコミュニケーションが可能になります。
これらを実現するには、APIと企業のシステムとをつなぐ開発、もしくは同機能を提供する外部ツールの利用が必要となります。
友だち追加を起点にしたステップ配信
LINE Official Accout Manager(管理画面)では、友だち追加を起点にしたステップ配信の機能を提供しています。友だち追加日からの経過日数や設定した条件に応じて、複数のステップメッセージを自動で配信できます。
条件には友だち追加日からの経過日数や友だち追加経路、友だちのみなし属性などが設定できます。
▼友だち追加起点でのステップ配信例
- 友だち追加して1日目にキャンペーン商品のプロモーションを配信
- 5日目にユーザーレビューなど購入メリットを配信
- 7日目に友だち限定のクーポンを配信し購買を促進
友だち追加起点以外、例えばユーザーのアクションを起点にしたステップ配信を行うには、Messsaging APIを利用するため、外部ツールの導入か自社開発を行う必要があります。
ユーザーアクション起点のステップ配信では、例えば、”購買”といったサイト内行動などモチベーションの高いユーザーアクションを起点にメッセージを配信できるというメリットがあります。
また、セグメント配信やLINEのメッセージの種類については下記記事をご覧ください。
リッチメニュー
リッチメニューは、LINE公式アカウントのトーク画面を開くと画面下部に固定表示されるカスタマイズ可能なメニューで、自社サイトへのリンクなどを設定できます。
流れていくメッセージと比較して視認性に優れており、ユーザーのアクションにも繋がりやすいことから、是非とも活用したい機能です。
リッチメニューを作成するには、LINE Official Account Manager上で簡単な操作で設置する方法と、LINE Messaging APIを活用する方法の2つがあります。Messaging APIでは、ユーザーごとにリッチメニューを出しわけるなど高度なカスタマイズが可能です。
友だち追加の促進
LINE公式アカウントの管理画面内の「友だち追加ガイド」では、「友だち追加ボタン」や「友だち追加URL」、「友だち追加用QRコード」、案内用ポスターの作成ができます。
LINE公式アカウントの配信対象を増やすには、より多くの友だちを獲得しながら、ブロック・友だち解除数をできるだけ少なくし、ターゲットリーチ(有効友だち数)を増やす必要があります。
以下の記事では、LINE公式アカウントの友だち・ターゲットリーチを増やす方法をご紹介しています。
メッセージ配信成果の分析
LINE Official Account Manager には分析機能が用意されており、配信したメッセージ毎の指標(配信数・開封数・クリックユーザー・インプレッション)を手軽に確認できます。
各指標は「1メッセージ配信」単位で確認でき、配信から14日間集計されます。(コンバージョンを除く)
より詳細の指標、例えば、サイトへの流入経路(メッセージ、リッチメニューのエリアなど)やセッション時間、直帰率、CV(コンバージョン)や売上金額などを計測したい場合は、Google Analyticsでの計測がおすすめです。
以下の記事では、LINE Official Account Managerの分析機能やGoogle Analyticsを利用して詳しく計測する方法について解説しています。
LINEチャット・自動応答メッセージ
LINEチャットとは、日常的に利用しているLINEアプリのトーク機能を利用し、1対1でのコミュニケーションを行えるLINE公式アカウントの機能の一つです。
主に、商品やサービスに対する問い合わせ対応などカスタマーサポートに利用されています。
LINEチャットは、友だち追加したユーザーからの問い合わせメッセージの送信を起点に開始します。画像の送信や複数ユーザーとのグループチャット対応も可能です。
LINEチャットを利用するにはLINEの管理画面(LINE Official Account Manager)にてチャット機能のオン・オフを切り替えます。
設定画面>「応答設定」>応答モード「チャット」
チャット機能をオフ(応答モードをBotに設定)にすると応答メッセージによる自動応答のみに切り替えることもできます。
※チャットモードの時は営業時間を設定することで、応答メッセージも利用可能
LINE公式アカウントのクーポン機能
LINE公式アカウントの基本機能である「クーポン機能」は、無料でかつ手軽に導入できるデジタルインセンティブで、「LINE Official Account Manager」から設定できます。
LINE公式アカウントのクーポン機能を使うと、トーク画面やLINE VOOM、応答メッセージを通じてクーポンを配信することができます。
あくまで簡易的なクーポン付与向けの機能であるため、クーポンのユーザー毎の出し分けや、アンケート回答・ID連携・キャンペーンの応募といったユーザーのアクションに応じたポイント付与はできません。また、開封ユーザー数や使用ユーザー数などのデータは確認できますが、誰が利用したかなど、ユーザー個別の利用状況は確認できません。
リサーチ機能
LINE公式アカウントの「リサーチ」とは、LINEを活用しLINEユーザーへのアンケートを実施し回答データを集計できる機能です。
例えば、例えば、メッセージ配信頻度や時間帯を事前にアンケートをとり友だちに快適だと感じてもらえるコニュニケーションに活かしたり、興味のある商品や好きなキャラクターなどについて事前にアンケートを実施し、商品開発や施策に活かすといったことが可能です。
LINE×CRM活用の鍵はID連携~顧客と継続的につながるために
ここまでLINE公式アカウントの基本機能やMessaging APIを活用した発展的な機能についてご紹介してきました。
これらの機能を活用しながら、顧客との継続的なコミュニケーションにつなげていくには、企業からの一方的なコミュニケーションだけでなく、ユーザー毎に最適なコミュニケーションを行い「繋がり続けていたい」と思ってもらえることが重要です。
そのカギとなるのがID連携です。
ユーザーのLINEアカウントはそれぞれ固有のID(userId)をもっています。
ID連携を行うことで、このLINEアカウント固有のID(userId、ユーザーID)と自社会員DBの会員IDを紐づけることができるため、LINE公式アカウントの友だちが自社データベース上のどの会員なのかを判別できるようになります。
このID連携ができてはじめて、Messaging APIを活用したセグメント配信や店舗とECで連動した会員証、ユーザーごとに出しわけるリッチメニューなど、ユーザー一人ひとりに最適なサービスを提供することが可能になります。
そのため、LINE公式アカウントにおけるID連携はLINEのCRM活用の必須条件といえるでしょう。
事例)毎日配信でもブロックされない?FrancfrancのLINE公式アカウント運用の秘訣
FrancfrancのLINE公式アカウントは、ID連携を活用したメッセージ配信の最適化を行なっています。
ID連携いただいている会員様に向けては、お客様の過去購入商品や閲覧商品、誕生日などの登録情報に応じてパーソナライズした情報を送っています。
■ID連携をもとにしたセグメント配信例
・2回目購入の促進メッセージ(レコメンド)
・カート落ち商品のリマインドメッセージ
・バースデークーポンメッセージ
・閲覧商品のリマインドメッセージ通常の全体配信に比較すると、配信コストは数十分の一、CVR(購入率)は数倍の成果がでています。
FrancfrancのLINEはなぜ毎日配信でもブロックされない?売上と顧客体験を両立させる秘訣
一歩進んだLINE公式アカウント活用のアイデア
長くなってしまいましたが、最後に、LINE公式アカウントをもっと活用するための施策をご紹介します。
LINEミニアプリ×デジタル会員証でOMOを実現
LINEミニアプリでは、「デジタル会員証」「モバイルオーダー」「順番待ち受付・呼び出し」など自社のサービスを「LINE」アプリ上で提供できます。
LINEミニアプリの会員証は、店舗でQRコードを読み取るだけですぐに会員証を発行でき、LINEログインを利用することでLINE公式アカウントの友だち追加とID連携も行えるので、以後、会員とLINE公式アカウントを通じたコミュニ―ションができます。
実店舗を起点に顧客とのオンライン接点を獲得し、実店舗とECのユーザー情報を一元化できることから実店舗とECとを運営する事業者におすすめの施策です。
通知メッセージで友だち以外にもメッセージを配信
LINE公式アカウントのメッセージは、友だち追加されているユーザーにのみメッセージを配信できますが、LINE通知メッセージは、友だちとして登録されていないユーザーに対しても重要性や必要性の高いメッセージを配信できる機能です。
配信できる通知メッセージは、LINE社がユーザーにとって有用かつ適切であると判断したものに限定され、営利目的や広告目的のものは配信不可となっています。
例えばECサイトでは、購入完了・発送完了通知など購買に関する通知が配信できます。メールだと見落としがちな通知でも、LINEであればスマホで手軽に確認できるため、ユーザーの利便性も向上します。
利用には認定パートナー(LINE Biz Partner)経由での事前申請が必要で、送信するメッセージ内容も事前審査があります。
サービスのご紹介
「ソーシャルPLUS」はID連携を強みとする、LINEを活用したCRM・ソーシャルログインサービスです。会員IDとプラットフォームのIDを自然に連携し、顧客データに基づいたメッセージ配信等のCRM施策を実現可能にします。
LINE株式会社の開発・販売のパートナーにも認定されているため、LINEログインを活用したCV導線の簡略化から、友だち追加の促進、会員情報に応じたセグメント配信に至るまで、ユーザー体験を重視したご提案が可能です。ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。